2022年12月20日火曜日

ヒメコバチ科 Pediobius sp.(深度合成)

 3月に Pediobius atamiensis の深度合成画像を出しましたが、これは同じ Pediobius 属の別種です。過去のブログ記事を探してみるとこちらの2番目に似ていますが、背面の彫刻は一致しません。ただ、以前のBABAさんの記事に「P.crassicornis や P. atamiensisは中胸盾板と小盾板との間に三日月型のすきまがあるのが特徴」という上條先生からのコメントが紹介されていて、5枚目の画像でもその特徴が認められることから、そのあたりに近縁な種であることは間違いないと思います。アラカシの葉裏にいたのを採集しました。


美しいコバチですが、細かなゴミがたくさん、とり切れずに残っているのが残念です。






(2022.12.03・明石公園)








2022年12月18日日曜日

交尾中のクロスジフユエダシャク

 先日の記事にもフユシャクの♀にはなかなかお目にかかれないと書いたばかりですが、この日初めて、交尾中のペアを撮影することが出来ました。たまたま出会って一緒に歩いていた、このあたりの昆虫には誰よりも詳しいFさんが見つけられたのですが、飛んできた♂が落ち葉の間に潜り込むのを目で追っていくとそこに♀がいて、そのまま交尾が始まったそうです。見ると、先日の♂と同じクロスジフユエダシャク Pachyerannis obliquaria でした。過去のフユシャクの♀を見たわずかな例ではどれも木の幹にいたので、このように落ち葉の間に隠れているとは想定していませんでした。探しても見つからなかったはずです。


乗っていた枯葉ごと撮影しやすい場所に移動しましたが、そのまま交尾を続けています。


♀の体長は約12mm。♂よりはるかに大柄です。

♀の顔。

こちらが♂で、触角が櫛状です。

撮影している間にすぐそばでもう一組、交尾を始めました。やはり♂の動きを見ていたFさんが見つけられたものです。

これも同じクロスジフユエダシャクです。

♀は最初のものよりやや小型で、体長10mmくらい。
これらの♀は交尾の後、産卵のために幼虫の口に合う樹木を探しに行くものと思われますが、翅のない♀にとっては大仕事でしょう。この次はその産卵場面を見たいものです。

(2022.12.16・明石公園)

2022年12月17日土曜日

ヤドリノミゾウムシ(深度合成)

 前回の記事のクロハナカメムシと一緒に採集していた、同じくケヤキの樹皮下では常連のヤドリノミゾウムシ Orchestes (Orchestes) hustachei です。





(2022.11.18・神戸市西区伊川にて採集)


2022年12月15日木曜日

クロハナカメムシ

 生きた虫のネタが尽きたので深度合成画像を。ケヤキの樹皮下にいたクロハナカメムシ Anthocoris japonicus です。







(2022.11.18・神戸市西区伊川にて採集)

2022年12月12日月曜日

アベマキの葉の裏の不明物体に産卵するコガネコバチ科 Mesopolobus sp.

 すでに黄色く色づいたアベマキの葉の裏で、小さな虫こぶのようなものの周りをコバチが1匹歩いていました。


タマバチ類の虫こぶではないかと思ってちょっと調べてみましたが、分かりません。

産卵をはじめるかと期待して見ていましたが、やがて離れていきました。

体長2mmほどのコガネコバチで、こちらと同じMesopolobus 属の一種だと思います。

一度見失った後、すぐ隣の葉にいるのを見つけました。おそらく同じ個体だと思います。先ほどと同じような、虫こぶ状の物体を探っています。

今度は産卵管を突き刺しました。

しばらくこの姿勢を続けた後、葉の端まで歩いて行ってから飛び去ってしまいました。

ハチが産卵していたのはこんな物体ですが、大きさこそ最初のものとほぼ同じですが色も形もずいぶん違っていて、こちらの方は虫こぶのようには見えません。何かの繭か、あるいは卵鞘でしょうか。今のところ見当がつきません。

(2022.12.09・明石公園)

2022年12月11日日曜日

クロヤマアリに捕えられたニッポンオナガコバチ♂

 エノキの幹を上り下りするクロヤマアリ Formica japonica が何かを咥えているので見に行くと、獲物はニッポンオナガコバチ Macrodasyceras japonicum の♂でした。例年11月の中頃から園内の赤い実をつけたクロガネモチに集まって(こちらのように)♀を羽化を待ち受ける姿が見られるのですが、今年は少なかったようです。この♂は♀にめぐり合えたんでしょうか。



(2022.12.09・明石公園)

2022年12月10日土曜日

トビコバチ科の一種(深度合成)

 これもひと月ほど前に撮ったもので、アカメガシワの葉の裏にいたトビコバチ科 Encyrtidae の一種です。色といい形といい、このあたりで一番よく見かけるタイプですが、おそらくよく似た種がたくさんいるんでしょう。細部を見たいと思って持ち帰り、スタック撮影しました。



以下深度合成です。


生時より腹部が少し縮んでいます。


コバチ類は翅が薄いせいか、散光で照明すると強烈な干渉色を発することが多いようです。




(2022.11.08・明石公園)