昨年夏にマツヘリカメムシ Leptoglossus occidentalis の成・幼虫を撮影した場所を見に行くと、1本となりのマツに成虫が1匹来ていました。越冬明けの個体でしょう。しきりに球果を吸っていましたが、邪魔な葉をかき分けて口吻を伸ばした顔を撮ろうとすると食事を中止して立ち去ってしまいました。
(2024.04.14・明石公園)
昨年夏にマツヘリカメムシ Leptoglossus occidentalis の成・幼虫を撮影した場所を見に行くと、1本となりのマツに成虫が1匹来ていました。越冬明けの個体でしょう。しきりに球果を吸っていましたが、邪魔な葉をかき分けて口吻を伸ばした顔を撮ろうとすると食事を中止して立ち去ってしまいました。
河川敷を歩いていると、多数のトビケラが飛び交っていました。ときどきあたりの雑草や灌木の枝、さらにはこちらの体にまでとまるのですが、ほとんどがカメラを向ける間もなくすぐにまた飛び立ってしまい、どうにか撮影できたのが下の2匹だけでした。
翅の斑紋などの特徴はコガタシマトビケラ Cheumatopsyche brevilineata によく似ていますが、この仲間は成虫での同定は難しいようなので、シマトビケラ科 Hydropsychidae の一種としておきます。
タイトルはムシクソハムシ Chlamisus spilotus としましたが、この公園には同属の酷似種であるツツジコブハムシ C. laticollis もいるので、そちらの方かもしれません。ヤエムグラの茎で交尾していたのですが、近くにアベマキがあるのでムシクソの可能性が高いと考えただけで、腹面の特徴を確認しないと確かなことは分かりません。
この虫の交尾は昨年の春に初めて見たのですが、今回もその時と同じ虫仲間が見つけたのを撮らせてもらいました。前回は余計な♂が1匹まとわりついて三つどもえの状態でしたが、今回は人間以外に邪魔は入りませんでした。
いつもの公園を虫仲間3人で歩いていると、大きなユリノキの周りを囲む環状の芝生の上を、多数の黒っぽい虫が飛び回っているのが見えました。膝より下くらいの高さを、形がよく見分けられないくらいの速さで飛んでいて、ざっと数十匹はいたようです。この時期なのでハバチの仲間が頭に浮かびましたが、地面に降りたのを見ればウスチャコガネ Phyllopertha diversa でした。飛び回りながらときどき10匹前後の個体が地上に降りて絡まりあった団子状になりますが、どうやら1匹の♀に群がる♂たちのようです。その騒ぎの最中に、♀らしき個体が地面に潜っていくのも見えて、おそらく地中に産卵するためだろうと思われますが、写真に収めるには動きが速すぎました。
初めて見る光景でしたが、調べてみるとウスチャコガネは芝草の重要害虫で、春にはこのような群飛がよく見られるということです。その生態についてはこんな資料も見つかりました。やはり群飛の際に交尾した♀は地中に産卵するそうです。
虫仲間数人といつもの公園を散策していて見つけたトラフシジミ Rapala arata です。見覚えはあるのですが名前は思い出せず、虫仲間に教えてもらいました。長年こんなブログをやっていてもチョウやトンボには普段からどうもあまり関心がわかず、目の前にいれば一応は撮るという程度で、どこにでもいるような普通種でも図鑑を見なければ名前も分からないというのもいつものことです。この場所で見ることは少ないということなので、皆さんと同じように撮らせてもらいました。一応過去の記事を調べてみると、14年前のちょうどこの時期に、当時の仕事場の近くで撮ったものを出していました。
虫撮り仲間が、河川敷のヤナギにヤナギハムシ Chrysomela vigintipunctata が来ているというので現場に案内してもらいました。手元の図鑑などでは普通種とされてますが、このあたりの平地ではこれまで見たことのない種です。ハムシが来ているヤナギはまだ幹の細い若い木とすぐ近くのさらに小さな幼木で、新葉が開き始めた枝のところどころに、多くは雌雄のペアでとまっていました。多くの同類のように枝に触れただけでポロリと落ちるということがないのはいいのですが、枝は細くて揺れるし足場も悪いしで、あまり満足なカットは撮れませんでした。
河川敷に生えたサワグルミの新葉に、きれいな緑色のアブラムシが群がっていました。
この木でアブラムシを撮影したのは多分はじめてだと思いますが、外見はアベマキなどでよく見かけるクヌギミツアブラムシ Kurisakia querciphila によく似ています。調べてみればやはり、同属のサワグルミミツアブラムシ K. onigurumiでした。種小名が onigurumi となっているようにサワグルミをはじめオニグルミ、ノグルミなどのクルミ類につく種だそうです。