2023年3月18日土曜日

ウスベニスジナミシャク

 アラカシの幹の、日陰側にとまっていたウスベニスジナミシャク Esakiopteryx volitans です。越冬明けにしては翅が傷んでいないと思っていたら、早春から4月頃にかけて出現する種なんだそうです。

前翅長約13mmです。




(2023.03.15・明石公園)

2023年3月16日木曜日

蛹化するナナホシテントウの幼虫たち

 4月並みの陽気のもと、南に面した石垣にナナホシテントウ Coccinella septempunctata の幼虫がたくさん集まっていました。すべて終齢のようで、足元の草むらから蛹になるための足場を求めて登ってきたのでしょう。腹端を石の表面に固定し、頭を下にしてぶら下がっているものもいれば、まだうろうろと歩き回っているもの、またすでに変態を終えた蛹もちらほら見えます。下向きにぶら下がったものはときどき体を持ち上げるような動作を繰り返し、今にも最後の脱皮が始まるかと思わせるのですが、たくさんいるわりにはその場面を見ることはできませんでした。







(2023.03.15・明石公園)

2023年3月10日金曜日

モンツキダニ属の一種 Trhypochthonius sp.

 アキニレの若木の、ウロコ状にめくれ上がった樹皮を1枚剥がしてみると、裏側に黄色いダニが密集していました。胴体後方の両側に大きな黒っぽい油腺が透けて見える、モンツキダニ科の一種で、4年前に出したものと同種でしょう。こちらのAclerisさんの記事でモンツキダニ科4属の特徴がまとめられていて、そのうち胴感杯と胴感毛があって背毛が棒状(先が広がらない)なのはモンツキダニ属 Trhypochthonius なのだそうです。それらの特徴が写真から確認できるので、同属と判断しました。

みんな内側に頭を向けて押し合いへし合いしていました。体長は0.6から0.7mmくらいです。

ちょうど裏返しになっていた個体です。生殖門板(中央付近)と肛門板(後部)が見えます。



円い体が光を通すので、上から照明すると下の部分が明るく光ります。

上の写真の一部拡大です。後体部表面の細かな亀甲模様と、単純な棒状の背毛が見えます。

(2023.02.25・神戸市西区伊川)

2023年3月6日月曜日

ムネボソアリの巣

 川の土手に立つムクノキの、地面近くの樹皮をめくってみるとアリの巣が出てきました。突然巣を暴かれて黒っぽいアリが右往左往しています。撮影時はトビイロシワアリと思っていましたが、帰宅して写真をよく見ると違っていました。各部の特徴を調べてみると、ムネボソアリ Temnothorax congruus のようです。樹上性で、枯れ枝などに営巣するそうです。

手前にピンボケで女王が写っているのですが、動き回る働きアリ気をとられて撮影時には気がつきませんでした。






最後にようやく気付いて撮った女王アリです。

(2023.02.25・神戸市西区伊川)

2023年3月3日金曜日

オオバコトビハムシ

 体長1.8mmばかりの微小はハムシです。ケヤキの樹皮下でたくさんのクロハナカメムシや名前の分からない小型のハナカメムシなどと一緒に隠れていました。以前にもやはりケヤキの樹皮下でみつけたことがあって、おそらくオオバコトビハムシ Longitarsus scutellaris だと思っています。ただし同定にはあまり自信がないので、一度食草のオオバコの上にいるところを見たいものです。






(2023.02.25・神戸市西区伊川)

2023年3月1日水曜日

コナチャタテ科 Embidopsocus sp.

 これまでに何度も掲載しているコナチャタテ科 Embidopsocus 属の一種です。いつもの公園の一角にある数本のアキニレの樹皮を捲ると必ず見られたものですが、3年前の記事以来その存在を忘れていました。
久しぶりに探してみると、体長1.6mm前後の成虫からその半分くらいの幼虫までたくさんいました。ただサイズから成虫と見られる個体も多くがまだ白っぽく、本来の体色の出ているものは数えるほどです。樹皮下という環境のせいもあるのかも知れません。
この Embidopsocus はコナチャタテ科の中でも、より原始的な特徴を残し他グループだそうです(こちらの記事への psocodea さんのコメント)。






(2023.02.22・明石公園)

2023年2月26日日曜日

ヨツモンヒメテントウ

 ヨツモンヒメテントウ Nephus yotsumon は、ほんの10年も前には冬場の樹皮下で珍しくない虫の一つだと思っていましたが、ここ数年は全く目にしていませんでした。この日、川沿いのケヤキの樹皮を捲って見つけたのが久しぶりの1匹です。
ところでこのテントウムシ、未だに活動中の姿を見たことがありません。ネット上の画像もほとんどが越冬中のもので、他の季節はどこでどうしているのか、幼虫はどんな姿をしているのか、知らないことばかりです。





(2023.02.25・神戸市西区伊川)