2023年11月4日土曜日

ムネアカアワフキの幼虫巣

 サクラの枝先に細い筒を巻いたような、ちょうど海岸の岩場についているオオヘビガイの殻を小さくしたようなものがくっついています。カイガラムシの仲間だろうと思っていたら、それはムネアカアワフキ Hindoloides bipunctata の幼虫の巣だと虫仲間に教えられました。そういえば成虫は春になるとたくさん見つかりますが、これまで幼虫を見た覚えがありません。ネット検索すると同様の巣の画像がたくさんでてきて、これまで知らなかったことが少々恥ずかしくなりました。
幼虫の姿は外からは見えないようなので、その日はとりあえず巣の外観だけ簡単に撮影して帰ったのですが、帰宅して調べると巣口に幼虫の頭らしきものが見える画像があります。そこで数日後、撮りなおしに出向きました。


巣口まで樹液の溢れている巣が、現に使用中のもののようです。


見ていると中からときどき泡が出てきます。


幼虫の頭も見えます。

水面まで浮き上がってくると、頭に接した部分にぽっかり穴が開きました。多分、空気を取り入れているのではないかと思います。

別の巣。




巣を壊せば幼虫の全身が見られると思いますが、今回はやめておきました。巣の外に出てきた終齢幼虫と羽化の様子は、そらさんのブログに見事な画像が掲載されています。

(2023.10.25・明石公園)

2023年11月2日木曜日

ミスジハマダラミバエ?

 アケビの葉の上にいたきれいなミバエで、慎重に近づいたのですが数枚撮っただけで逃げられました。体長約5mmです。
以前BABAさんのブログでも紹介されていたミスジハマダラミバ エ Trypeta artemisicola ではないかと思うのですが、ネット情報にあたってみると同属のヨモギハマダラミバエ T.artemisiaeとの外部形態の違いはわずかなようです。また学名も T. trifasciata とされている資料もあって、どちらが新しいのかよく分かりません。とりあえず疑問符付きのタイトルをつけておきます。





(2023.10.29・明石公園)


2023年10月29日日曜日

産卵するクロマルズヒメバチ

 コナラの幹の、一部枯死して材がむき出しになった場所でヒメバチが産卵していました。こちらと同じクロマルズヒメバチ(クロマルズオナガヒメバチ)Xorides investigator だと思います。以前はこの公園でも枯木や伐採木に産卵しているのを時々見かけたものですが、ここ数年は目にしていませんでした。産卵している場所の周囲にはタマムシやカミキリムシ類と思われる虫孔がたくさんあって、それらの甲虫類の幼虫を寄主としているのではないかと思います。




(2023.10.25・明石公園)


2023年10月26日木曜日

ヘクソカズラグンバイ(深度合成)

 ヘクソカズラグンバイ Dulinius conchatus の深度合成画像は以前のブログでも一度出していますが、十数年ぶりに撮りなおしました。前回はこういう撮影を始めたばかりだったので、それに比べると少しは出来が良くなったと思います。


被写体は相変わらずガラス板の上にただ置くだけなので、裏返すと座りが悪く、傾いてしまいました。







(2023.10.13・明石公園にて採集)

2023年10月23日月曜日

クロガネモチの実に産卵するカタビロコバチ

 毎年ニッポンオナガコバチの発生を見ているクロガネモチで、黄色く色づいた実に産卵するカタビロコバチを見つけました。おそらくキイロカタビロコバチ Sycophila variegata で、これまでにも何度か、この時期に産卵するのを見ています。ニッポンオナガコバチの産卵は9月頃に行われるのを確認しているのですが、♂が沢山集まって♀を待つ羽化の時期と違って期間が短いらしく、過去に見たのは2度だけ、今年もタイミングを逃してしまいました。このキイロカタビロコバチはクリタマバチをはじめ各種のタマバチ類への寄生が知られているそうですが、オナガコバチ類が寄主になるのかどうかは勉強不足で分かりません。あるいはこの同じクロガネモチの実に寄生しているタマバチがいるのかも知れません。



深く挿入した産卵管を途中まで引き抜き、方向を変えて再び挿入していました。


(2023.10.11・明石公園)

2023年10月22日日曜日

ヤブガラシグンバイの幼虫(深度合成も)

 ヤブガラシグンバイ Cysteochila consueta はその名の通りヤブガラシに寄生するグンバイムシですが、寄主植物がいたるところではびこっているわりに、個体数はあまり多くないようです。いつもの公園でも、最近の樹木の大量伐採の跡地に人が通れないほどこの蔓植物に埋めつくされた場所があったのですが、そこでせっせと葉を裏返しても見つかったのは幼虫が数匹だけでした。

翅芽が伸びているので、終齢でしょうか。おなじみのナシグンバイヒメグンバイの幼虫とはだいぶ違った雰囲気です。1匹持ち帰り、以下はスタック画像です。







(2023.10.11・明石公園)

2023年10月21日土曜日

アカメガシワの葉の上のツマグロスケバ

 アカメガシワの葉を吸汁していたツマグロスケバ Orthopagus lunulifer です。大型のウンカの仲間で、お仲間にテングスケバというのがいて、本当はそっちの方を見たいのですが、残念ながらまだお目にかかれません。いろんな植物の上で見かけますが、アカメガシワは特に好物のようです。昨年も顔だけ出しましたが、好きな虫の一つなので何度も登場します。

翅端まで約14mmです。



(2023.10.13・明石公園)