2023年6月9日金曜日

今年も出てきたイスノキのカタビロコバチ

 毎年この季節に、同じイスノキで観察しているカタビロコバチの一種ですが、今年も忘れずに出てきました。このイスノキの実はほとんどがイスノキハリオタマバエに寄生されて、正常な大きさまで成長せずにイスノキミコガタフシと呼ばれるゴールとなっています。このカタビロコバチはそんな矮小な実から羽化してくるのです。おそらくこのタマバエに寄生しているか、あるいは単に同居しているのかのどちらかだろうと思っていますが、確実なことは分かりません。また一度だけですが、同じ木でナガコバチ科の Neanastaus albitarsis の産卵を見たこともあります。この種はタマバエ類に寄生することが知られているそうで、ホストはイスノキハリオタマバエと考えてよいでしょう。またこの木の実にはかつてイスノキモンオナガコバチも数多く寄生していましたが、もう10年以上姿を見ません。タマバエの寄生率が非常に高く、オナガコバチが利用できる実がほとんど残されないためではないかと推測しています。

この♂は触角が1本しかありませんが、実から出てくる♀を待ち受けていました。

♀の顔が見えています。



♀の体が出てくると♂はその背中に回りこみます。


腹端を♀の腹部に伸ばしていましたが、交尾が成立したのかどうかよく分かりません。

やがて近くの葉に移りました。

♂は♀の背中に乗ってしきりに顔を覗き込むような動作を繰り返していましたが、交尾は見られず、やがて♀を抱えたまま飛び去りました。

(2023.05.27・明石公園)

2023年6月8日木曜日

アオオビハエトリ・オス

 アラカシの幹を徘徊していたアオオビハエトリ Siler vittatus の♂です。このクモも、♀に比べて♂を見かけることは少ないように思います。体長約6mm。




なかなか正面から撮れません。

(2023.05.27・明石公園)

2023年6月7日水曜日

葉裏のカメムシ卵2種(クサギカメムシと“?”)

 木の葉の裏で見つけた2種のカメムシ卵です。

一つ目はクサギカメムシ Halyomorpha halys の卵。シャリンバイの葉裏で、全部で28個あります。

卵の直径は約1.4mm。特徴的な破砕器(黒い三角形)と、孵化が近いのか幼虫の赤い眼も見えます。中央の1個だけそのどちらも見えませが、サイズも少し小さいので、未熟卵なのかも知れません。

並んだヒヨコに見えませんか?

黒い破砕器は嘴のようにも、またお面のようにも見えます。その役割については、こちらのBABAさんのブログで詳しく議論されています。

二つ目はイヌビワの葉裏の50個の卵塊ですが、親がだれなのか見当がつきません。これも以前BABAさんのブログで同種と思われる孵化後の卵殻が掲載されましたが、種名は不詳のままでした。

先のクサギカメムシ卵より一回り小さく、直径約0.9mmです。

「蓋」の部分を取り巻く長い突起が特徴的ですが、さて何者でしょうか。

(2023.05.27・明石公園)

2023年6月6日火曜日

アオマダラタマムシ

 突然ぶーんという羽音とともに首筋に虫がとまったので思わず叩き落とすと、アオマダラタマムシ Nipponobuprestis amabilis でした。この場所では珍しくない種ですが、より大型のヤマトタマムシに劣らず美しいタマムシです。叩かれて脳震盪でも起こしたのか、アスファルトの上でじっとしていたので近くの切り株の上に置いて撮らせてもらいました。





一通り撮り終えたところで、何事もなかったかのように翅を拡げてどこかへ飛んで行きました。

(2023.05.25・明石公園)

2023年6月5日月曜日

ハナダカカメムシ

 オヤブジラミの実にハナダカカメムシ Dybowskyia reticulata が集まっていました。

ちょうど交尾中のペアもいたのですが。


茎をつまんで撮ろうとするとお別れしてしまいました。


体長5mmほどの地味なカメムシです。

(2023.05.24・明石公園)


2023年6月4日日曜日

トゲトビムシ科の2種

 土留めの丸太の上にいた、比較的大型のトビムシ2種。どちらもトゲトビムシ科 Tomoceridae だと思います。

手前はピンクがかった鱗におおわれていて、体長約5mm。触角も体長と同じくらいの長さがあります。

丸太の表面に付着した藻類を食べているようです。

奥の方は体長約4mm。触角は左右とも先が切れています。

やはり食事中。

銀と黒の鱗が輝きます。

(2023.05.24・明石公園)

2023年6月3日土曜日

アリグモのオス

 アカメガシワの葉の上にいたアリグモ Myrmarachne japonica ♂です。このあたりではハエトリグモ類の中でも最普通種の一つですが、♀に比べると♂はあまり多くない印象です。巨大な顎(鋏角)は♂同士の争いに使われるそうですが、まだそんな面白い場面は見たことがありません。獲物を捕えるにはかえって邪魔な気がしますが、実際はどうなんでしょうか。


脚が1本欠けていました。




ずいぶん追い回してやっと顔面を撮れたと思えばピンボケでした。

(2023.05.24・明石公園)