2019年12月22日日曜日

ヤマギシモリノキモグリバエ

いつもの公園を歩き廻ってもさっぱり収穫がないので、マテバシイの葉に集まっていたヤマギシモリノキモグリバエ Rhodesiella yamagishii を捕まえて深度合成の練習台になってもらいました。
このハエの深度合成画像は数年前にすでにBABAさんが素晴らしいものを掲載されているのですが、練習中ということでご勘弁ください。




頭の後ろにダニが数匹ついていました。

ダニの種類は見当がつきません。

(2019.12.03・学が丘北公園にて採集)

2019年12月19日木曜日

アザミウマ科 Astrothrips aucubae

ヤツデの葉裏で久しぶりに見たアザミウマ。以前のブログにも掲載した、アザミウマ科・アミメアザミウマ亜科の Astrothrips aucubae Kurosawa だと思います。


体長約1.2mm。頭部にトサカのような出っ張りがあるのが特徴です。

正面から撮りたかったのですが歩きまわるのでタイミングが合いません。深度合成の練習用にと持ち帰りました。






レタッチが面倒で、なかなかすっきりした画像になりません。練習を重ねるしかありませんね。
なお、この種については時鳥庵晴耕雨読に紹介されています。

(2019.12.03・学が丘北公園)

2019年12月18日水曜日

マルサヤワムシ科 Beauchampia crucigera

このワムシは以前のブログでヒルガタワムシ目の一種として掲載していたものですが、これとよく似たワムシの画像がマルサヤワムシ科の crucigera (Dutrochet, 1812)としてネット上で見られることを最近になって知りました。それらはすべて海外ものですがいくつものサイトに画像が掲載されていて、同種として間違いないと思います。
このワムシを最初に見た時は長い巣(管室)に収まっていることからマルサヤワムシ科と考えたのですが、手元の図鑑のマルサヤワムシ科の項にはこれほど長い背触手を持つ種の記載はなく、同じ特徴を持つ種が含まれるヒルガタワムシの仲間と判断していた次第です。

非常に長い足を持つワムシで、この個体で全長0.8mmほどにもなります。驚くと管室の中に引っ込んでしまいます。


輪盤(周囲に繊毛の生えた部分)のすぐ下に細かな縞模様が見えますが、動画ではこの縞模様が波のように移動して行くのが見られます。何の器官でしょうか。

長い背触手。

ワムシの繊毛の動きはきれいですね。

動画です。


(2019.11.25・明石公園 桜堀にて採集)

2019年12月17日火曜日

シカクミジンコ?(?Alona quadrangularis)

やや小型の、左右に扁平で赤みがかった殻を持つミジンコです。最近ようやく購入した「日本産ミジンコ図鑑」で調べると、写真で確認できる限りの特徴はシカクミジンコ Alona quadrangularis に一致するのですが、ただ一点、説明文にある殻の「背縁に平行した明瞭な縞模様」が確認できません。他の Alona 属やマルミジンコ科にひとわたり目を通しましたが、より特徴の一致する種は無さそうなので、とりあえず疑問符付きでシカクミジンコの名を挙げておきます。


暗視野で。

殻面にピントを合わせても縞模様が見えません。

頭部です。二つの黒い円い点は左が複眼、右が単眼、吻の下に半円形に張り出しているのは唇片です。

後腹部。黒っぽい大きな爪が尾爪、その基部から出ている小さい爪が基刺、下面に鋸の歯のように並んでいるのが肛刺・側刺です。このあたりの形状や数が同定のための重要なポイントですが、写真はピントが浅いので何枚か撮って見比べないとなかなか全ての特徴は確認できません。

(2019.11.25・明石公園 桜堀にて採集)

2019年12月15日日曜日

イシハラナガカメムシ

黄色くなりかけたイタドリの葉を捲ると、このカメムシがくっついていました。イシハラナガカメムシ Pylorgus ishiharai だと思います。

日本原色カメムシ図鑑第3巻によれば同属のヤスマツナガカメムシ P.yasumatsui に酷似していて、外観からは確実な同定が出来ないこともあるとのことです。イシハラナガカメムシはノリウツギやリョウブからよく採集されるということですが、この季節ですから成虫が通常とは異なる植物で吸汁していても不思議ではないような気がします。

体長は約4.8mm。前出の図鑑によれば、ヤスマツナガカメムシであれば中・後胸の側板はが広く黒褐色になるそうです。

主脈から吸汁しています。


(2019.12.03・学が丘北公園)


2019年12月14日土曜日

ディレプタス属の一種(Dileptus SP.)

細長くて大型の繊毛虫で、ディレプタス属 Dileptus の一種だと思います。


この鼻のような部分(proboscis)にはトキシシストという、ゾウリムシのトリコシストにあたる小器官が多数存在し、獲物の繊毛虫に遭遇した際に放出されてその毒性で相手を麻痺させるのだそうです(こちらに詳しく説明されています→“繊毛虫間戦争”)。
繊毛虫ではありませんが、以前このディレプタスがハネウデワムシを呑み込むのを見たことがあります。

proboscisの基部に見える円い部分が細胞口です。


わずかな時間目を離していた間に、proboscis が消えてのっぺらぼうな頭になっていました。同じく proboscis を持つトラケリウス Trachelius の仲間でも、スライドガラスにマウントして観察を始めると間もなく、泳ぎながら proboscis が溶けるように無くなってしまうことがよくあります。外部のストレスに対する反応なのかも知れません。

倍率を下げてみると、ガラスと糸状藻に挟まれてなかなか抜け出せないようでした。

動画です。


(2019.11.25・明石公園 桜堀にて採集)

2019年12月13日金曜日

ホシミドリヒメグモ♂

トベラの葉裏にいたホシミドリヒメグモです。

触肢が膨らんでいるので♂でしょう。長い脚を伸ばしていたのですが、葉を裏返すと引き寄せてしまいました。

透明感のある美しいクモです。


春にはよくこんなふうに雌雄仲良く葉裏に隠れているのを見かけます。

(2019.12.03・学が丘北公園)