2021年12月30日木曜日

MWS バルバドス産放散虫標本

以前から是非1枚我が家にも、と願っていたミクロワールドサービスさんのバルバドス産放散虫プレパラートを、先日の年末セールで初めて購入することができました。「ニセ散布スライド」というものですが、化石放散虫の骨格がびっしりと敷き詰められたとても美しい標本で、特に中低倍率の暗視野では素晴らしい眺めです。見ているだけでも楽しいものですが、ここ2、3日はMWSさんの「本日の画像」をお手本にあれこれ照明を工夫しながらせっせと撮影していました。なかなかなお手本のようにはいきませんが、普段生きた物ばかり相手にしていると時間に追われる場面が多いので、こんなふうにじっくり腰を据えて撮影出来るというのもいいものです。次に作例を何枚かお見せしますが、なにしろ封入されている数が膨大なので、楽しみは尽きません。

全景です。


暗視野。こちらを使っています。

透過明視野+上方からストロボ光。

透過明視野+深度合成。

偏斜照明+深度合成。

2021年12月28日火曜日

ウロコチャタテの一種

 昨日のイダテンに続いて樹幹ではお馴染みのウロコチャタテの一種です。お馴染みと言っても名前は分かりません。石の上にいる親類と同様逃げ足は非常に速く、イダテンを凌ぎます。

やはりまず顔面から。

モチノキの幹です。翅端まで約5mm。

ここだけ見ると蛾ですね。

(2021.12.09・明石公園)

2021年12月27日月曜日

イダテンチャタテ

 おなじみイダテンチャタテ Idatenopsocus orientalis です。こいつを見かけると顔を撮ってみたくなります。

ところがこのチャタテ、必ず下向きに静止する癖があるので顔面を撮ろうとするとこちらはかなり苦しい姿勢になります。

体長約4.3mmで、♀だと思います。カメラで追い回しても走って逃げるばかりですが、飛ぶこともあるんでしょうか。この大きなお腹と短い翅のバランスを見るとひょっとして飛べないのでは、という疑いも生じます。もっとも、長い翅を持った♂でもまだ飛ぶところを見たことがありません。

(2021.12.09・明石公園)

2021年12月26日日曜日

フクロワムシ属の一種・♂(Asplanchna sp.)(改題)

* 2022.01.01・追記 *

初めて見る種のフクロワムシだと思っていたのですが、わちーさんより、これはフクロワムシの雄であることを教えていただきました。種はサンプル内の雌を確認して類推するしかないそうです。同じ池でよく見つかるこちらと同じ種なのかも知れません。ネットで検索してみると A.priodonta の雄の画像が見つかりました(こちらこちら)。詳しくは分かりませんが、毛束のようなものは lateral antenna(側触角?)に dorsal antennae(背触角?)と呼ばれるもので、それぞれ一対あるようです。また肛門と考えた部分はペニスの出入りする孔のようです。

先日記事に出したたくさんのプレオドリナを眺めていると、その間を見慣れないフクロワムシの一種が泳ぎ回っていました。体長はよく見かけるもの(多分 A.priodonta)の半分くらいで肛門らしきものがあり、また体の中央付近の両側に毛束のようなものが見えます。足や趾は見当たらないのでフクロワムシ属 Asplanchna に間違いないと思いますが、手持ちの図鑑やネット上の画像には今のところ似たものが見つかりません。


フクロワムシの仲間としてはかなり小型です。


後端(右下)に横向きの開口部(肛門?)が見えます。

薄くて見えにくいですが、体の中央付近から毛束が伸びています。

左上の黒い線は撮影中に蒸発で減った水と空気の境界です。

動画です。


(2021.11.24・明石公園 桜堀にて採集)

2021年12月25日土曜日

コナダニ科の一種?・交尾中

 落ち葉めくりをしていると妙な形のダニが歩いていました。


と思えば交尾中のペアでした。コナダニ科の一種だと思います。大きい方が体長0.9mmくらいで、こちらが♀でしょうか。以前のブログに出したものに似ています。

白っぽい菌類(?)を食べているのか、鋏角をもぞもぞと動かしていました。




他にも2組ほどのペアがいました。

♀(?)の腹部にうっすら透けて見えるのは卵でしょうか。

(2021.12.09・明石公園)


2021年12月24日金曜日

タイワンツヤカスミカメ?

 これは以前のブログに「カワヤナギツヤカスミカメ?」として載せたのと同じものです。図鑑の写真とは斑紋に違いがあるので当時から疑問は持っていたのですが、やがて複数のサイトで関西圏で近年多くなってきたツヤカスミカメ属の未知種として取り上げらるようになり、aclerisさんの記事でタイワンツヤカスミカメ Deraeocoris apicatus という、最近の移入種であるらしいことを知りました。今回久しぶりに撮影したので、ついでに以前の記事も修正しておきます。



モッコクの幹でじっとしていたのですが、撮り始めると歩きだしました。翅端まで約5mmです。

(2021.12.09・明石公園)


2021年12月23日木曜日

お知らせ(新種のハナカメムシ)

6月9日の記事で「ハナカメムシ類の幼虫 (?Anthocoris sp.)」として掲載していた種に関して、最近新種記載された Temnostethus mirificus (仮称:コバネシロモンハナカメムシ)という種の成虫であることを、ある方から教えていただきました。これまでに栃木・千葉・愛知の3か所から見つかっているそうです。元の記事を修正しておきましたので詳しくはそちらをご覧ください。

ついでに写真も1枚。