2022年4月10日日曜日

オナガコマユバチ亜科 Spathius sp.

 頭上のトウネズミモチの葉裏に小型のハチがとまっているのを見つけ、撮影しようと枝を引き寄せると、こんな姿勢になってしまいました。


ひょっとしてこれも擬死の一種でしょうか。

何枚か撮るうちに普通の姿勢に戻りました。


面白いハチだと思って採集し、スタック撮影しました。
海外サイトの標本画像などと絵合わせをしてみると、オナガコマユバチ亜科の Spathius 属で間違いなさそうです。








(2022.04.06・舞子墓園)

2022年4月9日土曜日

カシノナガキクイムシを釣り上げる(?)ヨコヅナサシガメ幼虫

ヨコヅナサシガメ Agriosphodrus dohrni もこのあたりではここ数年数の減ってきた虫の一つですが、その幼虫がコナラの幹で何かを捕まえていました。

獲物はカシノナガキクイムシ Platypus quercivorus です。

幹にはキクイムシの虫孔が多数開いています。周りを見るとヨコヅナサシガメ幼虫は他にも多数歩き回っていて、同じ獲物を捕えているものも何匹も見つかりました。




しかしそのキクイムシの方は、探してもすでに獲物になったものしか見つかりません。

不審に思っていると、虫孔に口吻を差し込んでいるサシガメがいました。

間もなくキクイムシを孔から釣り上げました。
カシノナガキクイムシが材からの脱出を始めるのは普通6月頃、早くても5月とされていて、4月の初めに成虫が外をうろついていることはなさそうです。おそらくこのヨコヅナサシガメの幼虫たちは、まだ孔の中にいる脱出前の成虫を狙って狩りをしているのでしょう。画像を拡大して調べると、キクイムシは♀♂ともに犠牲になっていました。

ヤニサシガメの幼虫も1匹お相伴に与っていました。

これが舞台になったコナラです。ナラ枯れのため、去年の枯葉が落ちずに残っています。

(2022.04.06・舞子墓園)

2022年4月8日金曜日

ナカジロコガネショウジョウバエ

 これまでにも何度か撮影している綺麗なハエで、以前のブログで属・種不明のショウジョウバエ科の一種として掲載したのと同じものです。今回改めてネット情報を探してみると Acleris さんのいもむしうんちは雨の音によく似たものが掲載されていました。ナカジロコガネショウジョウバエ Leucophenga interrupta とされていて、同定で参照した文献も紹介されていますが、とりあえず写真で確認できる限りでは違いは見当たらないので、同種と見て良いと思います。


すぐに逃げられたので写真はこの2枚だけ。カクレミノの葉裏にいました。体長約3mm、翅端まで約4.5mm。

(2022.04.06・舞子墓園)


2022年4月7日木曜日

ヤニサシガメ幼虫

 ツツジの花の中にいたヤニサシガメ Velinus nodipes の幼虫です。

体長約9mm。小さなイモムシを捕えていました。

アップで撮るために枝をつまむと、蕊にしがみついてしまいました。それでも獲物は落としません。


(2022.04.06・舞子墓園)

2022年4月5日火曜日

ラッパムシの細胞分裂

細胞分裂途中のラッパムシの一種(Stentor sp.)を見つけました。

シャーレの中で見つけた時は底に付着して長く伸びていたのですが、スライドガラスに移すと収縮してしまいまいした。


細胞の中ほどに新しい口部域ができています。


括れは強くなりましたがひも状の大核はまだ繋がっています。


お別れの瞬間は次の動画で。


分裂後の片割れです。

(2022.03.25・明石公園の池にて採集)



2022年4月4日月曜日

タイワントガリキジラミ・成虫と幼虫

2年前にもちょうど今頃出していますが、モチノキの葉裏でタイワントガリキジラミ Trioza formosana の羽化が始まっていました。

羽化したばかりの成虫は本来の体色がまだ出ていません。

寄生された部位は表側では濃い茶色に変色していかにも汚い感じですが、裏側は妙に鮮やかな赤色です。

終齢幼虫は体長約1.5mm。

この成虫は体長約2mm、翅端まで約3.2mmです。
やはりちょうど今の季節ですが、交尾の様子や卵はこちらに出しています。

(2022.03.29・明石公園)

2022年4月3日日曜日

ウロコアシナガグモとクモヒメバチ終齢?幼虫

 トベラの葉裏に妙な形のクモがぶら下がっていると思ったら、大きなクモヒメバチの幼虫を背負ったウロコアシナガグモでした。



クモは♂です。クモヒメバチ幼虫は今年の1月に見たものに比べるとはるかに大きく成長していて、また背中に突起が並んでいるので多分終齢でしょう。この突起には小さなフックが多数生えていて、クモが死んだ後このフックで糸にぶら下がり蛹化するのだそうです。

実際、蛹化の準備を始めているのか、体をくねらせるような動作が見られました。

糸を捉えたように見えます。しかしクモはまだ元気そうで、こんなに大きな寄生者に栄養を取られ続けた後とは思えません。クモヒメバチ幼虫の摂食はまだ終わっていないのでしょうか。

(2022.03.29・明石公園)