2025年4月3日木曜日

アズキナシオオアブラムシとヒラタアブの幼虫

 先日、蟻牧亀虫というブログのこちらの記事を見てアレ、と思い、調べてみると、当ブログでも何度も登場しているナシミドリオオアブラムシ Nippolachnus piri の分類が再検討されて、おなじみのシャリンバイにつく種はアズキナシオオアブラムシ N. micromeli に変わっていました。2018年の論文ですから7年も前のことです。種名が変わったと言っても新種として記載されたわけではなく、もともとアズキナシから得られた標本を N. micromeli として100年も前に記載していたのが後に N. piri のシノニムとして統合され、それが最近の研究によって再び N. micromeli として独立したということのようです。
長年同一種とされていたくらいですから生態写真などで区別できるはずもないと思いますが、寄主植物ははっきりと分かれていて、N. piri(ナシミドリオオアブラムシ)はナシとビワ、N. micromeli(アズキナシオオアブラムシ)はアズキナシ、ナナカマド、シャリンバイにつくということなので、そこから判断しても間違いはないでしょう。つまり以前のココログ時代も含めて当ブログに登場したナシミドリオオアブラムシはどれもシャリンバイに寄生していたものなので、すべてアズキナシオオアブラムシに訂正しなければならないことになります。

以上のように前置きをしておいて、ようやく今回の本題です。

シャリンバイの葉裏で、アズキナシオオアブラムシの幼虫がヒラタアブの幼虫と向かい合っていました。ヒラタアブの幼虫はアブラムシの口吻を捕まえているように見えます。


綱引きのような格好で、アブラムシはなんとか逃れようとしているようですが、相手が放してくれません。



太い口吻(鞘)から細い口針がはみ出しています。
以前に見たヨツボシテントウの幼虫は、常にアブラムシの脚の1本にかじりついてそこから体液を吸い取ってしまうということですが、このヒラタアブの幼虫もそれに似た芸当ができるんでしょうか。

(2025.03.21・明石公園)

0 件のコメント:

コメントを投稿