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2020年4月17日金曜日
トサカグンバイの孵化
食害されて斑になったアセビの葉を裏返してみると、生まれたばかりのグンバイムシの幼虫が群れていました。
このあたりに多いナシグンバイやヒメグンバイも幼虫は似たような格好ですが、植樹から判断してトサカグンバイ Stephanitis takeyai で間違いないでしょう。卵で冬を越していたようです。
体長は0.5~0.6mmくらいです。孵化直後らしい、体色がまだ出ていないものもたくさんいます。
葉肉に産みこまれた卵から孵化幼虫が出た後には「蓋」が残されています。この様子では孵化の最中のものもいるかも知れないとルーペで探してみると、いました。
グンバイムシの孵化の瞬間を見るのはこれが初めてです。出てきたばかりで、まだ蓋を頭に載せています。
蓋は卵殻につながっているので、引っ張られてずり落ちました。
口吻がずいぶん幅広く見えます。
もう少し。
全身が抜け出る瞬間はタイミングが合わず撮りそこねました。
この後さらに2匹、孵化してくるのを見つけ、都合2時間近くもしゃがみこんで撮影を続けることになったので、終わった時には立ち上がるのにも苦労するほど全身がこわばってしまいました。
この後さらに2匹、孵化してくるのを見つけ、都合2時間近くもしゃがみこんで撮影を続けることになったので、終わった時には立ち上がるのにも苦労するほど全身がこわばってしまいました。
トサカグンバイはアセビの他にネジキにもつき、この場所でもよく見られます。この木は落葉樹なので、ナシグンバイやヒメグンバイなどと同様この種も成虫で冬を越すものと思っていました。アセビの葉で卵越冬していたということは、ネジキで育った雌も秋の最後の世代はアセビを探して産卵するんでしょうか。
(2020.04.03・学が丘北公園)
2020年4月16日木曜日
リクモフォラ (Licmophora sp.)とパルリべルス(Parlibellus sp.)
近所の海岸で採集した、どちらも付着性の珪藻で、リクモフォラ属(オウギケイソウ)の一種 Licmophora とパルリべルス Parlibellus 属の一種です。
ゴミだらけで汚い画像ですが、画面右側で帯状にひしめき合っているのがパルリベルス、枝分かれした透明の柄の先の三角形がリクモフォラです。
パルリベルスは粘液質のチューブを作り、その中で分裂を繰り返して増えるそうです。
細胞内に2個づつ見える球体は油滴でしょうか。
リクモフォラは以前のブログに出したものと同種かも知れません。ソーセージ型の葉緑体がたくさん見えます。
細胞表面近くにピントを合わせたところ。
(2020.03.22・西舞子海岸にて採集)
2020年4月15日水曜日
キスイモドキ属の一種(Byturus sp.)
クサイチゴの花がたくさん咲いていたので見に行くと、やはりこの虫が来ていました。例年この時期この花の上で見かけるお馴染みの甲虫で、これまでキスイモドキ Byturus affinis だと考えていたものですが、あらためて調べてみると同属のズグロキスイモドキ B. atricollis の可能性もありそうです。両種の判別点の一つは前胸背板後角が前者では角ばり、後者では円いという点なのですが、下の写真ではどちらかと言えば円いという表現が合いそうに見えます。ただ角ばるとか円いとか言っても実際にどの程度の違いがあるのか、ネット上を探してもその点をはっきり確認できる画像が見つからないので、今回は Byturus sp. としておきます。
クサイチゴの花の上で交尾中。♀はせっせと花粉を食べています。
長い毛に覆われていますが、前胸背板後角は円いように見えます。
(2020.04.03・学が丘北公園)
2020年4月14日火曜日
パラディレプタス属の一種
これはよく見かける大型の繊毛虫で、以前トラケリウス属と思っていたものですが、よく調べるとパラディレプタス属だったようです。
象の鼻のような吻部を持ち、くるくる回転しながら活発に泳ぎます。まずその動画から。
象の鼻のような吻部を持ち、くるくる回転しながら活発に泳ぎます。まずその動画から。
次は細部を見るためにある程度カバーガラスで押さえつけて撮っています。
細胞の後端近くに数珠状に並んでいるのは大核だと思います。油滴のように見える球はやはり脂肪でしょうか。
細胞の表層近くに多数の収縮胞が並んでいます。
カバーガラスに押えられた繊毛が写っています。
これで細胞の表面にピントが合っている状態だと思いますが、この粒々は何でしょうか。
さらに内部にピントをずらすと大核が見えてきます。
動画です。
(2020.03.14・明石公園 桜堀にて採集)
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