2023年7月22日土曜日

マダラニセケチャタテ♂?

 これはマダラニセケチャタテ Pseudocaecilius maculosus だと思います。サクラの葉の裏で、粗く縦横に糸をかけてその下でじっとしていました。以前のブログでも2度(2011.10.13,2012.01.05)出していますが、今回は複眼が大きいので♂でしょう。体長約2.1mm、翅端まで3mmです。


よく見ると右前翅の翅脈がちょっと変です。

反対の左前翅にも、別の部分に異常があります。
このような翅脈異常は以前にもヨツモンホソチャタテで見たことがあって、チャタテムシ類では珍しくないことなのかも知れません。


(2023.07.21・明石公園)


2023年7月21日金曜日

キノコヒゲナガゾウムシ・黒色型

 立ち枯れたウバメガシに生えたキノコに、2匹のキノコヒゲナガゾウムシ Euparius oculatus がきていました。どちらも全身真っ黒ですが、このゾウムシには体色に2型があり、こちらのように褐色の毛が生えたタイプもいます。どちらかと言えばこのような黒色型は少数派でしょう。1匹がキノコを食べていて、その後ろにやや小型の個体が控えていました。大きいのが♀で後ろの小さい方が♂だろうかと想像してしまいましたが、見当はずれかも知れません。

撮影を始めると小さい方はすぐに逃げてしましました。


臆病な虫で、この個体もこの後すぐに逃げていきました。

(2023.07.21・明石公園)

2023年7月20日木曜日

マルゴミグモ♂

 ツツジの枝の間に、差し渡し10センチばかりの小さな網を張っていたマルゴミグモ Cyclosa vallata です。あまり見かけないクモですが、調べてみると以前のブログにも一度、♀の幼体を出していました。今度のも大きさはほぼ同じで体長2.5mmくらいですが、触肢を見ると♂なので、これでほぼ成体と思われます。水平円網を張るとされていますが、この♂の網はおおむね45°くらいに傾いていました。




(2023.07.16・明石公園)

2023年7月18日火曜日

コウガイビルの一種

 朽木の上をすべるように移動するコウガイビル。扇形に広がった頭部をわずかに浮かせて、木の表面にはほとんど触れることなくその凹凸に応じて自在に形を変えながら進んでいきます。何か非常に高感度のセンサーを備えているかのような滑らかで正確な動きは見ていて飽きません。不思議な生き物です。






(2023.06.24・明石公園)

2023年7月16日日曜日

オオクロトビカスミカメ

 イノコヅチの葉の上に小さなハムシがいると思ってカメラを向けると、黒いカスミカメムシでした。以前にも出したオオクロトビカスミカメ Ectometopterus micantulus です。たくさんいたのですが逃げ足が速く、葉に触るとすぐにぴょんと跳ねたり葉の裏にまわったり、それを猛暑の中しつこく追い回して撮りました。幼虫もいたので多分このイノコヅチで発生しているんでしょう。日本原色カメムシ図鑑には「暖地のカボチャ畑や海浜の草むらに多い」とありますが、前回の記事もイノコヅチの上で撮ったものでした。

成虫の体長は3mmたらず。黒くて丸っこくて光沢があるので、遠目には甲虫のように見えます。

1枚目に比べると触角が長いようですが、雌雄差でしょうか。

この人は葉縁から吸汁していたようです。

体のわりに太くて立派な口吻です。

すぐそばのナガイモの葉の上にもいました。

幼虫もいました。これは体長約1.5mm。ここから3枚は同一倍率です。

もっと大きな幼虫もいましたが、逃げ回るのでこんな姿しか撮れず。

左側にピンボケで写っているのが初齢くらいでしょうか。

(2023.07.16・明石公園)

2023年7月15日土曜日

ヒメツチカメムシ

 サクラの幹を上っていたヒメツチカメムシ Fromundus pygmaeus です。普通のツチカメムシ Macroscytus japonensis によく似ていますが体長は半分ほどの約4mmです。地表性のカメムシなので普段こんなところで目にすることはありませんが、このところ雨が多く、樹皮が湿っているせいでつい足をのばしたのかも知れません。




(2023.07.07・明石公園)

2023年7月14日金曜日

久しぶりのゾウリムシ

 実物を見たことがなくても名前くらいは誰でも知っている、ゾウリムシ(Paramecium)の一種です。この前出したのがいつだったかと調べてみると、すでに12年も経っていました(こちら)。どちらも同じ微分干渉・ストロボ撮影ですが、12年前とは機材も替わり、少しは要領もよくなっているので画質もいくらか改善されたと思います。
水田で採ってきたサンプルで、採集当日に見た時にはほとんど見かけなかったのが、室内に数日放置していた後で調べると大量に泳ぎ回っていました。


カバーガラスで適度に押さえつけられた状態で撮影していますが、本来の細胞形はほぼ棒状で、もっと細身に見えます。この写真を含めて以下4枚、細胞中心からカバーガラスに接するあたりまで、順にピントをずらして撮っています。




中央左寄りの大きな黒い楕円が大核、その右側から食い込んでいる丸くて小さいのが小核、下側左右に丸い穴のように見えるのが収縮胞、そして口部は上側です。

収縮胞は数秒おきに消長を繰り返し、その際にお馴染みのお日さま印が現れます。

細胞表面はこんな繊毛に覆われています。

動画です。


(2023.07.06)