2022年7月25日月曜日

アファニゾメノン(Aphanizomenon flos-aquae)

 アファニゾメノン(Aphanizomenon )はアオコの原因となる藍藻の一つで、いつもの公園の池でも度々大量に発生します。以前のブログにも一度 Aphanizomenon sp. として出していますが、おそらく世界中に分布すると言う Aphanizomenon flos-aquae だと思います。糸状藻の切れ端を束にしたような群体ですが、束の中でそれぞれの切れ端が長軸に沿って常にゆっくりと前後に動いているので、全体の形も徐々に変わっていきます。

こんな形の群体が浮遊しています。

重なり合った群体をカバーガラスで圧し拡げてみました。

細胞列の所々に黒っぽく見えるのは異質細胞で、窒素固定の役割を担っているそうです。

上の2・3枚目は微分干渉画像で、背景光でホワイトバランスをとっていますが、次の動画では明視野照明時のホワイトバランスでそのまま撮影しています。どちらにしても通常の明・暗視野照明で見る色とは全く違っていてどちらが正しいというものでもありませんが、いつもどうしたものかと迷ってしまいます。



(2022.06.28・明石公園の池にて採集)

2022年7月22日金曜日

玉津南公民館で昆虫写真展

 長年虫撮りに通っている明石公園の近く、神戸市西区の玉津南公民館の方から夏休みの“サマースクール”の一環として虫の写真展をやらないかというお誘いがあり、本日から開催しています。虫撮り仲間と二人の展示ですが、私は“葉っぱの裏の虫さがし”というテーマで構成しました。サマースクールに参加する子供(とその親)が対象なのでそれなりに工夫したつもりですが、どんなふうにすれば子供が興味を持って見てくれるのか、正直なところまったく見当がつきません。私はほとんど会場にいませんが、お近くにお住いの方、よろしければ覗いてみて下さい。
会期は7月22日(金)から8月5日(金)、9:00から17:00、日曜は休館です。駐車場はありません。会場への交通手段などは上のリンクから公民館HPをご覧ください。




(2022.07.22)


2022年7月21日木曜日

産卵中のイヌビワオナガコバチ

 たくさん実ったイヌビワの実(花嚢)にちらほらとイヌビワオナガコバチ Goniogaster inubiae がとまっているのが見えたので、1匹産卵中のものを撮ってみました。

こういう被写体は頭から産卵管(鞘)の先まできっちりとピントを合わせたいところなのですが、微妙に角度を変えながら何枚も撮ったカットは全滅でした。それでも、産卵管鞘の根元に近いあたりから細い産卵管が実の中に入っているのがなんとか見えます。
今回は暑くて根気が続かず付き合いきれませんでしたが、このハチが後ずさりしながら長い産卵管を差し込む様子はこちらに出しています。

(2022.07.18・明石公園)

2022年7月20日水曜日

ヒサゴクチカクシゾウムシ

 以前のブログでも何度か出している普通種ですが、ヒサゴクチカクシゾウムシ Simulatacalles simulator のペアです。雨上がりで湿った切り株の上にいました。ごつごつした枯れ枝の上などにいるとはなかなか見つけにくい外見ですが、こういう場所にいると目につきます。体長約4mmです。



(2022.07.18・明石公園)

2022年7月19日火曜日

シロオビトリノフンダマシ

 前回のトゲグモに続き、いつもの公園では初めてのシロオビトリノフンダマシ Cyrtarachne nagasakiensis です。エノコログサの葉の上でじっとしていました。これまでに見たトリノフンダマシ類はどれもこんな状態で、この仲間は夜間に活動するようです。以前に別の場所で撮ったものはこちらに出していますが、今回も同じく♀個体で、体長、体幅ともに約6mmです。はるかに小さいと言う♂はまだ見たことがありません。どんな姿をしているのかと思って画像を探すと、お馴染みのそらさんのところにありました。一度見つけたいものです。







(2022.07.18・明石公園)

2022年7月18日月曜日

トゲグモ(♀幼体?)

 トゲグモ Gasteracantha kuhlii にお目にかかるのはこれでやっと3度目で(1度目2度目)、この明石公園では初めてです。イヌビワの枝の間、ちょうど目の高さくらいに網を張っていました。この公園にはいないものと思っていたのですが、今回も含めてこれまで見たものはどれも樹木の間のかなり薄暗い場所に巣網を張っていて、そういう性向のせいで見落としていた可能性が高そうです。今回もやはり♀でしたが、やや小型で、腹部の突起の発達も弱いようなので幼体かも知れません。体長5.5mm、体幅7mmくらいです。


網が風に揺れて、これが精一杯でした。

(2022.07.18・明石公園)

2022年7月17日日曜日

イソヤムシの一種(Spadella sp.)

 いつもの海岸で採れたヤムシです。以前のブログに掲載したものと同じイソヤムシ属 Spadella の一種で、おそらくSpadella cephaloptera だろうと思っています。前回も7月に採集しているので、今頃が出現期なのでしょう。図鑑によればこの仲間は本来底生性ですが、時に浮遊するということです。ヤムシの仲間は細長い上にこちらのように無色透明なものが多く、実体顕微鏡で眺めていても動かなければつい見逃してしまうくらいですが、この種は体が太くて不透明なのでよく目立ちます。カバーガラスで封じても元気に動き回りますが、静止したところを狙って18カットほどスタック撮影しました。

1枚だけなので画像サイズはいつもより大きくしました。

(2022.07.14・西舞子海岸にて採集)