2021年12月28日火曜日

ウロコチャタテの一種

 昨日のイダテンに続いて樹幹ではお馴染みのウロコチャタテの一種です。お馴染みと言っても名前は分かりません。石の上にいる親類と同様逃げ足は非常に速く、イダテンを凌ぎます。

やはりまず顔面から。

モチノキの幹です。翅端まで約5mm。

ここだけ見ると蛾ですね。

(2021.12.09・明石公園)

2021年12月27日月曜日

イダテンチャタテ

 おなじみイダテンチャタテ Idatenopsocus orientalis です。こいつを見かけると顔を撮ってみたくなります。

ところがこのチャタテ、必ず下向きに静止する癖があるので顔面を撮ろうとするとこちらはかなり苦しい姿勢になります。

体長約4.3mmで、♀だと思います。カメラで追い回しても走って逃げるばかりですが、飛ぶこともあるんでしょうか。この大きなお腹と短い翅のバランスを見るとひょっとして飛べないのでは、という疑いも生じます。もっとも、長い翅を持った♂でもまだ飛ぶところを見たことがありません。

(2021.12.09・明石公園)

2021年12月26日日曜日

フクロワムシ属の一種・♂(Asplanchna sp.)(改題)

* 2022.01.01・追記 *

初めて見る種のフクロワムシだと思っていたのですが、わちーさんより、これはフクロワムシの雄であることを教えていただきました。種はサンプル内の雌を確認して類推するしかないそうです。同じ池でよく見つかるこちらと同じ種なのかも知れません。ネットで検索してみると A.priodonta の雄の画像が見つかりました(こちらこちら)。詳しくは分かりませんが、毛束のようなものは lateral antenna(側触角?)に dorsal antennae(背触角?)と呼ばれるもので、それぞれ一対あるようです。また肛門と考えた部分はペニスの出入りする孔のようです。

先日記事に出したたくさんのプレオドリナを眺めていると、その間を見慣れないフクロワムシの一種が泳ぎ回っていました。体長はよく見かけるもの(多分 A.priodonta)の半分くらいで肛門らしきものがあり、また体の中央付近の両側に毛束のようなものが見えます。足や趾は見当たらないのでフクロワムシ属 Asplanchna に間違いないと思いますが、手持ちの図鑑やネット上の画像には今のところ似たものが見つかりません。


フクロワムシの仲間としてはかなり小型です。


後端(右下)に横向きの開口部(肛門?)が見えます。

薄くて見えにくいですが、体の中央付近から毛束が伸びています。

左上の黒い線は撮影中に蒸発で減った水と空気の境界です。

動画です。


(2021.11.24・明石公園 桜堀にて採集)

2021年12月25日土曜日

コナダニ科の一種?・交尾中

 落ち葉めくりをしていると妙な形のダニが歩いていました。


と思えば交尾中のペアでした。コナダニ科の一種だと思います。大きい方が体長0.9mmくらいで、こちらが♀でしょうか。以前のブログに出したものに似ています。

白っぽい菌類(?)を食べているのか、鋏角をもぞもぞと動かしていました。




他にも2組ほどのペアがいました。

♀(?)の腹部にうっすら透けて見えるのは卵でしょうか。

(2021.12.09・明石公園)


2021年12月24日金曜日

タイワンツヤカスミカメ?

 これは以前のブログに「カワヤナギツヤカスミカメ?」として載せたのと同じものです。図鑑の写真とは斑紋に違いがあるので当時から疑問は持っていたのですが、やがて複数のサイトで関西圏で近年多くなってきたツヤカスミカメ属の未知種として取り上げらるようになり、aclerisさんの記事でタイワンツヤカスミカメ Deraeocoris apicatus という、最近の移入種であるらしいことを知りました。今回久しぶりに撮影したので、ついでに以前の記事も修正しておきます。



モッコクの幹でじっとしていたのですが、撮り始めると歩きだしました。翅端まで約5mmです。

(2021.12.09・明石公園)


2021年12月23日木曜日

お知らせ(新種のハナカメムシ)

6月9日の記事で「ハナカメムシ類の幼虫 (?Anthocoris sp.)」として掲載していた種に関して、最近新種記載された Temnostethus mirificus (仮称:コバネシロモンハナカメムシ)という種の成虫であることを、ある方から教えていただきました。これまでに栃木・千葉・愛知の3か所から見つかっているそうです。元の記事を修正しておきましたので詳しくはそちらをご覧ください。

ついでに写真も1枚。

2021年12月22日水曜日

プレオドリナ 細胞分裂・精子束・娘群体

 12月15日の記事の続きです。
シャーレに入れたまま一晩置いたプレオドリナ(Pleodorina sp.)を翌日検鏡してみると、さらに多くの群体で細胞分裂が進行していました。分裂の様々な段階の生殖細胞から脱出を待つばかりの娘群体まで、それに有性生殖に関わる精子束(精子の集合体)らしきものが見られます。この仲間は充分な栄養がある時には無性生殖で増殖し、栄養不足の条件では有性生殖に移行するそうです。無性生殖では群体内の生殖細胞が分裂して娘群体を形成し、有性生殖時には生殖細胞は雌性配偶子と雄性配偶子(精子束)に分化するということですが、見ているものがどのような段階にあるのか、勉強不足でよく分かりません。精子束が生じているのはやはり採集後丸一日以上シャーレの中に放置したおかげで栄養条件が悪化したことによるのかも知れません。

2個、4個に分裂している生殖細胞。左下の小さな細胞は非生殖細胞。

さらに分裂が進んだ生殖細胞と精子束(多数の鞭毛が見える)。

この群体ではすでに娘群体が成熟しています。

親群体から脱出する娘群体。ねぜか最後の段階で離れきれず、いつまでも繋がったまま回っていました。

この群体では成熟した娘群体と精子束が混在しています。

こちらでは生殖細胞はすべて精子束になったようです。

生まれて間もない娘群体。

この段階では群体内の細胞の大きさにほとんど差がありません。

泳いでいた精子束。かなりの速さです。

動画です。1分35秒あたりで精子束が群体を離れて泳ぎ出すのが見られます。


(2021.11.24・明石公園 桜堀にて採集・翌日撮影)