2022年3月10日木曜日

トリシグモストマの一種(Trithigmostoma sp.)

 この繊毛虫はトリシグモストマ属(Trithigmostoma)の一種だと思います。

細胞は背腹に扁平な形で、前端部(上の画像では左側)はさらに薄くなって境い目に剛毛列があります。

中央やや左の楕円形の塊が大核でしょう。

細胞表面にピントを合わせています。

動画です。

後半(30秒くらいから)ではカバーガラスに押さえられてより扁平になっています。

(2022.02.01・明石公園の水溜まりして採集)


2022年3月9日水曜日

タマゴクロバチ亜科の一種(?Telenomus sp.)

 先日のアジアコブカタキモグリバエを採集した時に、一緒に採れてしまったものです。葉を上から叩いてフィルムケースにハエを落とした時に近くにいたんでしょう。小さいので気がつきませんでした。ハラビロクロバチ科・タマゴクロバチ亜科(Scelioninae)の一種のようです。Telenomus 属あたりだろうと思いますが、違うかも知れません。







(2022.2.24・学が丘北公園にて採集)

2022年3月8日火曜日

オカモトトゲエダシャク

 自宅のある集合住宅の、郵便受けの上に変な虫がとまっていると家人が言っていたのをその二日後に思い出して見に行くと、まだいました。なるほど初めて見る奇妙な蛾で、調べてみるとオカモトトゲエダシャク Apochima juglansiaria、この季節限定ながら普通種のようです。画像を検索すると以前のブログに出した幼虫の写真が出てきました。その時に成虫も見ていたようですが、憶えていないもんですね。♀はかなり珍しいようですが、触角を見るとやはり♂でした。

前翅の開帳は約40mmです。

櫛状の触角が見えます。



ところでこの♂ですが、家人が見つけてから十日以上経った今日(3月8日)になってもまだ同じ場所でじっとしています。成虫になれば♀を探して飛び回るのが♂の仕事ではないかと思うんですが、この♂は♀が見つけてくれるのを待っているんでしょうか。

(2022.02.27・神戸市垂水区)

2022年3月7日月曜日

アジアコブカタキモグリバエ(Meijerella inaequalis)

 * 2022.03.10・翅の深度合成画像を最後に追加しました*

カクレミノの葉裏で見つけたアジアコブカタキモグリバエ Meijerella inaequalis です。よく見かける種なのでこれまで何度も掲載したような気がしていましたが、調べてみると11年前に一度出しただけでした。

単眼域の三角形と腹部の白帯が特徴的です。



久しぶりなので採集してスタック撮影しましたが、翅を拡げて撮るのを忘れていました
* 撮り忘れたと思っていた翅の写真があったので最後に追加しました *









(2022.02.24・学が丘北公園)

2022年3月6日日曜日

ヒスチオバランチウム(Histiobalantium sp.)

 卵型で扁平な繊毛虫で、いつもの「淡水微生物図鑑」で調べるとヒスチオバランチウム Histiobalantium で良さそうです。シャーレに入れた状態で実体顕微鏡で見ていると、長い間静止していた後に急に泳ぎ始めるという動作を繰り返していました。

背中側を向けています。ウズオビムシを食べているようです。

細胞を取り巻く繊毛には長短2種。

反転して腹側を向けました。

長い繊毛に覆われた細胞口が見えます。

ウズオビムシが通りかかりましたが無反応。満腹状態なのかもしれません。

動画です。


(2022.02.01・明石公園の水溜まりにて採集)

2022年3月5日土曜日

アナムネカクホソカタムシ

 引き続き伐採木の樹皮下で見つけた虫。体長2mm足らずの小さな甲虫で、あやうく見落とすところでした。科の見当もつかないので、保育社の甲虫図鑑の頁を順に捲っていってカクホソカタムシ科のアナムネカクホソカタムシ Thyroderus porcatus にたどり着きました。カクホソカタムシ科 Cerylonidae は日本に8属15種に数種の未記載種、とあります。現在ではもっと増えているのかも知れませんが、こんな科の存在も知りませんでした。




触角の球桿に長い毛が生えています。

前胸背板に深い窪みが2対あるのが和名の由来でしょう。

裏返しました。前胸背板の裏側には触角を収める広い空間があります。

形が面白いので持ち帰ってスタック撮影。冷凍庫に放り込むと脚も触角も縮こまってしまい、小さなゴミもたくさん付いていますが、展足もゴミ取りも手に負えそうにないのでそのままです。






(2022.02.24・学が丘北公園)

2022年3月4日金曜日

ツチトビムシ科の一種

 前回の記事のハネカクシと同じ伐採木の樹皮下にたくさんいたツチトビムシ科 Isotomidae の一種です。体長は最大で1mmくらいですが、それで成虫なのかどうか分かりません。以下、撮影倍率はすべて同じです。







(2022.02.24・学が丘北公園)