2022年6月8日水曜日

モチツツジの葉の上のモチツツジカスミカメ

 家の近所の小さな緑地に植わっているモチツツジに、モチツツジカスミカメ Orthotylus gotohi が集まっていました。成虫・幼虫ともにたくさんいて、かなりの割合で餌にありついていました。餌というのはモチツツジの腺毛に捕えられて死んだ、あるいは動けなくなった小さな虫で、このカメムシはそれらに口吻を突き刺して吸汁します。自身は腺毛に脚をとられることなく自由に歩き回ることができ、またモチツツジの上以外で発見されることがないというユニークなカメムシです。

アブラムシを吸っている成虫です。

上と同じ。

こちらの餌はハラビロクロバチの一種。

こちらはハエヤドリクロバチの一種に口吻を刺していましたが…。

成虫はカメラを警戒して立ち去り、その後すかさず近くにいた幼虫が寄ってきました。

この幼虫もアブラムシを吸汁しています。

上と同じ。

(2022.05.31・神戸市垂水区)

2022年6月7日火曜日

ヒメオオメナガカメムシ

 先日出したツルギアブがいた海岸で、砂の上をヒメオオメナガカメムシ Geocoris proteus がたくさん歩き回っていました。体長3mmばかりの小さなカメムシです。同じ種を以前のブログに掲載した時は「日本原色カメムシ図鑑」に倣って「ヒメオオメカメムシ」と表記したのですが、同じ図鑑の第3巻では「ヒメオオメナガカメムシ」に変わっているので今回はその名を採用しました。家にある何冊かの古い図鑑を見ても二つの和名が混在しています。専門家は学名を使うので特に不都合もないでしょうが、素人は迷いますね。

レンズを近づけても逃げずにじっとしていると思ったら、アブラムシを捕まえていました。


兄貴分のオオメナガカメムシと同じく捕食性のカメムシです。

植物の上に上がっているものもいます。

この赤いのはテネラルでしょう。幼虫もたくさんいましたが、成虫よりもすばしこく、全く立ち止まろうとしないので1枚も撮影できませんでした。

(2022.05.30・明石市望海浜)


2022年6月6日月曜日

コガネムシ

 あまりにも普通にいるので普段見過ごしているコガネムシ Mimela splendens ですが、じっくり見るとその名に恥じぬ美しい甲虫です。初夏の暑い日、河川敷を歩くと灌木の枝にも雑草の上にもいたるところで輝いていました。


(2022.06.01・神戸市西区伊川)

2022年6月5日日曜日

ツルギアブの一種

 ハマボウフウの群生した海岸で、ツルギアブの一種を見つけました。白くて長い毛を密生させた美しいハエですが、この仲間(ツルギアブ科・Therevidae)には酷似種が多く形態上の違いを写真で判別するのは無理なようなので、その仲間としておきます。

左右の複眼が接しているので♂です。

体長約11mm。花にとまっていましたが吸蜜していたわけではなさそうです。

上の3枚は同一個体です。

交尾中のペアもいました。左が♀です。

(2022.05.30・明石市望海浜)

2022年6月4日土曜日

キボシツツハムシ

 アベマキの葉裏にいたキボシツツハムシ Cryptocephalus perelegans です。普通種のはずですがいつもの公園などではあまり見かけません。せっかくなので顔面を撮っておこうと四苦八苦しているうちに落下して見失いました。体長約4.5mm。以前に見た産卵の様子はこちらにあります。





(2022.05.24・明石公園)

2022年6月3日金曜日

ヒメイトカメムシ若齢幼虫

 今年もヒメイトカメムシ Metacanthus pulchellus が増えてくる頃だろうと大きなキリの若葉を裏返してみると、あちこちで交尾中の成虫や大きめの幼虫に混じって体長0.7mmほどの小さな幼虫が歩いていました。初齢か、せいぜい2齢でしょう。葉の表面からは先端にねばつく玉の付いた腺毛が一面に生えていて、それに捕らわれた微小なハチやアザミウマなどの遺骸があちこちに残っています。しかしこの幼虫は、自分の体長ほどもある腺毛の上を体のわりには長い脚を取られる様子もなく、ゆっくりと器用に渡っていくのでした。





よく見ると跗節が粘液に覆われているようです。こんな状態で自由に歩けるのにはどんな秘密があるんでしょうか。

(2022.05.24・明石公園)

2022年6月2日木曜日

アオオニグモを運ぶオオシロフクモバチ

公園の舗道で、獲物のアオオニグモを引き摺るオオシロフクモバチ(オオシロフベッコウ・Episyron arrogans)に遭遇しました。とっさにカメラを構えるもののハチは飛ぶように道を横切っていくのでほとんどピントも合いません。ようやく、道の端の雑草によじ登るところをストロボに切り替えて数枚撮影。いつものように、草の上に一時獲物を置いて巣穴候補地を探しに出かけるのかと期待しましたが、場所が気に入らなかったのかこちらが邪魔をしたせいか、ふたたび獲物を地面に降ろすと道端のフェンスをくぐってしまったので、残念ながらそれ以上追いかけることは出来ません。ハチはレンズの射程を出たあたりで再び草の上に獲物を引き揚げ、今度こそは巣穴を掘る場所を探しに飛んで行ったようでした。
(今回は撮影できませんでしたが、この続きの工程はこちらのように進むはずです。)






(2022.05.24・明石公園)