比較的大型のミドリムシで、いつもの「淡水微生物図鑑」その他で調べると Euglena spirogyra という種に該当するようです。細胞表面が小さな粒々で覆われていて、内部には大きなリング状のパラミロン粒が2個確認できます。
この日は多数見つけましたが、どの個体にも鞭毛が見えません。見えない程度の短い鞭毛をもつ種なのかと思っていたところ、そのうちに1匹だけ、長い鞭毛をしきりに振り回しているものが見つかりました。しかし撮影を続けるうちに突然根元から鞭毛を切り離してしまったので、他の鞭毛の見えないものも本来はそれを持っていたのだろうと思います。プレパラートに封入するといった、何らかの環境の悪化を受けて切り離してしまうのかも知れません。
2021年8月24日火曜日
ミドリムシの一種(Euglena spirogyra)
2021年8月21日土曜日
2021年8月20日金曜日
スピロストマム(ネジレグチミズケムシ)
細長い繊毛虫、スピロストマム Spirostomum の一種です。以前のブログでも一度出したことがありますが、今回の方がかなり小型です。また囲口部の長さの細胞全体に対する比率も前回の種は1/2以上、今回は1/2未満と違いがあるので、おそらく別種でしょう。「淡水微生物図鑑」の説明に当てはめてみると、前回の大型種が S. ambiguum、今回が S. intermedium か S. minus のどちらかになりそうです。
2021年8月19日木曜日
マルサヤワムシ科シナンテリナ属の一種(Sinantherina ?spinosa)
初めて見たワムシの群体です。いつもの公園の、干上がっていることの方が多いような浅い池で採集しました。
球形の群体ということではじめはテマリワムシ科の一種だろうと見当をつけて調べていたのですが、この科でこれくらいの規模の群体を作るのは Conochilus hippocrepis のみで、その種であれば頭頂に1対あるはずの腹触手が見当たりません。胴部にもそれらしきものは見えないのでそもそもテマリワムシ科ではなさそうです。そこであらためて図鑑(日本淡水動物プランクトン検索図説)を眺めると、マルサヤワムシ科シナンテリナ(Sinantherina)属が形も似ていて、やはり群体を作ることが分かりました。日本で知られている2種が掲載されていますが、そのうちの Sinantherina spinosa という種が開いた時の頭冠の形や腹面に並んだ棘、また普通50個体前後の球形群体を作ることなどの特徴が一致し、有力候補です。
2021年8月18日水曜日
ミジンコワムシ
ミジンコワムシ Hexarthra mira はどの図鑑を見ても全国に広く分布する普通種とされていますが、私が採集している範囲ではそう多く見かける種ではありません。太短い体幹の周囲にそれぞれ長さの異なる6本の太い腕が生えていて、全体として非常に厚みがあるので全体像を把握できる写真を撮るのが難しいワムシです。
2021年8月17日火曜日
カマガタツボワムシ
これはカマガタツボワムシ Brachionus falcatus だと思います。被甲の前後の長い刺状突起が特徴的で、図鑑やネット情報を見ても紛らわしい形態の近似種は無さそうです。ゆっくりと回転しながら泳ぐ姿はなかなかカッコいいと思うのですが、どうでしょうか。