2021年11月7日日曜日

ハラビロクロバチ科 Synopeas sp.

クワの葉の裏で、ハダニが張った糸の上を歩いていたハラビロクロバチ科 Synopeas 属の一種です。体長約1.2mmで、大きさや腹部の形はこちらの記事の“その2”に似ていますが脚の色が違うようです。




(2021.10.27・明石公園)

2021年11月5日金曜日

クスベニヒラタカスミカメと産卵痕

特徴的な食痕のあるクスノキの葉を裏返していくと、10月末になってもまだクスベニヒラタカスミカメ Mansoniella cinnamomi の幼虫がいました。


この種は卵越冬だそうなので、すでに産卵を済ませて姿を消している頃ではないかと思っていました。見つかった幼虫はすべて終齢でしたが、これから羽化・交尾・産卵と、寒くなるまでに間に合うんでしょうか。

成虫もちらほら。

葉柄に産卵すると聞いたので、それらしい跡を探してみると、ありました。


しかし拡大してみると、すでに「蓋」が開いているような…。

持ち帰った葉柄を割いてみると、案の定出てきたのは孵化した後の殻の卵殻のようです。越冬卵を見たかったのですが、もっと新鮮な葉を探さなくてはいけないのかも知れません。

(2021.10.27・明石公園)

2021年11月4日木曜日

キリの葉の上のヒメイトカメムシ

 大きな葉をつけたキリの幼木を見に行くと、予想通りヒメイトカメムシ Metacanthus pulchellus がたくさん集まっていました。成虫・幼虫ともにほとんどは裏側にいるのですが、少数は葉の上にも出ていて、粘着性の毛に捕えられて死んだり動けなくなったりした小昆虫に口吻を刺しているものが高い割合で見られます。モチツツジカスミカメと似た習性で、粘毛の上を不自由なく歩き回れるのは不思議ですが、大変臆病でカメラを近づけると立ち去ってしまうことが多く、たくさん見かけるわりに満足には撮れませんでした。

幼虫は脚や触角のだんだら模様が特徴的です。獲物は原形をとどめていませんが、小さなハエかユスリカでしょうか。

別の葉の上で食事中の幼虫ですが、齢は同じ(終齢?)ようです。

獲物はノミバエの一種でした。

同じように食事をしている成虫も数匹見かけましたが、どうにか撮れたのはこの1枚だけ。ちょっと前ピンでした。

(2021.10.27・明石公園)

2021年11月3日水曜日

ハラビロクロバチ科の一種

 木の葉の裏で見つけた小さなハチですが、足早に走り回ってどうにも撮影できないので捕えて帰りSTACK撮影しました。ハラビロクロバチ科(Platygastridae)の一種だと思いますが、属は分かりません。以前に撮影した Trimorus sp. と同様第1腹節の背面に瘤のような突起があります。♀のようで、体長は1.6mmくらいです。

翅はボロボロでしたが、黒っぽい斑紋があります。

背面の瘤は Inostemma が背中に背負った管の原形のようなものでしょうか。


(2021.10.27・明石公園にて採集)

2021年11月2日火曜日

ハネオレバエ科の一種(Psila sp.)

数年ぶりに見たトラ柄のハネオレバエです。クスノキの葉裏にいました。 
過去に撮影したのはいずれも11月で、他のサイトで見られる画像もほぼその頃に撮られているので、出現時期は晩秋に限られているようです。以前のブログに掲載した時点では Psila 属の未記載種だったらしいのですが、その後名前が付いたのかどうかは聞いていません。過去の経験では刺激に鈍感なハエという印象があったのですが、今回も葉を裏返しても逃げずに撮影させてくれました。体長約4.8mmです。



♀のようですが、腹部下面の出っ張りは何でしょうか。



(2021.10.27・明石公園)

2021年11月1日月曜日

ウスモンミドリカスミカメ

 花の終わったチチコグサの花序にいたウスモンミドリカスミカメ Taylorilygus apicalis です。



以前のブログに掲載した成虫と比べると体色がかなり違いますが、「日本原色カメムシ図鑑 第2巻」によると本種は分布が広い上に著しい色彩変異をもつことから、過去には多くの種名で記載されてきたという経緯があるそうです。翅端まで約5mmです。

同じ成虫です。

幼虫もいました。

体長約3.6mmで、多分終齢でしょう。

(2021.10.27・明石公園)

2021年10月30日土曜日

クワの葉で産卵していたクモガタテントウとラブルベニア

背丈くらいに伸びたクワの幼木の葉をめくってみると、クモガタテントウ Psyllobora vigintimaculata が産卵中でした。


既に3個の卵を産み付けています。

次の卵が出てくるのを息をひそめて待っていましたが・・・。

残念ながら産卵を中止して立ち去ってしまいました。

お尻には以前にも同じクモガタテントウで見たラブルベニア(Laboulbenia)菌がくっついています。寄生性の菌類で、昆虫など小型の節足動物が寄主となるようですが私はまだこのクモガタテントウでしか見ていません。

(2021.10.27・明石公園)