2020年8月9日日曜日

ヒトスジトビコバチ?(Comperiella ?unifasciata)(改題)

* 2020.08.12・タイトル変更 *

当初ニジモントビコバチ属の一種ではないかと考えていたのですが、BABAさんより、北隆館の大図鑑Ⅲに掲載されているヒトスジトビコバチ(Comperiella unifasciata)あたりではないかと教えていただきました。調べてみると確かにその種か、少なくとも同属で間違いなさそうですので、タイトルを変更しました。ミカンマルカイガラムシの寄生者だそうです。なお、記事中で“体長”1.8mmとしていたのは“翅端まで”の誤りでしたのでこれも修正しました。

この日はバッグにルーペを入れるのを忘れていて、イヌビワの葉裏になにか小さな虫がついているのをアザミウマかと思って直接カメラを向けてみると、これまで見たことのない綺麗なトビコバチでした。
撮影を始めるとすぐに歩きはじめ、そのまま見失ってしまうことを恐れてフィルムケースに採集したのですが、なんたることか、その日のうちに誤って蓋を開け、逃げられてしまったのでした。残念。

足早に歩くので、なんとかうまく収まったのはこの1枚だけ。鮮やかな背面や太い触角などを見るとニジモントビコバチ属(Cerapteroceroides)の一種ではないかと思います。体長は翅端まで約1.8mmです。
翅が折れ曲がっているので最初羽化に失敗した個体かと思いましたが、これが正常な形のようです。その証拠に容器の蓋を開けた途端、元気に飛んで行きました。

もう1枚、撮りそこないですが・・・。
いつかまた、再会したいものです。

(2020.08.04・明石公園)


2020年8月8日土曜日

アラムネクチカクシゾウムシ

昨日に続いてゾウムシ。今回のものは多分初めて撮影した種で、アラムネクチカクシゾウムシ Monaulax rugicollis で合っていると思います。ナシの害虫だそうですが、サクラの葉の縁につかまっていました。体長は約6.7mmです。



その名のとおり口吻が隠れて見えません。


複眼も半分隠れています。

保育社の甲虫図鑑には、「前胸背板は縦長の点刻を網目状に装う」とあります。

(2020.07.28・明石公園)









2020年8月7日金曜日

三度目のクワノコブコブゾウムシ

アラカシの幹に、顔をうずめるようにしてしがみついていた真っ黒なゾウムシ。あまりに色が違うので最初分かりませんでしたが、以前のブログで二度(2015.05.232018.07.26)掲載しているクワノコブコブゾウムシ Styanax kuwanoi のようです。
稀種とされていますが、この公園ではそこそこ繁栄しているのかも知れません。

体長は約7.7mm。以前見た個体はどちらも茶色っぽい鱗片に覆われていましたが、この個体には鱗片ほとんどなく全身黒光りしています。この写真では見えにくいですが左前・中脚の跗節が失われています。

上翅の基部に近い方には顕著な瘤。

前胸背板は大仏さんの頭のようです。

幹にしがみついたまま顔を見せてくれないので、引きはがして近くの切り株に移してやると歩きはじめました。

太短い吻も特徴の一つ。

裏返して腹面も撮らせてもらいました。

(2020.07.18・明石公園)


2020年8月6日木曜日

ヨツモンホソチャタテ

久しぶりに見たヨツモンホソチャタテ Graphopsocus cruciatus です。特徴的な模様のチャタテですが、近所の公園巡りではあまり多くは見かけません。桜の葉裏にいました。

体長約2.9mm、翅端まで3.9mm。大きなお腹をしているので産卵間近の雌かも知れません。
頭上に縦横に糸を張り巡らせていますが、非常に細くて肉眼では気づかないくらいです。

(2020.07.20・明石公園)

2020年8月5日水曜日

ネズミモチの実に産卵するコマユバチの一種

ネズミモチの実にとまるコマユバチがいました。
よく探すと周囲を何匹も飛び回っていて、時々実の上にとまるのですがすぐにまた飛び立ってしまいます。おそらく産卵のために集まっていると思われ、実際に産卵管を実に突き刺している個体もちらほら見つかりますが、かなり敏感でなかなか撮らせてくれません。
このコマユバチは6月のはじめにネズミモチの蕾につくられたゴール(ネズミモチツボミトジフシ)から羽化してきたものと同じコマユバチ亜科 Braconinae の一種のようで、同じゴールから羽化してきたタマバエ(おそらくイボタミタマバエ Asphondylia sphaera)に寄生するのだろうと思っています。イボタミタマバエはネズミモチの蕾と同様実にもゴール(ネズミモチミミドリフシ)を作ることが知られていて、コマユバチが産卵している実はおそらくすでにタマバエが寄生しているんでしょう。このコマユバチはどちらのゴールにも寄生するということかも知れません。





(2020.07.20・明石公園)




2020年8月3日月曜日

アラカシの枯れ枝に産卵するムツボシタマムシ

久しぶりにムツボシタマムシの産卵行動を見ることが出来ました。

体長約8mmと、この種としても小さめの個体です。一見地味ですが、見る角度によって金色に見えたり緑金色に見えたりする上翅の紋はたしかにタマムシの仲間だと思わせます。

アラカシの枯れ枝で、腹端から伸ばした産卵管で樹皮を探るようにしながら足早に歩き廻っていましたが、途中何度か立ち止まり、しばらく時間をかけて産卵しているようでした。





(2020.07.20・明石公園)


2020年8月2日日曜日

雄を捕えたシオヤアブ雌

アラカシの幹に獲物を抱えたシオヤアブがとまっているので見に行くと、同種の♂を捕えた♀でした。

こういう場面は以前にも見たことがありますが、この逆、つまり♂が♀を獲物にするということはあるんでしょうか。

(2020.07.20・明石公園)