2020年6月30日火曜日

チャバネアオカメムシ初齢幼虫

今年は果樹に大きな被害を与える2種のカメムシ、チャバネアオカメムシとツヤアオカメムシが大量発生しそうだと、わが兵庫県をはじめ西日本14県に「注意報」が出されているそうです。
そのせいなのかどうか、普段この場所ではあまり見かけないチャバネアオカメムシ Plautia crossota stali の初齢幼虫がアカメガシワの葉裏に集まっていました。

計14匹。近くにあるはずの卵殻が見当たらないと思っていると、

表側に残っていました。14個という産卵数はこの種の定数のようで、ネット上の画像を見ても多くはこの数です。恐ろしい寄生蜂に目をつけられることなく、全数無事に孵化したようですね。




(2020.06.20・明石公園)



2020年6月29日月曜日

アトモンサビカミキリ

公園内の空き地に積み上げられた伐採木の間で、何やらごそごそ動いているものが見えたので覗いてみると小さなカミキリのつがいでした。
♂を背負った♀は一心に樹皮を齧っていて、産卵の準備をしている様子。♂は♀の背中にしがみついたまま、時々交尾器を伸ばしていました。多分アトモンサビカミキリ Pterolophia granulata だと思いますが、残念ながら積み重なった上下の幹にカメラがつかえて、思うように撮ることが出来ませんでした。



(2020.06.20・明石公園)



2020年6月28日日曜日

キマダラカメムシ初齢幼虫

ほんの数年前にはこのあたりで目にすることのなかったキマダラカメムシ Erthesina fullo ですが、今ではすっかり普通種になってしまいました。この派手な模様の初齢幼虫は以前のブログにも一度掲載していますが、今回ようやく、卵殻を取り囲んでいるお定まりの状態をサクラの葉裏で見つけることが出来ました。

またこのカメムシは2齢になるまで卵殻のそばを離れない習性があるようです。

卵は12個見えますが蓋の開いているのは10個、幼虫も10匹で、2個の卵は蓋が開かず、茶色く変色しています。何者かに寄生されているのか、あるいは病気か何かで死んでしまったのかも知れません。



開いていない2個の卵です。

(2020.06.20・明石公園)



2020年6月27日土曜日

ドクダミの上のチビハナゾウムシ

ドクダミの花のてっぺんに極小のゾウムシ。

この時期、いろんな花の上で見られるチビハナゾウムシ Anthonomus minor です。

周りを見回すと沢山いました。




(2020.06.20・明石公園)



2020年6月25日木曜日

ユードリナの一種(Eudorina sp.)

ユードリナ属(Eudorina、タマヒゲマワリ)は以前のブログにも一度掲載していますが、今回のものの方が細胞・群体ともに小型です。細胞数も前回はすべて32個のように見えましたが今回は(正確には数えにくいのですが)16個のものばかりのようです。もしかしたら別の属なのかも知れません。


群体の長さは30~50μm、細胞の直径は5~8μmくらいです。群体を覆う寒天質の表面に短い糸のようなものが付着しているように見えますが、バクテリアでしょうか。

動画です。


(2020.06.02・明石公園 剛の池にて採集)


2020年6月24日水曜日

ネズミモチツボミトジフシから出てきたコマユバチの一種

昨日の記事の続きです。
イボタミタマバエと思われるタマバエとともにネズミモチツボミトジフシから出てきたコマユバチです。♂が1匹、♀が大小2匹の計3匹ですが、翅脈などからコマユバチ亜科 Braconinae と思われます。タマバエの寄生者だと思いますが、イボタミタマバエに寄生するコマユバチにどのような種が知られているのか、私に調べられる限りでは分かりませんでした。
以下、深度合成画像です。
まず大きい方の♀から。






次は小さい方の♀。



そして♂。





最後に、このハチのものと思われる脱出口です。


(2020.06.12・明石公園にて採集・翌日羽化)


2020年6月23日火曜日

ネズミモチツボミトジフシとイボタミタマバエ?

ネズミモチの花が終わった頃、開かないままで紫色や褐色に変色したの蕾をつけた枝が残っていました。その多くには中から脱出した虫の蛹殻が残されています。こういう状態になった蕾では、以前同じ季節にコガネコバチが産卵しているのを見たことがありますが、この蛹殻はタマバエのもののようです。穴の開いていない蕾も残っているので、まだ出て来るかも知れないと思いひと枝持ち帰って様子を見ることにしました。
帰宅してネズミモチの蕾に出来るゴールについて情報を探してみると、虫えい同好会掲示板の記事が見つかりました(2018.06.15~17・No.3193,3194,3196,3198,3200)。それによればこのネズミモチの蕾に出来たゴールはネズミモチツボミトジフシと呼ばれるもので、イボタミタマバエ Asphondylia sphaera Monzen によって形成されるそうです。また同じネズミモチの実にゴール(ネズミモチミミトジフシ ネズミモチミドリフシ)をつくるのも同じイボタミタマバエということです(同じく2018.04.11~12・No.3030,3031)。
次の日、枝を入れておいたシャーレを覗いてみるとタマバエが1匹、それに小さなハチが3匹出てきていました。イボタミタマバエについては参照できるような画像が見つかりませんが、おそらくこの1匹のタマバエがそうなのだろうと思います。ハチの方はコマユバチで、翅脈からコマユバチ亜科のようです。タマバエの寄生者でしょうか。どちらもまず生きたまま撮影したいと思ったのですが、タマバエがシャーレの中を飛び回り蓋を開ける隙もなさそうなので、容器ごと冷凍庫に放り込んでしまいました。


開かずに変色したネズミモチの蕾と残されたタマバエの蛹殻。

これが1匹だけ出てきたタマバエです。絡み合った脚を拡げてみようとしたのですが、鱗片状の毛がボロボロ落ちてしまうので諦めました。



シャーレの中を暴れまわったせいか、触角が片方、途中で切れています。



最後に、原型を一番よくとどめていた蛹殻です。



長くなったのでコマユバチは次の記事で。

(2020.06.12・明石公園)