2022年1月24日月曜日

クロバネフユシャク・シロオビフユシャク・ウスバフユシャク(改題)

 * 2022.1.29・タイトル・記事訂正 *

当初画像1・2枚目をシロオビフユシャクとしていたのですが、「明石の蛾達」のYAMKENさんから1枚目はクロバネフユシャクだろうとのご指摘をいただいたので、タイトルと記事を訂正しました。シロオビとの判別点は前翅外横線が前縁付近で曲がる角度が鈍角であること、またその部分の白色がより目立つこと、前翅前縁の線がわずかに内側に凹むこと、シロオビに比べてやや小型であること等々だそうです。

公園のトイレの外壁にとまっていたフユシャクの♂2種3種です。
♂がいるからには♀もいるはずですが、この日も一匹も見つかりませんでした。

これはシロオビフユシャク Alsophila japonensis クロバネフユシャク Alsophila foedata。前翅長約17mm。

これはシロオビフユシャク Alsophila japonensis 。やや大きく、前翅長約20mmです。

こちらはウスバフユシャク Inurois fletcheri。前翅長約17mmです。

(2022.01.22・明石公園)

2022年1月23日日曜日

クロスジホソサジヨコバイ ♀♂(深度合成)

強い北風で虫撮りをあきらめ、散歩がてらに行った近所の公園で採ってきたクロスジホソサジヨコバイ Sophonia orientaris です。目についたのを2匹採ってきたのがちょうど♀と♂でした。

まず産卵管を持った♀です。





次が♂。頭部に付着した汚れがどうしても取れませんでした。




こうして並べてみると、以前にフッカーSさんが確認された通り背面の色模様で雌雄を判別するのは無理なようです。また今回撮影した2匹では♂の方がかなり小型ですが、一般的な傾向ではなく個体差ではないかと思います。

(2022.01.18・垂水区松が丘公園にて採集)

2022年1月21日金曜日

Bactrothrips flectoventris(クダアザミウマ科)

 アラカシの葉裏にいたクダアザミウマ。腹部を曲げた独特の姿勢から Bactrothrips flectoventris で間違いないでしょう。この場所ではわりあいよく見る種です。


腹部の両側から角状の突起が出ているのは♂の印です。


別の、やはりアラカシの葉裏でもう一匹見つけました。これも♂です。

すぐに歩きはじめました。角状突起の無い♀はこちらに出しています。

(2022.01.15・明石公園)

2022年1月20日木曜日

ワムシの繊毛冠(ツボワムシ・コガタツボワムシ・ドロワムシ)

顕微鏡では普段横方向からばかり見ているワムシ類ですが、カバーガラスの下に充分な空間をとってやると頭を上に向け、繊毛冠 (corona)がカバーガラスに接した状態で泳ぎ始めることがあります。今回はその繊毛の動きを狙ってみました。

まず最初はツボワムシを暗視野で。多数の個体を一緒に泳がせ、カバーガラスの下面にピントを合わせて探すと、あちこちで深いところから不意に浮上してきて花のように繊毛冠を開くのが見られます。以下、静止画はすべてストロボ撮影です。

繊毛が青く見えるのは構造色でしょう。

次は微分干渉で。

同じく、ピント位置を少し奥に移動したもの。

さらに奥へ。多数の繊毛の規則正しく同期して波打つように動くので、全体が回転しているような錯覚を起こさせます。輪盤とも呼ばれる所以ですね。

これがお馴染みの姿ですね。ツボワムシ Brachionus calyciflorus だと思います。去年の夏に掲載したものと違って、被甲後部の突起(側突起、後方側刺)を持たないタイプのようです。

動画です。

冒頭が暗視野、続いて明視野、微分干渉です。

これは一緒にいたコガタツボワムシ Brachionus angularis です。

少し奥へピントを移動。右側に突き出しているのは背触手、左奥にぼやけているのは卵です。

名前通りツボワムシより小柄です。動画はこちらにあります。

最後はドロワムシ(Synchaeta)の一種。黒いのは眼点です。

やや手前にピントを移動。

もう少し。
全体像はこちらにあります。

(2022.01.13・明石公園 桜堀にて採集)

2022年1月19日水曜日

羽化してきたサツマキジラミ

シャリンバイの葉の裏でサツマキジラミ Cacopsylla satsumensis が羽化していました。「山陰地方のキジラミ図鑑」によれば越冬成虫は晩秋に羽化するということですが、温暖な山陽ではこんな真冬に出てくることもあるんでしょうか。



(2022.01.15・明石公園)

2022年1月18日火曜日

キハダエビグモ

 ムクノキの樹皮の下にいたキハダエビグモ Philodromus spinitarsis です。体長約4.2mm。以前12月にハエを捕えているのを撮影したことがありますが、このクモは真冬でも活動しているようです。




(221.01.15・明石公園)

2022年1月17日月曜日

エノキトガリキジラミ?

 カクレミノの葉裏にいたキジラミです。
尾端を見ると♀のようですが、この季節によく見るムクトガリキジラミより小型で、翅端まで約3mmです。いつものように「山陰地方のキジラミ図鑑」にあたってみると、背面の模様や触角の短いこと、出現時期などからエノキトガリキジラミ Trioza brevifrons の秋型に該当しそうですが、大きさ(全長約2.0-2.5mm)を少し上回り、「胸部の側方には不明瞭だが黒い帯」というのも見当たりません。この種には近縁な別種もいるとのことなので、一度エノキから羽化してきた個体を確認する必要がありそうです。
因みに「山陰地方のキジラミ図鑑」(ホシザキグリーン財団研究報告特別号)は以前はPDFが公開されていたのですが、現在はリンクが切れているようです。




(2022.01.15・明石公園)