2023年1月11日水曜日

キノコバエ科の一種(Mycetophila SP.)

 ツバキの幹にとまっていたキノコバエの一種です。この仲間は以前のココログにいろいろ出しているのでその中から探してみると、こちらの深度合成画像が出てきました。翅脈や翅の斑紋、脚や胸部・腹部の色もよく一致するので、おそらく同種でしょう。当時MNDの翅脈図を参照して Mycetophila か Epicypta 属あたりと見当をつけていましたが、今回あらためて海外サイトの標本画像などと比較してみると、当時のezo-aphidさんのお見立て通り Mycetophila の方が正解のようです。

体長約3.7mm。体のわりに立派な脚、特に巨大な基節が目立ちます。


翅の中央やや前よりと後端近くに黒紋が見えますが、海外サイトの画像を見ると Mycetophila 属の多くに同様の斑紋があるようです。



(2023.01.05・明石公園)


2023年1月10日火曜日

ドウシグモ(深度合成)

 先日出したナミガタチビタマムシをムクノキの樹皮下から持参のフィルムケースに落としこんだ際、チビタマと一緒に樹皮のかけらが一つ入ってしまったと思ったのですが、冷凍庫から出して見るとこのドウシグモ Asceua japonica でした。この公園ではときどき見つかる種で、こちらのように樹幹に棲みアリを捕食する徘徊性のクモです。樹皮下で越冬していたものでしょう、♀個体で、歩脚が1本失われています。過去に何度か掲載していますが、全国的に確認例が少ないようで、いくつかの府県ではレッドリストに掲載されています。






(2022.12.04・明石公園にて採集)


2023年1月9日月曜日

羽化直後のモッコクトガリキジラミ

 モッコクの葉の裏に小さな赤い虫がとまっていると思ったら、久しぶりに見るモッコクトガリキジラミ Trioza ternstroemiae の♀でした。本来はもっと黒っぽい体色なのですが、11年前の今頃に初めて見た時と同様、羽化したばかりなのでしょう。ちょうど昨日そらさんのところにも登場したばかりですが、そちらの個体もまだ本来の体色は出ていないようなので、この寒い季節に季節に羽化するのは珍しいことではないようです。6年前の4月には同じ公園内の別のモッコクに成虫や終齢幼虫が多数集まっていましたが、その木でもそれ以来見ていません。今回も周囲を探しましたがこの1匹以外見つかりませんでした。近年沖縄から本土に侵入して分布を拡げているそうですが、少なくともこのあたりではあまり繁栄しているとは言えないようです。







(2023.01.08・明石公園)

2023年1月8日日曜日

ナミガタチビタマムシ(深度合成)

 冬場にムクノキの樹皮下で普通に見つかるナミガタチビタマムシ Trachys griseofasciata ですが、今回は採集してかえりスタック撮影しました。同属のヤノナミガタチビタマムシT. yanoi と酷似していて区別は難しいそうですが、そちらはほぼケヤキ専門ということなので、ムクノキについているのはヤノナミガタと考えて良さそうです。普通種ですが、調べてみると前回ブログに出したのはちょうど10年前の冬でした。やはり深度合成画像も出していますが、比べてみると使用したレンズの違いもあり、今回の方がかなりましな仕上がりになっていると思います。それにしても、小さな虫の体の精巧な作りには全く驚かされます。












(2022.12.04・明石公園にて採集)

2023年1月7日土曜日

カキアシブサホソガ

 ヤツデの葉の裏にとまっていたカキアシブサホソガ Cuphodes diospyrosellus です。この種独特の、前脚と中脚揃えてを前に出すとまり方(こちら)をしていないので、最初別種かと思いました。翅端まで約4.3mmです。繭を造る際の面白い習性はこちらに出しています。






(2023.01.05・明石公園)

2023年1月6日金曜日

正月のジョロウグモ

 寒風に耐えているジョロウグモが2匹。このあたりでは真冬にこのクモの♀が見られることは珍しくはありませんが、どちらの個体もお腹が大きく膨らんでいて、産卵を終えたようには見えません。まだこれから産卵するということもあるんでしょうか。それとも2匹とも、適当な♂に出会えなかったのか。よく分かりません。



(2023.01.05・明石公園)

2023年1月3日火曜日

アブラムシを捕食するヒメイエバエ科 Fannia sp.

 以前のブログでチャタテムシの幼虫を襲うハエを掲載したことがありますが、この日ほぼ11年ぶりに同様の行動を見ることが出来ました。今回はシャリンバイの葉裏で、獲物はナシミドリオオアブラムシの無翅成虫です。ハエの方は前回と同じヒメイエバエ科 Fannia 属の一種のようで、写真で見た限りでは違いが見つけられず、同種かも知れません。口器で獲物を押し潰し、その体液を舐めている様子も前回と同じです。ひとしきり舐めていた後、ねばつく獲物の残骸を前脚を使って口器から引き離しましたが、その後長い間前脚をすり合わせたり口器で舐めたりして手入れをしているようでした。





獲物の吸い殻を捨てるのに苦労していました。




(2022.12.29・明石公園)