2023年7月27日木曜日

久しぶりに見たシリアゲコバチの産卵

 久しぶりにシリアゲコバチ Leucospis sinensis の産卵を撮影しました。
立ち枯れたモチノキに1匹の♀が来て、いかにも産卵場所を探す風情で、腹部を上下させながら幹を行ったり来たりしていました。そのうち産卵行動に移るだろうとしばらく見守っていたのですが、一向に産卵管を伸ばす様子が見られません。その日はあきらめ、翌日出直してようやく産卵を見ることが出来ました。

ちょうど産卵管を突き立てたところです。

ここまで穿孔するのに約8分。ところがこの直後、やはり産卵場所を探して上の方から降りてきたヨツスジトラカミキリに驚き、産卵管を引き抜いて飛び去ってしまいました。

しかし1分もしないうちに同じ場所に戻って来て、触角で探っています。

間もなく、再び産卵管を引き出しました。

以前のブログにも連続写真を出していますが、背中に背負っていた産卵管をぐるりと4分の3回転させて幹に突き立てるところは見ものです。


姿勢は逆向きですが、さきほど穿孔を中断した場所を正確に探り当てたようです。

ほんの数秒でここまで挿入しました。

2度めの穿孔をはじめて約6分。

ここまで約10分。

約17分後。これで目いっぱいでしょうか、腹部が穿孔をはじめる時とは逆方向に折れ曲がっています。

そのすぐ後、産卵管を引き抜きました。今度は無事、目当ての寄主に産卵することが出来たんでしょうか。

(2023.07.21・明石公園)

2023年7月26日水曜日

シベリアカタアリ・女王とワーカーたち

 細い丸太を組んだ柵の上で、シベリアカタアリ Dolichoderus sibiricus が一カ所に集まっているので近寄ってみると、女王らしき大きな個体を何匹ものワーカーがよってたかって押さえつけているところでした。ワーカーたちは女王の脚や頭に噛みついて、ほとんど攻撃しているようにも見えます。
同じような情景は以前にも見たことがあって、巣の引っ越しか何かの事情で女王を移動させようとしているのかとも想像しましたが、実のところ全く意味が理解できません。


よく見ると、同僚の触角を引っ張っているワーカーもいます。

見ている間に女王を取り巻く一団は少し右へ移動しましたが、なぜか一部のワーカーは元の場所にとどまっています。



この状態がしばらく続くのだろうと予想していましたが、少し目を離した間に、まとわりついたワーカーごと女王の姿は消えていました。

(2023.07.21・明石公園)

2023年7月25日火曜日

公園で拾ったタマムシの翅

 いつもの公園でヤマトタマムシの翅を拾いました。珍しいことではありませんが、個体数のわりには落ちた翅がよく見つかるのはやはり目立つからでしょうね。


左の前翅で全長約31mm。あまり傷んでないように見えたので持ち帰ってスタック撮影しましたが、拡大してみると結構ゴミや汚れ、傷がついていました。まあ、土の上に落ちていたものなので仕方がありません。

まず表側から。以下、順に撮影倍率を上げています。




裏面も意外にきらびやかです。




(2023.07.21)

2023年7月24日月曜日

葉裏のオダカグモ

 今頃の季節、木の葉を見上げて歩くとよく見つかるオダカグモ Meotipa argyrodiformis です。ユキツバキの葉裏にぶら下がっていました。小さなクモなので高倍率で撮るためには葉を裏返してしまうことが多いのですが、そうすると警戒してこちらのように体を横倒しにしてしまいます。今回は驚かさないように、アップはあきらめて自然な状態を狙いました。



(2023.07.21・明石公園)


2023年7月23日日曜日

ウスバカミキリ

 ちょうど1年前の写真ですが、虫仲間が見つけたのを横から撮らせてもらったウスバカミキリ Megopis sinica です。アラカシの幹にいました。実はつい先日、自前で見つけたものを撮影したのですが、写りが今一つだったので去年のデータを引っぱり出してきました。当ブログでは珍しい大物です。

体長約40mm。この種としては中くらいでしょうか。いつも小さなものばかり撮っていると、この大きさに戸惑います。

とりあえず顔面は撮っておきました。同じ大型のカミキリムシでもシロスジさんなんかとはだいぶ顔つきが違います。

(2022.07.18・明石公園)

2023年7月22日土曜日

マダラニセケチャタテ♂?

 これはマダラニセケチャタテ Pseudocaecilius maculosus だと思います。サクラの葉の裏で、粗く縦横に糸をかけてその下でじっとしていました。以前のブログでも2度(2011.10.13,2012.01.05)出していますが、今回は複眼が大きいので♂でしょう。体長約2.1mm、翅端まで3mmです。


よく見ると右前翅の翅脈がちょっと変です。

反対の左前翅にも、別の部分に異常があります。
このような翅脈異常は以前にもヨツモンホソチャタテで見たことがあって、チャタテムシ類では珍しくないことなのかも知れません。


(2023.07.21・明石公園)


2023年7月21日金曜日

キノコヒゲナガゾウムシ・黒色型

 立ち枯れたウバメガシに生えたキノコに、2匹のキノコヒゲナガゾウムシ Euparius oculatus がきていました。どちらも全身真っ黒ですが、このゾウムシには体色に2型があり、こちらのように褐色の毛が生えたタイプもいます。どちらかと言えばこのような黒色型は少数派でしょう。1匹がキノコを食べていて、その後ろにやや小型の個体が控えていました。大きいのが♀で後ろの小さい方が♂だろうかと想像してしまいましたが、見当はずれかも知れません。

撮影を始めると小さい方はすぐに逃げてしましました。


臆病な虫で、この個体もこの後すぐに逃げていきました。

(2023.07.21・明石公園)