2020年6月5日金曜日

イスノキミコガタフシから羽化するカタビロコバチの一種(Eurytoma sp.)

いつもの公園のイスノキで、今年もたくさんのカタビロコバチが見られました。♂はせわしなく動き回って♀の羽化を待っている様子で、またすでに羽化してきた♀はまだ小さな今年の実に産卵しています。このカタビロコバチは2016年2017年2019年と、毎年のようにこの場所で観察していて、世界で1000種以上が知られているという Eurytoma 属の一種のようです。
このイスノキの実にはイスノキハリオタマバエと思われるタマバエが寄生していて、そのせいで大きく成長できなかった実(虫こぶとしてイスノキミコガタフシと呼ばれます)に残された蛹殻が毎年たくさん見られます。この4月には羽化直後の成虫も見ることが出来ました。両種の個体数の多さから考えて、例年同じ木から発生するカタビロコバチはこのタマバエに寄生しているものと思われます。

♀の羽化を待つ♂。他にも2、3匹の♂が周囲をうろついていましたが、枝をつまんで撮影を始めるとこの1匹を残して散ってしまいました。


♀は穴の縁を齧って拡げながら頭を出してきます。


♀の触角にはまだ蛹殻が残っていて、それを脚でしごいて落とします。

個の雌雄はあまり体格に差がありません。

こちらは近くにいた別の雌雄。かなり大きさが違います。


♂が♀の顔を覗き込むような動作を繰り返していました。

同じ木で、♀が産卵しているのは今年ついた新しい実です。すでにタマバエに寄生されているのでしょうか。

(2020.05.28・明石公園)


2020年6月4日木曜日

ヒトデ類のビピンナリア幼生

ヒトデの仲間のビピンナリア期幼生(bipinnaria larva)です。ほぼ無色透明で、細かな繊毛の運動以外にほとんど動きもありませんが、この姿でゆっくりと水中を進むところは見ていて飽きません。
以前のブログでも同じタイトルで2度(2012.03.142013.02.16)出しているのですが、それらは繊毛帯の突起がかなり長く伸びているのでビピンナリアの次の段階のブラキオラリア(Bipinnaria)とした方が良いのかも知れません。そのブラキオラリア期の後期の、吸盤ができ始めた状態のものもこちらに出しています。






目立つ動きもありませんが、動画です。


(2020.04.24・西舞子海岸にて採集)


2020年6月3日水曜日

ウロコアシナガグモ・卵嚢と孵化幼虫

初夏の日差しでシルエットを見せていた、サクラの葉裏のウロコアシナガグモ。

卵嚢を守っている♀でした。

1週間後に見に行くと、卵はすでに孵化していました。

ざっと数えて約50匹。意外に少ない気がしますが、すでに旅立った子どもも多いんでしょうか。

子グモの体長は約0.8mmです。

成体と同じように、黒い8個の単眼がきれいに並んでいます。

(2020.05.14/21・明石公園)


2020年6月1日月曜日

ヒメウコンエダシャクCorymica arnearia

頭上の桜の葉裏にとまっていたヒメウコンエダシャク Corymica arnearia の♀です。
風で盛大に揺れるので逃げられるのを覚悟で枝を引き寄せ、さらに日光が当たるように葉を裏返してみましたが、幸い最後まで飛ばずにじっとしていてくれました。






(2020.05.21・明石公園)


2020年5月30日土曜日

キアシキンシギアブ ♂

この季節限定のキアシキンシギアブ Chrysopilus ditissimis ですが、この場所で見るのは久しぶりです。アラカシの新葉の上で、しばらく動かずにいてくれたのでその美しい毛並みを撮ってみました。






(2020.05.21・明石公園)



2020年5月29日金曜日

クモヒメバチに寄生されたウロコアシナガグモ

シャリンバイの葉裏にいた、♀のウロコアシナガグモです。クモヒメバチの、かなり成長した幼虫を背負っています。この季節、葉裏で卵嚢を守っている姿をよく見ますが、この♀は寄生のせいで産卵できないのかも知れません。


(2020.05.21・明石公園)


2020年5月28日木曜日

ソコミジンコの一種

カイアシ類のソコミジンコ目(Harpacticoida)の一種です。卵塊をぶら下げているので♀でしょう。動きが非常に活発なので追いかけるのが大変です。
ソコミジンコ類は海産・淡水産の他に陸生の種も知られていて、以前落ち葉の間で虫探しをしていてそれらしきものを見つけたことがあります(こちら)。







卵は孵化間近で、赤ちゃんが中でごそごそ動いているのが見えます。


(2020.04.24・西舞子海岸にて採集)