2024年4月11日木曜日

トラフシジミ

 虫仲間数人といつもの公園を散策していて見つけたトラフシジミ Rapala arata です。見覚えはあるのですが名前は思い出せず、虫仲間に教えてもらいました。長年こんなブログをやっていてもチョウやトンボには普段からどうもあまり関心がわかず、目の前にいれば一応は撮るという程度で、どこにでもいるような普通種でも図鑑を見なければ名前も分からないというのもいつものことです。この場所で見ることは少ないということなので、皆さんと同じように撮らせてもらいました。一応過去の記事を調べてみると、14年前のちょうどこの時期に、当時の仕事場の近くで撮ったものを出していました。


(2024.04.10・明石公園)


2024年4月6日土曜日

ヤナギハムシ

 虫撮り仲間が、河川敷のヤナギにヤナギハムシ Chrysomela vigintipunctata が来ているというので現場に案内してもらいました。手元の図鑑などでは普通種とされてますが、このあたりの平地ではこれまで見たことのない種です。ハムシが来ているヤナギはまだ幹の細い若い木とすぐ近くのさらに小さな幼木で、新葉が開き始めた枝のところどころに、多くは雌雄のペアでとまっていました。多くの同類のように枝に触れただけでポロリと落ちるということがないのはいいのですが、枝は細くて揺れるし足場も悪いしで、あまり満足なカットは撮れませんでした。



以上3組のペアですが、上翅の黒紋にそれぞれ微妙な違いがあります。

(2024.04.02・神戸市西区伊川)

2024年4月5日金曜日

サワグルミミツアブラムシ

 河川敷に生えたサワグルミの新葉に、きれいな緑色のアブラムシが群がっていました。
この木でアブラムシを撮影したのは多分はじめてだと思いますが、外見はアベマキなどでよく見かけるクヌギミツアブラムシ Kurisakia querciphila によく似ています。調べてみればやはり、同属のサワグルミミツアブラムシ K. onigurumiでした。種小名が onigurumi となっているようにサワグルミをはじめオニグルミ、ノグルミなどのクルミ類につく種だそうです。


日光に照らされた葉を下から見上げると、緑色の体が透けて高い隠蔽効果があるようです。

少数ですが有翅虫も見られました。


中央の大きな無翅成虫の体長が約2.6mm。その右は有翅幼虫です。

無翅成虫と有翅幼虫。体長はどちらも約2.4mm。

出産中の無翅成虫、体長約2.3mm。

有翅虫。翅端まで約3.7mm。

この有翅虫は脱皮直後でまだ体色が出ていません。

若齢幼虫たち。体長約0.7から1mm。

(2024.04.05・神戸市西区伊川)

2024年3月29日金曜日

カシトガリキジラミ幼虫に寄生していたトビコバチ

 カシトガリキジラミについてはつい先日も羽化の様子を掲載したばかりですが、羽化を控えた幼虫を探していると時々、何者かに寄生されてマミー化し、茶色く変色したものが見つかります。

アラカシの葉の裏ですが、上の茶色いのが寄生されたもの、下は正常な幼虫です。

同じ枝でいくつもマミー化されているのは、多分同じ1匹の寄生者によるものでしょう。

裏返してみましたが、状況がよくわかりません。

近くにあったマミーを3個ほど持ち帰って寄生者の羽化を待っていると、約2週間後にそれぞれから1匹づつ、小さなハチが出てきました。


出てきたのはトビコバチ科の一種でした。触角から見るとこの個体は♀でしょう。実は以前に2度ばかり、それぞれ別種のヒメコバチがカシトガリキジラミ幼虫に産卵する現場を見ていたので(こちらこちら)、今回も出てくるのはヒメコバチ科だろうと予想していたのですが、外れました。あるいは2次寄生かもしれません。

同じ個体。横にとび出しているのは長大な中脚です。

胸部背面の拡大です。小楯板に小さな穴が二つ、非対称な位置に見えますが、なんでしょうか。

これも同じ♀。

同じく、頭部。

3個のマミーのうち、2個からは♂が出てきました。

これはもう1匹の♂です。跳ね上げた中脚をうまく戻せないのでそのまま撮りました。

同じ個体の顔面です。

以下、3個の抜け殻です。



3匹とも、寄主の後部に穴をあけて出ています。以前に見た、サツマキジラミ幼虫から出てきたヒメコバチは寄主の頭部寄りから出てきていましたが、多分、マミーの中で蛹化する際の頭の向きが種によって決まっているのかも知れません。

(2024.03.14・明石公園/4枚目以降は03.27の撮影)


2024年3月21日木曜日

アカモンナミシャク

 緑の地に赤い斑紋の見えるきれいな蛾で、アカモンナミシャク Trichopterigia costipunctaria だと思います。モチノキの幹の低いところにとまっていました。早春にだけ成虫が現れる種だそうで、ネット上で見られる画像も日付のあるものはほとんどが2月下旬から4月上旬までの撮影です。食樹はシラカシとされています。

前翅長約17mm。斑紋の赤い色が現れない個体もあるようです。





(2024.03.14・明石公園)

2024年3月20日水曜日

ナナホシテントウが羽化していました。

 3月とは思えぬ寒い日でしたが、南向きの石垣でナナホシテントウが羽化していました。昨年の記事とほぼ同じ場所です。

周囲では羽化前の蛹のほかにまだ歩き回っている終齢幼虫もちらほら見えます。

まだ下翅を伸ばしたままですが、上翅の紋がうっすらと見えはじめています。

上とそっくり同じように見えますが、少し離れたとことで羽化していた別個体です。

幼虫の殻を脱ぎ捨てたばかりでまだ色の薄い蛹です。

蛹化場所を探している終齢幼虫。

(2024.03.19・明石公園)


2024年3月18日月曜日

クロヒバリモドキ 成虫と幼虫

 南に面した石垣のたもとを歩いていると、足元の枯草の中からたくさんのコモリグモが逃げ出してきて、石の面を上っていきます。それに混じって、このクロヒバリモドキ Trigonidium cicindeloides の成虫や幼虫の姿もありました。
実は2、3年前までこの虫の名前も、この公園にいることも知らなかったのですが、直翅目大好きの虫仲間から教えられて初めて存在を知ったという次第です。♂が鳴かないコオロギの仲間で、同じく鳴かない、よく似た同属のキアシヒバリモドキ T. japonicumとは前・中脚の脛節が黒くなることで区別できるようです。

これは♂成虫です。翅に発音器がないので産卵管が無いことを除けば一見♀と見分けがつきません。

これが♀。

同じ個体です。

♀幼虫。

♂幼虫。

上と同じ個体。

やや若齢の♂幼虫。


(2024.03.14)