2022年3月23日水曜日

イスノキエダイボフクロフシとヨシノミヤアブラムシ

 いつも見ているイスノキに、果実のような虫こぶができていました。以前のブログにも掲載したイスノキエダイボフクロフシだと思います。


直径約16mmで、前の記事より若い虫こぶだと思います。同じくらいの大きさのものがいくつもありましたが、一つ割ってみました。

中にはたくさんのアブラムシ。

葉を一枚ちぎって中身を空けました。ヨシノミヤアブラムシ Quadrartus yoshinomiyai だと思います。大きいものは体長2mmくらいで、これらが無翅成虫でしょう。有翅虫はまだいません。このヨシノミヤアブラムシは最近の研究で、産卵を終えた無翅成虫と1齢幼虫がそれぞれ「兵隊」として外敵からの防衛を担う、社会性アブラムシであることが判明したそうです(こちらこちら)。




(2022.03.16・明石公園)

2022年3月22日火曜日

フタモンホシカメムシ

南に面した石垣の上を、たくさんのフタモンホシカメムシ Pyrrhocoris sibiricus が歩き回っていました。石の間で冬を越したものが陽気に誘われて出てきたんでしょうか。長翅型に短翅型、それに幼虫も含めて数は多いのですが、足が速くてほとんど立ち止まらないのでピンボケの量産になりました。近縁のクロホシカメムシ P. sinuaticolli との区別が難しいのですが、基節窩の外面が黄白色というフタモンの特徴が最後の写真でどうにか確認できます。

これは長翅型。

これは短翅型。

ちょっと中途半端な翅ですが、これも長翅型でしょうか。

越冬明けのせいか、翅の先(膜質部)が擦り切れてしまってどちらとも分からない個体もたくさんいました。

これは幼虫。もっと若齢の個体もいましたがうまく撮れず。

短翅型ですが、“基節窩外面の黄白色”が辛うじて見えると思います。

(2022.03.16・明石公園)

2022年3月21日月曜日

ヒメグモ類?の幼体

 カクレミノの葉裏にいた綺麗な色の小さなクモです。ヒメグモ類の幼体ではないかと思いますが、このあたりで見かける種で当てはまりそうなものが思い浮かびません。体長約1.1mmです。




写真ではあまり再現できていませんが、赤い単眼がとても綺麗な子グモでした。


(2022.03.09・学が丘北公園)

2022年3月20日日曜日

ウロトリカ

 これはウロトリカ Urotricha の一種だと思います。全長20µm足らずの小型の繊毛虫で、後ろに長い尾(尾部繊毛)を曳きながらゆっくり泳いでいました。

これは泳いでいる同じ細胞を追いかけながらストロボ光で撮影したものです。

動画です。


(2022.03.11・明石公園の池にて採集)

2022年3月19日土曜日

ヤマトデオキノコムシ

 引き続き朽木の樹皮下の虫。ヤマトデオキノコムシ Scaphidium japonum だと思います。夏場だと逃げ足が速くて撮りにくい虫ですが、越冬中なので落ち着いて撮影できました。体長は6mmちょっとです。






(2022.03.09・学が丘北公園)

2022年3月18日金曜日

シモフリヤチグモ?

 朽木の樹皮下に潜んでいたクモです。足を畳んでいるので頭胸部が見えませんが、ヤチグモの仲間でしょう。体長約12mmの♀で、絵合わせではシモフリヤチグモ Iwogumoa insidiosa かメガネヤチグモ Pireneitega luctuosa あたりで、どちらかと言えば前者に似ている気がしますが、生殖器を見ないと外見での同定は難しいようです。





(2022.03.09・学が丘北公園)

2022年3月17日木曜日

ヒメウメマツアリ?とヤドリウメマツアリ

 朽木の樹皮を剥がすと現れたアリのコロニーです。撮影時には以前のブログでも掲載したウメマツアリ Vollenhovia emeryi だと思っていたのですが、帰宅して調べると働きアリとともに写っている体色の薄い有翅の雌アリはウメマツアリに社会寄生するヤドリウメマツアリ( Vollenhovia nipponica )の女王らしいことがわかりました。また従来ウメマツアリとされていたものは、現在ではウメマツアリとヒメウメマツアリ Vollenhovia sp. の2種に分けられたようで、ヤドリウメマツアリが寄生するのは後者の巣とされています。とするとこの巣の主もウメマツではなくヒメウメマツということになりますが、後者の女王が短翅ということ以外に2種を見分ける形態的な特徴の情報が乏しく、写っている女王はすでに翅を落としているので判別できません。また雄アリについては、前回の記事のを見ると周囲の働きアリに比べてやや大きく、また頭部胸部ともに黒色なのに対して下の写真ではやや小型で、胸部が赤みを帯びていることから、有翅の女王と同じくこれもヤドリウメマツアリではないかと考えています。不明な点が多いのですが、とりあえず表記のタイトルで出しておきます。

中央上がヒメウメマツアリ?の女王。右端の♂は多分ヤドリウメマツアリ。


上2枚はヤドリウメマツアリの女王。ホストの働きアリとほぼ同じ大きさです。ヤドリウメマツアリは女王と雄アリだけで、働きアリは存在しないそうです。


これらの雄アリは、前回の記事のものより小型で、また胸部が赤みを帯びていることから、kこれもやはり寄生者のヤドリウメマツアリではないかと思います。



ヒメウメマツアリ?の働きアリ。慌てて運び出している幼虫はどちらの女王が産んだものでしょうか。

1枚目にも写っている、ヒメウメマツアリ?の女王です。

たくさんダニがついているのは、働きアリに比べて運動量が少ないせいでしょうか。

(2022.03.09・学が丘北公園)