冬場にムクノキなどの樹皮下でよく見つかるヒレルクチブトゾウムシです。2年前にも出しているので今回は深度合成で。
(2022.03.04・明石公園にて採集)
大口の繊毛虫、レンバディオン(Lembadion)の一種です。フロントニアに近い仲間ですが、口部域がほとんど細胞全長にわたって大きく開いていて、その縁からカーテンのように長い繊毛の列(膜板と呼ぶそうです)が伸びています。下の1~3枚目はくるくると回転しながら高速で泳いでいるのを追いかけながら撮ったものですが、4~5枚目ではほぼ動きが止まっています。そうなると弱ってしまうのか、5枚目では長い繊毛を周囲に撒き散らしているように見えます。
この辺りでトベラにつくキジラミと言えば和名(仮称)だけでまだ学名の無いマダラトベラキジラミ(Cacopsylla sp.)をよく見かけますが、これはちゃんと学名の付いたトベラキジラミ Cacopsylla tobirae だと思います。体色が薄くて前種のような暗色のまだら模様がなく、前翅後縁の黒紋もありません。たくさんの葉を裏返しましたが単独でいるのが数匹見つかっただけなので、成虫あるいは幼虫で冬を越した個体でしょう。
綺麗な緑色の♂です。翅端まで約3.3mm。久しぶりに Pediobius atamiensis を見かけたので採集してスタック撮影しました。このヒメコバチはBABAさんのブログに素晴らしい深度合成画像が度々掲載されていますが、確かに何度も挑戦したくなる精巧な美しさです。数年前までは冬場の葉裏探しでいくらでも見つかる気がしていましたが、このところめっきり少なくなってしまいました。
ムクノキ樹皮下で越冬中のヒシモンナガタマムシ Agrilus discalis。小さくて地味ですが、ようく見るとやはりタマムシのはしくれだけあって渋い美しさがあります。この公園でも以前はいくらでもいるように思っていたのですが、他の多くの“普通種”同様見かけることが少なくなってきました。
2本の鞭毛を持った鞭毛虫、アニソネマ(Anisonema)の一種です。以前のブログに出したものよりやや大型ですが形はほとんど同じに見えます。2本の鞭毛のうち細くて短い方は常に前方に伸びて活発に運動していますが、太くて長い方は後方に引きずっていて(後曳鞭毛)能動的な動きは無いようです。