2021年12月5日日曜日

シラホシトリバ

 トベラの葉裏にとまっていたシラホシトリバ Deuterocopus albipunctatus です。珍しいものでもありませんが、この奇抜な形は、もしこれで数がはるかに少なければマニアに珍重されたかも知れません。



前翅の開帳約13mm、体長約6mmです。



撮影中に飛んで別の葉に移りました。後ろ姿も魅力的です。

(2021.11.19・舞子墓園)

2021年12月4日土曜日

スチコロンケ(の殻?)

 スチコロンケ(Sticholonche zanclea)は現在では放散虫に含められるそうです。以前にも掲載していますが、ピントの浅い画像で全体像を見せるのには大変都合の悪い形をしています。今回は採集したサンプルの中に内容物がほとんど抜けて殻だけになったようなものを見つけたので、バラバラにならない程度にカバーガラスで軽く押しつぶし、深度合成撮影をしてみました。

まず暗視野で。放射状に伸びる針のような骨片の束がいくつも見えますが、このような束が細胞全体では14個あるそうです。

明視野でも撮りました。

これは偏斜照明。針状骨片の基部は鏃のような形です。

(2021.11.16・西舞子海岸にて採集)

2021年12月3日金曜日

キモンケチャタテ

いろんなサイトで画像が掲載されているキモンケチャタテ Valenzuela oyamai ですが、なぜかこれまで見る機会がなく今回が初めての登場です。クサギの葉裏にいました。頭端から翅端まで約4.2mmです。



(2021.11.19・舞子墓園)

2021年12月2日木曜日

ハラビロクロバチ科の一種(?Leptacis sp.)

コナラの葉を裏返すと、ハチが一匹お休み中でした。ハラビロクロバチの仲間でしょう。間もなく頭を上げて歩きはじめましたが、脚も触角も長くてなかなかスマートな体形です。体長は約2mm。この色と形の組み合わせは初めて見るような気がしますが、お馴染みのBABAさんtukikuiさんのところをはじめいくつかのサイトでよく似たものが Leptacis 属とされています。





(2021.11.19・舞子墓園)

2021年12月1日水曜日

オヨギソコミジンコの一種(Microsetella sp.)

近所の海で普通に採れる細長いカイアシ類で、オヨギソコミジンコ (Microsetella 属)の一種だと思います。多数の種があるのだろうと思いますが岩国市立ミクロ生物館監修の「日本の海産プランクトン図鑑」で紹介されている Microsetella norvegica の画像がよく似ていて、本州中南部では秋に多くなる、という点も一致するのでこの種かも知れません。
カバーガラスの下に閉じ込めるとしばらくは暴れまわっていましたが、やがて動きを止めたので明・暗視野で深度合成撮影しました。内蔵(消化管)だけは撮影中も盛んに前後に動いていましたが、画像にはあまり影響しなかったようです。



(2021.11.16・西舞子海岸にて採集)

2021年11月30日火曜日

チンチニディウム(Tintinnidium sp.)

 これはチンチニディウム Tintinnidium の一種だと思います。殻(ロリカ)に収まったツリガネムシと言った格好ですが、以前に掲載したビンガタカラムシカメガタカラムシアナトックリカラムシなどと同じ有鐘目(カラムシ目)に属し、ツリガネムシの仲間ではありません。古い図鑑ではツボコムシという和名も使われていますが、あまり一般的ではないようです

ロリカにくっつけているのは主に珪藻の殻です。図鑑やネット上の画像では砂粒などが多いようですが、材料は周囲で手に入るもの次第ということでしょうか。

細胞はツリガネムシのような柄でロリカの底に付着しています。


動画です。


(2021.10.11・明石公園 桜堀にて採集)



2021年11月29日月曜日

エピスティリスとエリヒゲムシ

 エピスティリス Epistylis は群体性のツリガネムシで、こちらのようにケンミジンコなどに付着しているものもよく見かけますが、今回のものはこちらの記事と同じようにどこにも付着せずに水中を漂っていました。おそらく同じ種ではないかと思います。いくつかの群体を見ていると、柄に多数のエリヒゲムシ(襟鞭毛虫・エリヒゲムシ目 Choanoflagellida)の一種を付けたものがいました。以前のブログで普通のツリガネムシ(Vorticella sp.)の柄に付いていたものを紹介していますが、今回の方がやや小型のようです。



エピスティリスの群体は各細胞の繊毛の運動によりおおむね柄を先にして移動していきます。

動きを止めたところで倍率を上げて撮影。この写真で見るとエリヒゲムシは長短3本の鞭毛を持っているように見えますが、両側の短いのは中央の鞭毛を取り巻く「襟」の切断面が線状に見えているものです。

鞭毛も細胞本体もかなり高速で振動しています。



「淡水微生物図鑑」のよればエピスティリス属では囲口部の縁の繊毛列は1、ないし2列のみだそうです。

動画です。


(2021.10.11・明石公園 桜堀にて採集)