2023年6月3日土曜日

アリグモのオス

 アカメガシワの葉の上にいたアリグモ Myrmarachne japonica ♂です。このあたりではハエトリグモ類の中でも最普通種の一つですが、♀に比べると♂はあまり多くない印象です。巨大な顎(鋏角)は♂同士の争いに使われるそうですが、まだそんな面白い場面は見たことがありません。獲物を捕えるにはかえって邪魔な気がしますが、実際はどうなんでしょうか。


脚が1本欠けていました。




ずいぶん追い回してやっと顔面を撮れたと思えばピンボケでした。

(2023.05.24・明石公園)


2023年6月1日木曜日

キアシキンシギアブ♂

 金色に輝く毛並みのキアシキンシギアブ Chrysopilus ditissimis 。この季節限定の美しいアブです。

左右の複眼が接しているので、♂ですね。
いつもより大きめのサイズにしています。ぜひクリックしてご覧ください。

(2023.05.25・明石公園)


2023年5月31日水曜日

エビヅルのブドウハマチョッキリ

 花壇の周りの柵にエビヅルが絡んでいて、そこにブドウハマチョッキリ Aspidobyctiscus lacunipennis が集まっていました。

製作中かすでに完成しているのか分かりませんが、揺籃の上にいた2匹。

雌雄が仲良く、と思いながら撮ったのですが、写真をよく見ると大きさは違うもののどちらも♀です。

大きい方が揺籃の隙間に頭を突っ込んでいます。

入れ替わって、今度は小さい方が入っていきます。何をしているんでしょうか。

別の葉で。葉を巻いている♀と、♂が2匹の三角関係。

争う2匹の♂。前胸の両側に棘があるので♂だと分かります。

そんな騒ぎをよそに、一人葉を齧っている♂。

モモチョッキリなんかと比べると地味ですが、この渋い輝きも魅力的です。

食餌に夢中で、嫌がらずにお顔も撮らせてくれました。

(2023.05.25・明石公園)

2023年5月30日火曜日

マガリケムシヒキと獲物

獲物を捕えたマガリケムシヒキ Neoitamus angusticornis 2態。

マガリケムシヒキ♂を捕えたマガリケムシヒキ♂。同種だと分かっているのかどうか、ムシヒキアブでは共喰いもときどき見ます。

お尻の先が細長く伸びているのは♀です。獲物はヒロクチバエの一種(ヒゲナガヒロクチバエ?)。

 近所の公園で見られるムシヒキアブの中で、大型のシオヤアブやアオメアブが開けた場所を好むのに対してこのマガリケムシヒキはやや薄暗い、木陰の多いところで見られることが多いようです。

(2023.05.24/27・明石公園)

2023年5月29日月曜日

ツマグロハギカスミカメ

 これは以前、トウネズミモチに産卵している場面を掲載したものと同じ種でしょう。その記事ではツヤマルカスミカメ属の一種(Apolygus sp.)としましたが、体色の特徴からツマグロハギカスミカメ Apolygus subpulchellus の可能性が高そうなので、今回はその種名をタイトルにしました。日本原色カメムシ図鑑Ⅱの説明によれば、同属のウスイロツヤマルカスミカメ(ハギメクラガメ)A. pulchellus と酷似していて正確な同定には♂交尾器の検鏡が必要な場合があるが、通常ウスイロの小楯板は明るい白色で、後腿節と腹部がほとんど赤みを帯びないことで区別できる、とあります。

今回はアラカシの葉の上にいました。小楯板は大部分が淡褐色です。

少し歩き回った後、身づくろいをはじめました。頭から翅端まで4.3mmくらいです。

後脚で頭を掻く動作は犬と同じですね。
前回の記事の個体に比べると後腿節と腹部の赤色部が狭いようですが、同種の個体変異だと思います。

(2023.05.10・明石公園)

2023年5月28日日曜日

アラカシの幹のケクダアブラムシの一種(Greenidea nigra)

 4月の末のことですが、毎年ダルマカメムシが見られるので注意しているアラカシの幹を、ケクダアブラムシの一種が歩いているのを見つけました。探せば、同じ木の幹の周りのあちこちで幼虫が、また1匹だけですが有翅成虫も。約2週間後に立ち寄ったときにもやはり幼虫・有翅成虫がいましたが、同じ木の枝や葉、周囲のひこばえからは見つかりませんでした。
ケクダアブラムシの仲間は以前のブログで5種掲載していて、他と区別しやすいカシケクダアブラムシ以外の4種については、有難いことに研究者の杉本さんからそれぞれの種名や特徴を教えていただきました。その中でアラカシをホストにしているのは Greenidea nigra という種のみで、画像を比較してもこの種に間違いなさそうです。ただ、前回の記事は11月にアラカシの枝に集まっていたもので、多数の幼虫に混じってお腹の大きな無翅成虫がたくさんいました。上記4種のうち他の3種は「アブラムシ入門図鑑」に掲載されていますが、いずれも周年同じ植物で暮らし、卵越冬、とあります。この Greenidea nigra も同様であれば、今回アラカシの幹で見たものは越冬卵から孵化した最初の世代で、これから新梢に移動していくところなのかも知れません。

有翅幼虫。体長約3.5mm。

こちらの幼虫は体長約2.5mm。

この日1匹だけ見た有翅成虫。歩き回っていたのでちょっとピンボケです。体長約3.5mm。

約2週間後には有翅成虫がだいぶ増えていました。

羽化したばかりのもいました。

約8分後。

2mmほどの若齢幼虫もいました。

(2023.04.28/05.09・明石公園)

2023年5月27日土曜日

初見のきれいなチョバウエ

 アラカシの幹にとまっていたチョウバエです。初めて見る種ですが、先日出したもの(?Lepiseodina)に似ていて、近縁な種かも知れません。

それにしても白黒の翅に青く輝く縁毛、頭部を囲む黄色い毛と、チョウバエの仲間にこんなに色鮮やかな種が存在するとは知りませんでした。頭から翅の先まで約4mmです。


縁毛の青色は構造色のようで、光の当たり具合によって変化します。


チョウバエの仲間は、なかなか顔を見せてくれません。

(2023.05.11・明石公園)