2023年5月27日土曜日

初見のきれいなチョバウエ

 アラカシの幹にとまっていたチョウバエです。初めて見る種ですが、先日出したもの(?Lepiseodina)に似ていて、近縁な種かも知れません。

それにしても白黒の翅に青く輝く縁毛、頭部を囲む黄色い毛と、チョウバエの仲間にこんなに色鮮やかな種が存在するとは知りませんでした。頭から翅の先まで約4mmです。


縁毛の青色は構造色のようで、光の当たり具合によって変化します。


チョウバエの仲間は、なかなか顔を見せてくれません。

(2023.05.11・明石公園)

2023年5月26日金曜日

アラカシの葉に集まる Trichromothrips elegans

 今年も例年通り、この美しいアザミウマ Trichromothrips elegans が姿を見せました。アオキでの発生が確認されているそうですが、この公園では毎年5月の中頃、様々な広葉樹の葉で成虫が発見されます。まだ幼虫を見たことがないのですが、気がついた時には成虫がそこいらじゅうの木の葉についているといった具合で、確かにアオキでも見られますが、発生源はそれだけではないような気がしています。中でも特にアラカシに多く、この日も多い木では1枚の葉に10匹以上集まっているのが見られました。

他の多くの微小な虫と同じく普通は葉の裏にいるのものですが、なぜか表にも多数出てきていました。

葉の表面に溜まった水滴にも集まっていました。

アブラムシの落とした甘露か、二日ほど前に降った雨の名残か、よく分かりません。

このアザミウマをはじめて撮影したのが2016年の5月、やはりこの公園でした。それ以来すっかりお馴染みになってしまいましたが、先に書いたように未だに幼虫を見ていません。成虫の数がこれほど多いことを考えると、全く別の場所か、同じ木でも葉ではなく別の部位で幼虫時代を過ごしているのではないかと想像しています。

(2023.05.11・明石公園)


2023年5月25日木曜日

トビモンオオエダシャク中齢幼虫

 アラカシのひこばえの枝をトビモンオオエダシャク Biston robusta の幼虫が歩いていました。

周りの枝が邪魔になってうまく撮れず。

ウロウロしているうちに枝を揺らしてしまい、この格好で固まってしまいました。体長は約40mm。中齢くらいでしょうか。

動かないのを幸い、お顔を撮らせてもらいました。未だに廃れないピースサインみたい。ちょっと指の数が多いですが。

(2023.05.11・明石公園)

2023年5月24日水曜日

細長いミカヅキモ closterium aciculare

 非常に細長く、優美な形のミカヅキモです。これまであまり見た覚えがないのですが、この日のサンプルには多量に含まれていました。Closterium aciculare だと思います。


別個体ですが、蛍光撮影も試みました。B励起、自家蛍光のみで、葉緑体が赤く発光しています。輪郭を出すために弱く暗視野光を入れています。

(2023.04.19・明石公園の池にて採集)

2023年5月23日火曜日

モチノキタネオナガコバチとコマユバチの一種

 以前から注意しているモチノキに、モチノキタネオナガコバチ Macrodasyceras hirsutum の雌雄が多数集まっていました。おそらくこの同じモチノキの実から羽化してきたものでしょう。この木には例年黄金連休の頃にモチノキハマダラミバエが産卵に集まるので特に気を付けているのですが、このように雌雄が集まっているところを見るのは初めてです。またこの木では以前に2度(こちらこちら)産卵を見ていますが、どちらも6月中旬で、♂の姿はありませんでした。
少し離れた場所にある別の木では7月末に多くの雌雄を(こちらこちら)、8月初めに産卵を(こちら)観察しています。このハチは年2化とされているので、それぞれ第一世代と第二世代ということになるのかも知れませんが、この公園ではこれまでのところ同じ木で年に2度の発生は確認していません。

全身ぼぼまっ黒の大型の♂。体長約4.7mmです。

小型の♂。体は小さくても触角の長さは大型の♂と変わりません。♂の体色が小型のものほど淡色になる傾向があるのは同属のニッポンオナガコバチ M. japonicum と同じです。

♀の体色変異はほとんどありません。雌雄ともにやや大型なこと以外ニッポンオナガコバチに酷似していますが、♀は産卵管が長いので簡単に見分けられます。

♀の背中に乗る♂。体長は♀が約4.3mm、♂が約3.8mm。

触角を降ろし頭を近づけるような動作を繰り返していましたが、交尾までは見届けられませんでした。

ついでに、同じモチノキの実に産卵していたコマユバチ(ツヤコマユバチ亜科)の一種です。最近では3年前の4月末にもこの木で産卵を見ていて、モチノキハマダラミバエに寄生しているのではないかと想像していますが、確認できる資料が見つかりません。



(2023.05.09・明石公園)

2023年5月22日月曜日

川面のモロモロ~オビケイソウ・タルケイソウ

 4月末の近所の小川です。

流れの淀んだところの水面に、茶色いモロモロが浮かんでいます。見た目がちょっと汚いですが、少し掬ってきました。

顕微鏡で覗いてみると、モロモロの中身はほとんどが珪藻の糸状群体でした。

暗視野で見ると結構きれいなものです。


少し倍率を上げて微分干渉で。糸状の珪藻は主にオビケイソウ(フラギラリア Fragilaria)とタルケイソウ(メロシラ Melosira)の仲間のようです。

これがオビケイソウ。

こちらがタルケイソウです。

蛍光でも撮影してみました。自家蛍光のみで、すべてB励起です。

珪藻の葉緑体が赤く光っています。

オビケイソウ。10カットほどの深度合成です。

同じく深度合成で、タルケイソウ。葉緑体が面白い形をしています。

このオビケイソウは1枚撮りですが、緑色の細胞は何でしょうか。弱っているのかな。

2023年5月21日日曜日

カタオカハエトリ ♂

 木柵の上を歩いていたきれいなハエトリグモです。派手な色なので一目で初見だと分かりました。カタオカハエトリ Euophrys kataokai の♂です。小さいので幼体かと思いましたが、この大きさ(体長約3mm)で成体のようです。歩きながら太い前脚(第一歩脚)を水泳のバタフライのように動かす格好が面白く、追いかけながら何度もシャッターを切るのですが、なかなかタイミングが合いません。だいぶ粘りましたが結果は御覧の通りで、決定的なカットは撮れずに終わりました。








(2023.05.09・明石公園)