2021年6月22日火曜日

マルカメムシ卵に産卵するカメムシタマゴトビコバチ?(?Ooencyrtus nezarae)

 昨日の孵化幼虫と同じ場所で、クズの茎に産み付けられたマルカメムの卵塊で産卵しているトビコバチがいました。以前のブログに出したものとおそらく同種で、カメムシタマゴトビコバチ Ooencyrtus nezarae ではないかと思っています。しばらく見ていましたが同じ卵の同じ場所に何度も産卵管を突き刺し、その間には刺点に口をつけて、寄主体液摂取(以前BABAさんが記事にしておられます)らしき行動を繰り返していました。


体長は約0.7mm。





産卵管を突き刺すのとそこからしみ出る体液を吸う(?)という行動を交互に何度も繰り返していました。


余談ですが、8年前の記事の写真を撮った一週間後、同じ場所で再度産卵風景を見ています。


これも同じカメムシタマゴトビコバチのようですが、卵と比較しても分かるようにはるかに大型で、とても同じマルカメムシ卵で育ったものとは思えません。他のもっと大型のカメムシ卵から羽化したものでしょう。この寄生バチは多種のカメムシ卵をホストとしているらしいので、おそらく寄主卵のサイズによって羽化してきた成虫の大きさにも変化が大きいのではないかと推測されます。

(2021.06.09/最後の1枚のみ 2013.09.06・明石公園)

2021年6月21日月曜日

マルカメムシ孵化幼虫

 クズの葉の裏でマルカメムシ Coptosoma punctatissima の卵が孵化していました。孵化幼虫は卵塊の傍らに集まっていますが、卵の数が29個なのに対して幼虫は21匹。まだ蓋の開いていない卵もあるようなので、これからまだ生まれてくるんでしょうか。それとも寄生バチにやられたのかな。




(2021.06.09・明石公園)

2021年6月20日日曜日

ハルテリア(Halteria sp.)

わりあい普通に見られる小型の繊毛虫、ハルテリア(Halteria sp.)です。かなりたくさんいたので、泳ぎ回るのを追いかけながら複数の個体を撮影しましたが、小さくて動きが早いのでなかなか上手く撮れません。
この仲間は細胞の周囲から針状の長い刺毛を生やしているのが特徴ですが、画像を確認すると数カットを除いてそれがほとんど写っていません。このようなピントの浅い写真では写りにくいことは確かなのですが、多くの個体に存在するものならもう少し写っていても良さそうなものです。またゆっくり泳ぎながら時々跳躍するように瞬間的に移動する動きも特徴の一つなのですが、この日のハルテリアは普通に泳ぐだけで跳躍がほとんど見られませんでした。


この写真には大きさの違う複数の個体が混じっていますが、上段左の画像だけ針状の刺毛が見えます。何枚かに見える、楕円形の粒粒の集まりのようなものが核でしょう。

動画です。

(2021.05.25・神戸市西区の水田にて採集/06.04・撮影)

2021年6月18日金曜日

トビズムカデとオオホシカメムシ

 トウネズミモチの枝を持ち上げると、重なった葉の間からトビズムカデとオオホシカメムシが現れました。ムカデはぐっすりおやすみ中のようでしたが、カメムシは間もなく去っていきました。



(2021.06.07・学が丘北公園)

不明のハエ

苔の生えた地面を歩き回っていた、スマートな体形の小型のハエです。
例によって科の見当もつかないのであれこれと当てもなくネット画像を探したところ、Acleris さんのところのハナホソバエ科の一種がちょっと似ているように思われました。その学名 Anthomyzidae で検索すると海外サイトの画像がいくつか出てきますが、おおむねこのような小型で細長い体形をしているようです。Acleris さんは図鑑のこの科の検索表の抜粋とともに主な判別点を標本写真を使って丁寧に説明されていますが、残念ながら下の写真ではあまり確認できません。とりあえず不明のハエとしておきます。体長約2.8mm、翅端まで3.7mmです。








(2021.06.07・学が丘北公園)

2021年6月17日木曜日

ツマキヘリカメムシ?

 ヨウシュヤマゴボウの茎に群れていました。ツマキヘリカメムシ Hygia (Hygia) opaca だと思いますが、近似種のオオツマキヘリカメムシ H. (Colpura) lativentris かも知れません。両種の外見上の明確な違いは♂の生殖節の形以外に無いようなので一応その部分も撮っておいたのですが、末端部の二つの突起の有無などは交尾中には確認できないものなのかも知れませんね。この次は一人でいる奴を狙ってみます。






(2021.06.07・学が丘北公園)

2021年6月16日水曜日

有殻糸状根足虫類の一種(?Pseudodifflugia sp.)

一見こちらのようなツボカムリ類だと思いましたが、殻から伸びる仮足が非常に細くて木の枝のように枝分かれしています。これは有殻糸状根足虫類と呼ばれる仲間で、系統的にはナベカムリやツボカムリを含むアメーバ動物とは大きくかけ離れた分類群なのだそうです。
ネット上を探してみると殻の形やその表面の様子がシュードディフルギア Pseudodifflugia 属とされているものに似ているようですが、参照できる画像や動画は少なく、他に有力候補があるのかも知れません。

カバーガラス下面付近にピントを合わせています。殻の表面と、カバーガラスに接して伸ばした仮足が見えます。

同じ個体で、スライドガラス上面にも仮足を拡げています。

ひとまわり大きな別個体。

同じ個体です。これくらいの大きさの生き物にとって重力の影響はかなり小さいと思うのですが、こういったアメーバ類をカバーガラスの下に閉じ込めて眺めていると、やはり天井に逆さにぶら下がるよりは床を這う方が好みに合うようです。

もう1枚、かなり小型の個体です。

動画です。動きが遅いので、後半は5倍速で。


(2021.05.25・神戸市西区の水田にて採集)