2024年10月4日金曜日

クヌギハケタマフシに産卵するイソウロウタマバチの一種

 アベマキの葉裏が無数の虫こぶ(ゴール)で覆われています。

クヌギハケタマフシだと思います。クヌギハケタマバチ Cerroneuroterus japonicus というタマバチが犯人だそうです。

その虫こぶの間をうろつくハチが1匹。

これもタマバチの一種です。

虫こぶに産卵しています。

何度も場所を変えながら産卵していきます。

タマバチの仲間には自ら虫こぶを形成してそれを食料として育つものの他に、自分では虫こぶを作らず、他種のタマバチの虫こぶに産卵してその中で成長する、イソウロウタマバチ族と呼ばれる一群があるそうです。これもその一種でしょう。

クヌギハケタマフシに産卵するタマバチは以前にも出していますが、同種かも知れません。やはり以前の記事の、同じくアベマキにできるクヌギハマルタマフシに産卵するタマバチも、おそらくイソウロウタマバチの一種でしょう。またこちらの、ノイバラにできるバラタマフシに産卵していたタマバチも同じ仲間だと思われます。他に、イソウロウタマバチ族でありながらアラカシの実に自ら虫こぶを作る Synergus itoensis という種も見つかっていて、こちらがおそらくその種だと思っています。
ところで、このクヌギハケタマフシを形成するクヌギハケタマバチ Cerroneuroterus japonicus については、これまでネット上にも画像が見当たらずどんな姿をしているのか見当がつかなかったのですが、今回あらためて探してみるとこんな記事が見つかりました。これまでこの種に与えられていた複数の学名を一つに整理したという内容ですが、単性世代と両性世代を繰り返すというこの仲間の習性も一因となって、同じ種が過去に9回も新種として記載されていたそうです。
さて、その記事には二つの世代の成虫の画像が載せられているのですが、胸部・頭部にオレンジ色の部分のある両性世代の成虫が、以前に掲載したものによく似ていることに気づきました。アベマキの新葉裏に産卵しているのを何度か見ていて、同じ場所で当の虫こぶもよく見られるので、同種の可能性が高いと思います。

(2024.09.17・明石公園)


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