先日の記事と同じシュードマイクロソラックス(Pseudomicrothorax sp.)です。同じサンプルで見つけましたが、こちらは細胞長が3倍近くある大型種です。丸く盛り上がった背面を上にしていて、1枚目は腹面近くにピントを合わせていますが細胞が不透明で様子がよく分かりません。2枚目以下では背面の隆起線が見えます。4枚目では左下が前端で、右向きに口部があります。
2022年8月21日日曜日
2022年8月19日金曜日
シュードマイクロソラックス
シュードマイクロソラックス Pseudomicrothorax(属)という長い名前の付いた繊毛虫の一種です。頭に“Pseud”の付いた学名は和名で言えばニセ〇〇〇とか〇〇〇モドキといったものにあたるようで、この場合も本家の Microthorax 属が存在しますが、いつも頼りの「淡水微生物図鑑」には“Pseud”付きしか載っていません。多分こちらの方がポピュラーなんでしょう。この属はユレモを専門に捕食するそうですが、食事の現場は見られませんでした。写真は長径30µmほどの小型種です。
2022年8月18日木曜日
アオバハゴロモを捕えたヒサマツムシヒキ
* 2022.08.31 タイトル修正 *
タイトルの種名を誤って「サツマムシヒキ」としていたのをご覧いただいた方からご指摘いただき、修正しました。
アオバハゴロモを捕えて足元の石の上に降りてきたヒサマツムシヒキ Tolmerus hisamatsui です。
2022年8月16日火曜日
遊泳性のツリガネムシ、ハスタテラ(Hastatella sp.)
これはハスタテラ(Hastatella)の一種で、柄を持たない遊泳性のツリガネムシの仲間です。小さくて1枚ではほとんど全体像が掴めないので6枚並べました。くるくる回転しながら泳ぎ回る1個体を連続で数十枚撮影した中から選んだもので、ある程度形が想像できると思います。円筒形の細胞の周囲に長い棘状の突起を生やしているのが特徴ですが、形態の違う種がいくつもあるようで、種名は分かりません。
巣の仕上げをするムモントックリバチ
ムクノキの幹でムモントックリバチが巣の仕上げをしていました。
カメラを構える前に飛び去ったのですが、ドーム型の巣はちょうど巣口が閉じられたばかりのようで、最後に泥を加えた部分がまだ湿っています。このハチの営巣は以前に何度か見る機会があって、巣口を閉じた後、仕上げに植物の繊維で上塗りすることが分かっているので、そのまま帰りを待つことにしました。
ハチは予想通り15分ほどで黒っぽく濡れた球を抱えて戻ってきて、早速上塗りを始めました。この材料は何らかの植物を細かくかみ砕いたもののようで、乾くと白っぽくなります。おそらく防水か、カムフラージュのためでしょう。かなり念入りに塗り付けていきます。3~4分作業を続けると新たな材料の調達に飛び立ち、10分ほどで戻ってきてまた作業を始める、という繰り返しを1時間足らずの間見ていましたが、5回目に飛び去ったのを見届けてからその場を離れました。その後もまだ作業が続いたのかどうかは分かりません。最後の写真は上塗りをされた巣の表面で、材料が植物の繊維であることが見てとれると思います。
2022年8月15日月曜日
コブハムシの一種・糞ケースの抜け殻
イヌビワの葉の裏に、空になったコブハムシ類の糞ケースがくっついていました。多分ムシクソハムシのものだと思います。このあたりでも珍しいものではありませんが、よく見るととなりに小さなお椀型の「蓋」が残っていて、これは初めて見ました。クモの糸かなにかに引っ掛かって落ちずにいたんでしょう。開口部は刃物で切ったようにきれいです。これまで漠然と、羽化した成虫は糞ケースのてっぺんを適当に噛み破って出てくるんだろうと想像していたのでちょっと驚きました。カメムシの卵のように予め切断線が入っているとも思えないので、ケースの中で体を回転させながら大顎で根気よく噛み切っていったんでしょう。手あたり次第かみ砕くよりもこの方がエネルギーの節約になるのかも知れません。成虫の姿はごつごつして鈍重そうですが、意外に器用なんですね。