若いガマの穂(詳しい方に訊くとヒメガマだそうです)に小さな甲虫が集まっていました。苞の隙間にも入りこんで、交尾中のペアも多く、また♀は花穂に産卵しているように見えます。
キスイムシ科と見当をつけてネット検索すると一発でそれらしいのが出てきました。ガマにつくガマキスイ Telmatophilus orientalis Sasaji,1987. です。ところが確認のために開いた保育社の甲虫図鑑にはその名がありません。1985年の発行時にはまだ記載されていなかったのです。しかしキスイムシ科の属の検索表にはTelmatophilus 属への言及があり、函館から記録されているT.typhae という種が紹介されていました。
図鑑の検索表には Telmatophilus 属(Telmatophilinae 亜科)は「跗節第2、第3節は下前方に葉片状に伸長する」とあります。ちょっとわかりにくい説明ですが、多数のボツ写真の中に跗節の様子が分かるカットがあって、それを見て納得しました(最後の写真)。九大の目録には同属からT. orientalis とT. typhae の2種しか載っていないので、これで同定はほぼ間違いないと思います。こういうこともあるので、毎度大量に生産されるピンボケ写真もすぐに捨ててしまうわけにはいきません。
2023年6月25日日曜日
ヒメガマのガマキスイ
2023年6月24日土曜日
アオガネヒメサルハムシの雌雄
ノイバラの花の中で、小さなハムシが花粉を食べていました。アオガネヒメサルハムシ Nodina chalcosoma だと思います。保育社の甲虫図鑑には食草はノブドウ・テリハノイバラ・ノボタンなど、とあるので、普通のノイバラにいてもおかしくはないでしょう。体長は2~2.5mmくらいです。
2023年6月23日金曜日
クロハナボタル
コナラの葉の裏で交尾していた黒いベニボタル。こういう甲虫は葉にふれた途端ポロリと落ちたり飛んで行ってしまったりということがほとんどですが、交尾に夢中だったのか、葉をそっと引き下ろして撮影する間なんとか逃げずにいてくれました。クロハナボタル Plateros coracinus だと思います。
Plateros 属には同じように黒くてよく似た種が何種かあって、保育社の甲虫図鑑の検索表を辿ると本種かウスグロハナボタル P. nozirianus のどちらかになるのですが、両者の区別点は交尾器の形状しか記されていません。しかしウスグロの方は分布域も狭く普通種でもないようなので、ここではクロハナボタルとしておきます。
2023年6月22日木曜日
コハモグリガ属の一種(Phyllocnistis sp.)
2023年6月21日水曜日
ホシガタモの一種
これは単細胞の緑藻類で、ホシガタモの一種です。ホシガタモ属(Staurastrum スタウラストルム)には様々な形の多数の種が含まれていていますが、どれも細胞中央の括れをはさんで両側が同じ形をしていて、それぞれを半細胞と呼ぶそうです。写真は各半細胞から3本の突起が放射状に伸びている種ですが、そのままでは全体にピントが合わないので、カバーガラスで押さえてやや潰れた状態で撮影しました。
2023年6月20日火曜日
コガネコバチ科の一種(深度合成)
2か月ほども前にスタック撮影したデータがそのままになっていたのを、ようやく合成処理しました。撮影にも手間と時間がかかりますが合成・レタッチ作業も同様で、つい後回しになってしまいます。コガネコバチ科(Pteromalidae)の一種ですが、属は分かりません。