2023年7月1日土曜日

マツヘリカメムシの成虫と幼虫

 外来種のマツヘリカメムシ Leptoglossus occidentalis を見たのは5年前の秋、家人が自宅前で拾ってきた成虫がはじめてでした。その頃から近所の公園でもよく見られるようになったと話には聞いていましたが、どうも縁が無いようで、その後は昨年幼虫を1匹見ただけです。この日も見つけたのは同行の虫仲間でしたが、私にはやっと2匹目の成虫だったのでありがたく撮らせていただきました。

手前の葉が邪魔になるので片手で押しのけて撮っています。球果を吸っていたらしく、体を揺するような動きをしていました。

ちょっとミスをして驚かせたので飛んで行きましたが、探すとすぐ近くの枝で念入りに触角の手入れをしていました。やっぱり松脂がつくのかな。

幼虫もいました。


(2023.06.24・明石公園)


2023年6月30日金曜日

花蜜を吸うクチナガハリバエ

 クチナガハリバエ Prosena siberita がマサキの花の蜜を吸っていました。このハエが花蜜を吸うところは以前にも一度撮影したことがありますが、大抵はこんなふうに木の幹でじっとしている印象があって、花に来ているのはあまり見かけません。それにしても、普通に花蜜を吸うだけならこんなに長い口吻は必要ないように思えますが、何か他に大事な使い道があるんでしょうか。




(2023.06.24・明石公園)


2023年6月29日木曜日

カナムグラヒメゾウムシ

 アカメガシワの葉の上にいた小さなゾウムシです。はじめ花外蜜腺を吸っているように見えたのですが、レンズを近づけると裏に回りこんでしまいました。体長約2.8mmです。
保育社の甲虫図鑑で調べるとヒメゾウムシ亜科のどこかに入りそうなのですが、特徴が
一致する種が見つかりません。そこで多少とも似ている種名でネットを検索していると、いくつかのサイトでカナムグラヒメゾウムシ Psilarthroides czerskyi という、有力候補になりそうな種が紹介されていました。こちらこちらの標本写真を見ても違いが見つかりません。食草のカナムグラはこの場所でも少なくないし、大きさや分布情報から見てもこの種で間違いないでしょう。上記甲虫図鑑では Psilarthroides 属が亜科の検索表にだけ登場しますが、それに含まれる種は収録されていませんでした。





(2023.06.24・明石公園)

2023年6月28日水曜日

イヌビワハマキモドキ

 アカメガシワの葉にとまっていたイヌビワハマキモドキ Choreutis japonica です。近づくとすぐに逃げることが多くアップでは撮りにくい蛾ですが、この時はしばらくじっとしていてくれました。きれいな模様ですが、11年前の写真と比べると微妙に違います。




(2023.06.24・明石公園)

2023年6月27日火曜日

フタイロチビジョウカイ

 これは以前のブログで種不明のジョウカイボン科の一種として出したものと同じ種だと思います。その記事には当時、Minoru-Tさんからフタイロチビジョウカイではないかとのコメントをいただいたのですが、同種については手元の甲虫図鑑にもごく小さな写真と簡単な説明しかなく、ネット上にも種を特定できそうな情報が見つからなかったので、タイトルはそのままにしていました。しかし今回改めて探してみると、こちらこちらの資料が見つかり、どちらにも同種の標本画像が載せられています。それらと見比べた結果、前回の記事の個体も今回の個体も、4年前にMinoru-Tさんからいただいたコメントのとおりフタイロチビジョウカイ Malthinellus bicolor で間違いないと判断しました。

カクレミノの葉裏にいました。体長約3.3mmです。



(2023.06.20・舞子墓園)


2023年6月26日月曜日

イチモンジハムシ

 イヌビワの実を齧っていたイチモンジハムシ Morphosphaera japonica です。小さな木ですが、葉や実を食べているのがざっと十数匹数えられました。



(2023.06.17・明石公園)

2023年6月25日日曜日

ヒメガマのガマキスイ

 若いガマの穂(詳しい方に訊くとヒメガマだそうです)に小さな甲虫が集まっていました。苞の隙間にも入りこんで、交尾中のペアも多く、また♀は花穂に産卵しているように見えます。
キスイムシ科と見当をつけてネット検索すると一発でそれらしいのが出てきました。ガマにつくガマキスイ Telmatophilus orientalis Sasaji,1987. です。ところが確認のために開いた保育社の甲虫図鑑にはその名がありません。1985年の発行時にはまだ記載されていなかったのです。しかしキスイムシ科の属の検索表にはTelmatophilus 属への言及があり、函館から記録されているT.typhae という種が紹介されていました。
図鑑の検索表には Telmatophilus 属(Telmatophilinae 亜科)は「跗節第2、第3節は下前方に葉片状に伸長する」とあります。ちょっとわかりにくい説明ですが、多数のボツ写真の中に跗節の様子が分かるカットがあって、それを見て納得しました(最後の写真)。九大の目録には同属からT. orientalis とT. typhae の2種しか載っていないので、これで同定はほぼ間違いないと思います。こういうこともあるので、毎度大量に生産されるピンボケ写真もすぐに捨ててしまうわけにはいきません。




♀は腹端を花穂に差し込んでいるように見えます。

体長は2~2.4mmくらいです。

♂の後脚。矢印の部分が「葉片状に伸長」した跗節第2、第3節です。

(2023.06.10・明石公園)