2021年5月22日土曜日

Trichromothrips elegans(アザミウマ科/深度合成)

 今年もこの綺麗なアザミウマ Trichromothrips elegans Masumoto & Okajima が大量に発生していました。アオキに寄生するということで、写真の個体もアオキで採集したのですが、他の様々な樹種でも多数の個体が見つかり、それほど移動能力があるとも思えないのでちょっと不思議な気がします。このアザミウマは以前のブログで種名を教えてくださった時鳥庵 庵主さんが皇居吹上御苑の生物調査の際に発見された種で、その経緯は「皇居 吹上御苑の生き物」(世界文化社)に紹介されています。またそのブログ「時鳥庵晴耕雨読」には美しいプレパラート標本の画像が掲載されています。







(2021.05.15・明石公園にて採集)

2021年5月21日金曜日

ミドリムシの一種 Euglena mutabilis

 この細長いミドリムシは Euglena mutabilis という種だと思います。池で採集したサンプルを実体顕微鏡で眺めていると、シャーレの底でのたくっているのが沢山見つかりました。動きは緩慢で、水中に浮かび上がって泳ぐということもしないようです。鞭毛はあるのか無いのか、注意して見ていましたが確認できませんでした。








動画です。


(2021.05.07・明石公園 藤見池にて採集)

2021年5月20日木曜日

ツツジトゲムネサルゾウムシ

 モチツチジの花で久しぶりにツツジトゲムネサルゾウムシ Mecysmoderes fulvus を見かけました。口吻で花弁に穴を開けているのですが、かなり臆病な虫でアップで撮ろうと植物に手を触れると逃げ回ってなかなか自然な姿を撮ることができません。それにしても、ベタベタの粘液に捕まって沢山の虫が命を落としているモチツツジの上を、この小さなゾウムシが自由に歩け回れるのは全く不思議です。







(2021.05.14・舞子墓園)

2021年5月19日水曜日

アオコに付着したツリガネムシ

いつもの池で採集したサンプルに大量のアオコ(ミクロキスティス Microcystis sp.)が含まれていました。シャーレの中で浮遊しているアオコを実体顕微鏡で眺めると、ほとんどの群体にいくつものツリガネムシが付着しています。よくミジンコやワムシにくっついている柄の短いタイプではなく、螺旋状に収縮する長い柄を持っていて、多分ボルチセラ Vorticella の一種でしょう。見たところ水草や藻類に付着しているツリガネムシと違いがないようですが、もしかしたらアオコに便乗するのに特化した種なのかも知れません。






分裂中のツリガネムシもいました。

ミクロキスティスは細胞内にガス胞を持っているそうですが、この写真ではよく分かりません。

(2021.05.07・明石公園 剛の池にて採集)

2021年5月18日火曜日

コナラの葉のヤノイスアブラムシとハモリダニの一種

 コナラの葉裏を見上げると、ヤノイスアブラムシ Neothoracaphis yanonis の姿がちらほらと目につくようになりました。

一次寄主のイスノキの虫こぶ(イスノキハタマフシ)を脱出し二次寄主のコナラに移ってきたばかりの有翅胎生雌虫でしょう。


早速あたりを徘徊しているハモリダニの餌食になっているものもいました。


こちらもハモリダニの一種だと思いますが、随分体形が違います。別種でしょうか。

(2021.05.14・舞子墓園)

2021年5月17日月曜日

アリを捕らえたヒメグモの一種

 イタドリの葉の端っこから黒いものがぶら下がっているのをよく見ると、アリを捕えたクモでした。クモはヒメグモの仲間で、オオヒメグモかカグヤヒメグモあたりかと思いますがはっきりしません。触肢が膨らんでいるので♂なんでしょうが、体長は2mmくらいなので幼体かも知れません。アリはケアリ属のように見えます。




(2021.04.27・舞子墓園)

2021年5月16日日曜日

フタヅノクンショウモ(深度合成)

以前から何度も出しているフタヅノクンショウモ Pediastrum duplex ですが、わりあい形の整った群体が見つかったので今回は深度合成してみました。


水で封じた標本をしばらく放置すると、やがて水分が蒸発し細胞がカバーガラスで圧迫されて平べったくなってきます。


こうなると深度合成の必要もありません。ここでカバーガラスの端から水を一滴補うとすぐにまた元の形に復帰するのですが、その時の細胞の動きが面白いので動画に撮ってみました。

別に面白くもないと言われるかも知れませんが。

(2021.05.07・明石公園 桜堀にて採集)