2019年10月3日木曜日

ケンミジンコとツリガネムシの一種(Epistylis sp.)

こちらのブログに移ってから虫ばかり続いていたので、このあたりで一つプランクトンを。ただし何カ月も前に撮ったものです。

腰の左右に卵塊をぶら下げた上にツリガネムシを満載したケンミジンコの一種です。

ツリガネムシはエピスティリス Epistylis 属の一種だと思います。群体性で、ミジンコやケンミジンコに付着していることが多いようですが、こちらのようにどこにも付着せずに遊泳している群体を見かけることもあります。


押し合いへし合いしながら盛んに繊毛を動かしています。

動画です。


(2019.06.11・神戸市西区の水田にて採集)

2019年10月2日水曜日

ヘリグロメンコガ

5年前に一度掲載したことのあるヒロズコガ科のヘリグロメンコガです。
当時の情報では和名はついているもののまだ学名は決まっていない(Opogona sp.)ということでした。今回あらためてあちこち検索してみましたが、やっぱり学名は出てきません。まだ付いていないんでしょうかね。

石垣の隙間にいたのでこの角度からしか撮れませんでした。頭端から翅端まで約4mm。



蛾の鱗粉はいろいろな形に変化していて面白いですね。長い毛のようなのは先が二股に分かれているようです。

(2019.09.17・明石公園)

2019年10月1日火曜日

オオウロコチャタテと、?

石の上を高速で走るオオウロコチャタテ Stimulopalpus japonicus は以前のブログで一度掲載しています(こちら)。
夏場にいつもの公園の石垣を探すといくらでも見つかるものですが、その割にはいざ撮ろうとすると逃げ足が速く追いかけるのも面倒なので、いつも見て見ぬふりで通り過ぎていました。
ところが今回、久しぶりに撮り始めて見ると、すべて同じ種だと思っていたのが実は2種、というか形態や模様に二つのタイプがあることに気付きました。
まず、次の2個体はオオウロコチャタテで間違いないと思います。


どちらも翅端まで約4.2mm。前翅の斑紋は細かな違いを無視すれば双方よく一致します。

次はもう一つのタイプ。



これら3個体は翅端まで約2.8~3.2mmとひとまわり小型です。これは単に翅が短いだけのようですが、そのため少しずんぐりした体型に見えます。そして前翅や頭部の斑紋は3個体の間ではよく似ていますが、はじめのタイプとかなり異なっています。

顔面はこんな感じ。以前の記事の顔面写真と見比べると斑紋の違いがよく分かります。
実はその7年前の記事にも二つのタイプが混ざっていたのですが、当時は単に個体変異だろうと片付けていたのでした。
これら二つのタイプは同じ場所で混在しているので、おそらく同じ種(つまりオオウロコチャタテ)の♂と♀(どっちがどっちか分かりませんが)ではないかと思うのですが、参考資料が無いので確かなことは分かりません。

ついでに、幼虫たち。

体長約1mm。

体長約1.5mm。
小さな幼虫もよく走りますが、成虫と違ってちょっとした窪みに入るとそこでじっとしていることが多いようです。

(2019.08.25,09.17・明石公園)

2019年9月30日月曜日

アザミウマの一種

クサギの葉の裏にいたアザミウマです。
体長は約1.5mmで、前翅に3か所の白色部がある特徴的な外見ですが、多分見るのはこれが初めてです。農業関係のサイトで野菜や花卉の害虫として紹介されているモトジロアザミウマという種に似ているように思いますが、そちらは翅の白色部が付け根付近の1カ所だけなので別種でしょう。






(2019.09.17・明石公園)


2019年9月29日日曜日

ヒラアシキバチ

6月末に2種の大型ヒメバチ(Megarhyssa sp.とオオホシオナガバチ)が産卵していたエノキを見に行きました。それらの寄主になっていると思われるヒラアシキバチ Tremex longicollis がそろそろ現れる頃だと期待してのことです。

以前に何度も見たような、数匹のヒラアシキバチがあちこちで産卵管を突き立てているという光景を今回も期待していたのですが、来ていたのは1匹だけでした。それも、産卵管を引き摺りながらとぼとぼと歩いて行く様子はくたびれ切った感じです。

それでも時々立ち止まって産卵姿勢をとりますが、場所が適当でないのかすぐにまた産卵管を鞘に納めて歩き始めます。かなり高い場所を歩き廻るのでカメラを片手で目一杯持ち上げての撮影です。

これも産卵には至らなかった場面ですが、かなりの力を籠めているようで産卵管が撓っているのが分かります。

しばらくその場を離れていた後戻ってくると更に上の方に移動していましたが、ようやく場所が決まり産卵を始めたようでした。この♀がどこから来たのかは分かりませんが、この同じエノキで羽化したものかも知れません。ヒラアシキバチには雄が出現せず単為生殖することが知られていて、以前には羽化・脱出してきたばかりの♀が直ちに産卵行動を始めるのを見たことがあります。

(2019.09.26)

ヒラアシキバチについては以前のブログで何度か記事を書いています。

2019年9月28日土曜日

コシタカシタラガイ

*2020.11.28・追記とタイトル修正* 
種名には自信がありませんでしたが、コシタカシタラでOK、とのコメントをいただきましたのでタイトルから疑問符を外しました。この貝には類似種はないので間違えることはないとのことです。

湿った落ち葉を捲ってダニを追いかけている時に見つけた微小なカタツムリです。
殻径は約0.9mm、殻高も同じくらいで、以前同じタイトルで掲載したものに比べると半分くらいの大きさで巻き数も少ないのですが、殻の形や表面の彫刻はよく似ていて、同種の幼貝ではないかと思います。図鑑やネットで探した限りではベッコウマイマイ科のコシタカシタラガイ Sitalina circumcincta によく一致するようですが、参照できる情報が少なく、判断がつきかねています。この日、ほぼ同じ大きさの個体を数匹見つけました。



上の2枚と下の3枚は別個体です。




(2019.09.12・学が丘北公園)

2019年9月27日金曜日

ヌカカ科の一種

カエデの幹に残された蛹の抜け殻に、小さなヌカカがとまっていました。

先日掲載したシロオビクロコケガがとまっていたのと同じ木で、ひょっとしたらこの蛾の蛹だったのではないかという気もします。全長約5.5mmほどなので大きさも矛盾しません。抜け殻ばかりですが、同じ幹でいくつか見つけました。

ヌカカは体長約1.5mm。

触角を見ると♂でしょうね。

蛹殻の表面を舐めているようです。何か栄養分が残っているんでしょうか。

翅脈の読める写真が欲しかったのですが、カエデの幹が邪魔をして真上から撮れません。

(2019.09.12・明石公園)