2022年6月1日水曜日

ニジュウヤホシテントウ

 久しぶりに見たニジュウヤホシテントウ Henosepilachna vigintioctopunctata です。子供の頃には近所の畑などにいくらでもいるように思っていたテントウムシですが、いつも徘徊している公園ではほとんど見かけることがありません。ナス科ではワルナスビなどはあちこちの生えているので食草がないわけではないと思うのですが、やはり人間と同じで園芸種の方が好みなんでしょうか。

見つけた時はせっせと葉を齧っている最中でしたが、近づくと止まってしまいました。葉はイヌホオズキ類のようですが、よく分かりません。腺毛が多いのでケイヌホオズキでしょうか。


しばらくするとまた動き始めました。

葉の縁を齧っています。


(2022.05.24・明石公園)

2022年5月31日火曜日

ヌクレアリア(Nuclearia sp.)

 ヌクレアリア Nuclearia というアメーバ状の単細胞生物ですが、いわゆるアメーバ動物(アメーバ動物門 Amoebozoa)ではありません。「プランクトンハンドブック 淡水編」によれば「近年の研究では菌類に近縁であることが示されている」ということで、藻類などを捕食するそうです。近所の川で採取して2週間ほど放置していたサンプルの中で見つけました。

細胞の中心付近にピントを合わせています。目玉焼きのように見えるのが核です。

これは細胞表面で、収縮胞が見えます。

動画です。


(2022.05.06 撮影)

2022年5月30日月曜日

タケノホソクロバ(改題)

* 2022.05.31・タイトル・記事訂正 *

記事を公開して間もなく、明石の蛾達のYAMKENさんからこれはブドウスカシクロバではなくタケノホソクロバ Artona martini であるとご指摘をいただきました。この仲間はいずれの種も藍色の光沢をもっていて、ブドウスカシクロバはそれが体全体に現れもっとはっきりしている、またこの仲間の翅の鱗粉は羽化後に振り除かれるのではなく羽化時のままで、明石付近でYAMKENさんが確認されている中で翅が透かさないのはタケノホソクロバのみ、ということです。タイトルを訂正しておきます。YAMKENさん、ありがとうございました。
なお、調べてみると
以前のブログに同種の幼虫を掲載していました。

昨日の記事のブドウスカシバと紛らわしい和名ですが、これはブドウスカシクロバ Illiberis tenuis だと思います。アケビの葉の上にいました。同属のウメスカシクロバやリンゴハマキクロバも普通種でよく似ていますが、藍色の光沢が強いのでブドウスカシクロバと判断しました。翅全体が不透明で「スカシ」になっていませんが、おそらく羽化直後で鱗粉が落ちていないせいでしょう。前翅長約10mmです。





(2022.05.20・明石公園)

2022年5月29日日曜日

ブドウスカシバ

 公園のエビヅルの葉の間を飛んでいるドロバチ、と思えばスカシバの仲間でした。やがてすぐ隣のクレマチスの蕾にとまったところを撮影、ブドウスカシバ Nokona regalis のようです。有名なブドウの害虫ですが、♀らしいのでエビヅルの枝に産卵しようとしていたのかも知れません。高い位置だったので背面からは撮影できず、すぐにまた飛んで行ってしまいました。



(2022.05.20・明石公園)


2022年5月28日土曜日

アラカシの幹で産卵する Anastatus(ナガコバチ科)

 昨日の記事に出したシロモンコバネナガカメムシを探している間、このナガコバチの一種(Anastatus sp.)を何度も見かけました。こちらこちらのように、昆虫の卵に寄生卵を産みこむ寄生バチです。苔の間や樹皮の割れ目を触角で探りながらうろついているので、おそらくそのような場所に寄主の卵が隠れているんでしょう。今にも目当ての卵を見つけて産卵を始めるのではないかと期待して追いかけましたが、いつまでも歩き回るばかり。音を上げかけた頃、ちょっと目を離した隙に立ち止まって産卵管を突き刺していました。


体長約3.2mm。美しい寄生バチです。


長時間費やした挙句、肝心の産卵シーンはちょっとピンボケでした。こんな場所に卵を産む寄主は何者でしょう。

(2022.05.22・明石公園)

2022年5月27日金曜日

今年も出てきたコバネシロモンハナカメムシ

昨年6月はじめに種名不詳のハナカメムシ幼虫として掲載したものが実は最近記載された新種、コバネシロモンハナカメムシ(Temnostethus mirificus・和名は仮称)だったということは記事に追記した通りですが、同じ場所のアラカシの幹で今年は幼虫・成虫ともに見ることができました。

これは今年初めて見た幼虫。この日、このハナカメムシを探しに他県から来訪された方のお供をすることになったのですが、その方が発見されたものです。体長約2.1mm。この日見付かったのはこの1個体だけでした。(5月7日)

約2週間後に見に行くと、すでに成虫が出てきていました。口吻で苔や地衣類の間を探りながら足早に歩き回ります。体長は約2.4mm。

ときどき、餌を見つけたのか口吻を差し込んだまま長い間じっとしていることがあります。何を食べているのか分かりませんが、先に触れた他県からのお客様との話の中で昆虫の卵のようなものではないかという推測が出ました。そうであればこの行動の説明もつくし、また今回このハナカメムシを探している間に同じ場所を卵寄生のナガコバチ(Anastatus sp. )が徘徊しているのを何度か見かけているので、可能性はありそうです。

この幼虫はおそらく終齢でしょう。成虫と変わらない大きさです。


 
動きも成虫と同じで、ときおり動きを止めて口吻を差し込んだままじっとしています。

体長1.6mmほどの若齢幼虫もいました。(以上2-6枚目:5月20日)

その2日後、成虫や終齢幼虫の他に羽化直後の成虫を見つけました。この状態では体長が2.8mmほどもあります。外骨格が固まるまで腹節間の膜が伸びているんでしょう。美しい色彩なので羽化途上のものがいないか探しましたが、見つかりませんでした。(5月22日)

(2022.05.07,20,22・明石公園)

2022年5月25日水曜日

ヒゲナガハナノミ♀

 ノゲシ(あるいはオニノゲシ?)に来ていた♀のヒゲナガハナノミ Paralichas pectinatus です。以前はこの公園でもよく見かけたのですが、ここしばらく撮影の機会がありませんでした。体長は約12mm。大量に繁殖したアブラムシの甘露が目当てだったようです。






(2022.05.20・明石公園)