2020年4月8日水曜日

クロヒラタケシキスイ

これは朽木などでよく見かける小甲虫で、クロヒラタケシキスイ Ipidia variolosa だと思います。


原色日本甲虫図鑑(Ⅲ)の説明には、「上翅は間室に微細印刻を有し、第7間室は隆まって稜をなす」とあります。



裏返しました。体長は約4.8mmです。

(2020.04.03・学が丘北公園)





2020年4月7日火曜日

ヤリタカラダニの一種(Calyptostoma sp.)

朽木の樹皮を捲ると赤いダニが出てきました。調べてみるとヤリタカラダニ科の一種のようです。幼虫がガガンボ類に寄生するそうで、その様子はBABAさんのブログでも紹介されていました。
「日本産土壌動物検索図説」ではこの科の特徴として成虫の体長は2mm内外、鋏角が体内に出し入れできる、眼は2対、感覚毛は1対、背板も背溝もなし、毛は木の葉状、などが挙げられています。国内で記載されているのはコノハヤリタカラダニ Calyptostoma velutinus 1種のみだそうです。

最初の個体は体長約1.5mm。背中に大量の水滴を乗せていました。

のろのろと歩きはじめます。



水滴が邪魔をして見えにくいですが、左右の目の中間やや下方に細い感覚毛がどうにか認められます。

2匹目は体長約2mmで、丸々と太っています。



感覚毛の基部。2対の眼は上下に接しています。

背毛は木の葉状ということですが、この画像では少し太めというくらいにしか見えません。またそれぞれの毛穴をつなぐ畝のような盛り上がりがあって規則的な網目模様を作っています。このあたりの様子は「日本ダニ類図鑑」のコノハヤリタカラダニの背毛の図とはやや異なるようです。

裏返してみました。最初この写真を見た時、口器らしきものがどこにも見えないので慌てましたが、鋏角が自由に出し入れできるという説明で納得しました。

ぬいぐるみにしたいような姿です。

(2020.04.03・学が丘北公園)



2020年4月3日金曜日

タイワントガリキジラミ幼虫とヒメコバチの一種

昨日の記事と同じモチノキですが、たくさんのタイワントガリキジラミに寄生された葉の裏でヒメコバチが1匹歩きまわっていました。寄生卵を産みこむのに適した寄主を探しているのだろうと思いしばらく追いかけましたが、それが悪かったのか産卵には至らずやがて飛び去ってしまいました。1月にカシトガリキジラミの幼虫に産卵していたものと写真を見る限りでは区別がつかず、同種かも知れません。


体長は約1.5mm、翅端まで約2mmです。



(2020.03.30・明石公園)


2020年4月2日木曜日

タイワントガリキジラミの羽化

モチノキにつくタイワントガリキジラミ Trioza formosana はつい先日、幼虫や羽化したばかりの成虫を掲載したばかりですが、今度は運よく羽化が始まったばかりのところに出会いました。



羽化の様子は以前に見た同じ Trioza 属のニッケイトガリキジラミカシトガリキジラミと似たようなものですが、こういうシーンは何度見てもいいものです。





1枚目からここまで約20分。出来れば翅の伸びきるまで撮影を続けたいところですが、まだまだ時間がかかりそうだし、古い殻から出てしまえばあちこち歩いて逃げ回るのでここで終了。

同じ葉にいた幼虫です。自分の窪みから出てきていて、これから羽化が始まるのかも知れません。

(2020.03.20・明石公園)




2020年4月1日水曜日

アリグモの幼体

トウネズミモチの葉裏にいたアリグモの幼体です。

アリグモとタイリクアリグモは外見での区別が難しいようですが、後者は地表性だそうなのでここでは前者としておきます。体長約4.7mm。

まだ気温が低いので動作は緩慢ですが、それでもカメラを嫌がってあちこち歩きまわります。

顔面を撮ろうとしばらく追い回しました。




(2020.03.30・明石公園)


2020年3月30日月曜日

ツクシの胞子

近所のお散歩道に生えているツクシの穂がちょうど開きかけていたので、何本か持ち帰って胞子の動きを撮影しました。子供向きの理科の本なんかでよく紹介されているお手軽実験ですが、この季節になるとやってみたくなります。胞子を吹き飛ばさないようにそうっと息を吹きかけるのにちょっとコツが要りますね。

この4本脚の胞子を見ていると、シャーロック・ホームズの「踊る人形」を思い出します。

(2020.03.28)