2025年9月7日日曜日

白斑の少ないゴマダラカミキリ

 サルスベリの幹を歩いていたゴマダラカミキリですが、上翅の白い紋が少なくて全体が黒っぽいのが気になりました。最近よく似た外来種が出没しているらしいのでひょっとしたら、と思ったのですが写真を調べるとやはり在来のゴマダラカミキリ Anoplophora malasiaca のようです。普通種ですが、これまでそれほどたくさんの個体を見てきたわけではないので、この程度の変異は珍しくないのかも知れません。また上翅の紋はよく見ると白い毛の塊からできているようなので、これは老齢の個体で単に毛が抜け落ちただけという可能性もありそうです。


(2025.08.28・明石公園)


2025年9月6日土曜日

木柵に産卵するアブラゼミ

 産卵中のアブラゼミを見つけました。
場所は伐採された木の枝を使った古い木柵で、セミはその側面に産卵管を刺しています。じりじりと前進しながら何度か産卵しているようでしたが、産卵管が体の陰になって見えにくく、何とかうまく撮れないかと四苦八苦しているうちに飛んでいってしまいました。




(20253.08.09・明石公園)


2025年9月5日金曜日

ビワキジラミ

 ビワの大きな葉を裏がえすと、見慣れないキジラミが1匹、主脈の陰にくっついていました。とりあえず撮影してから周囲の葉を調べてみましたが他には見つかりません。ビワの葉でキジラミを見た記憶がなかったので、他の植物から偶然移ってきたものかと思いながら撮影したのですが、帰宅してからビワ/キジラミで検索してみると、新顔のビワ害虫としてビワキジラミ Cacopsylla biwa に関する記事がたくさん出てきました(こちらなど)。2012年徳島県で初めて発見され、2014年に新種記載された種で、画像を見比べてもこの種で間違いなさそうです。兵庫県でも2017年でも確認されています。この公園ではビワの木は少ないのですが、今度は幼虫を見つけないといけません。

体長約2.3mm、翅端まで約2.6mmです。この写真では分かりづらいですが、腹端を見ると♂のようです。



(2025.08.28・明石公園)


2025年9月4日木曜日

寄生を受けた蛾の卵とナガコバチ科の一種

 先日、蛾の卵に産卵しているタマゴコバチを撮影したネズミモチのすぐ近くのトウネズミモチで、こんな卵を見つけました。

卵は長径約1.9mmで、先日のものと同じ大型の蛾(シモフリスズメ?)のものと思われます。内部にイモムシ型の幼虫が透けて見えますが、卵殻にはいくつか小さな穴が開いているので、これはおそらく寄生者でしょう。ただ大きさからみてタマゴコバチではなさそうです。

これとよく似た状態の卵は以前にも見たことがあります。自宅に持ち帰るとやがて幼虫は蛹になり、ナガコバチ科の一種が羽化してきました(こちらの記事)。この寄生者もおそらくそれに近い種と思われます。

同じ日の帰りに様子を見に行くと、卵の周りをナガコバチが1匹歩き回っていました。動き回るのでうまく撮れませんでしたが、10年前の記事のものとよく似ています。すでに寄生された卵に用はないように思いますが、そのことを確認していたのかも知れません。

(2025.08.28・明石公園)

2025年9月1日月曜日

セスジスズメ

 昨日の記事のフタテンカメムシを探してススキをかき分けていた時、地上近くで休んでいるセスジスズメ Theretra oldenlandiae を見つけました。幼虫はこの公園でもときどき見かけるのですが、成虫を見るのは多分数年ぶりです。過去に見たのも多くは街中で、夜の間に灯りに惹かれて飛んできたのが帰りそびれた、といった個体でした。ブログに出すのも初めてだと思います。幼虫はこちらこちらに出しています。


見事に機能的なデザインですが、スズメガ類は昆虫の中でも特に飛翔能力に優れているそうです。体長36mm、前翅長35mmくらいです。

真横から撮ろうとしたのですが、手前の葉がレンズにかぶってしまいました。

(2025.08.24・明石公園)

2025年8月31日日曜日

フタテンカメムシの幼虫

 虫仲間に教えられ、初めてフタテンカメムシ Laprius gastricus を撮影できたのが昨年の秋でしたが、今回はやはり同じ虫仲間に前回見逃した幼虫の居場所まで案内してもらいました。

ススキの根方にいたのを、葉の先の方に移して撮っています。


体長は約10mm。翅芽の発達具合からおそらく終齢(5齢)だと思います。

しばらく大人しくしていたのでお顔も。

引き続き、二人でススキの葉をかき分けていると孵化したばかりと思われる幼虫も見つかりました。葉裏に卵の殻が4つ、幼虫も4匹いたのですが1匹は離れてしまいました。色合いは終齢と同じですね。


(2025.08.24・明石公園)


2025年8月30日土曜日

死んだヒメグンバイ

 ヒメグンバイに寄生されたアベマキの葉を、何か面白い場面でも見られないかと何枚も裏がえしていると、こんなものが目にとまりました。

この成虫はすでに死んでいるのですが、翅から脚、触角にまでタールのような黒い滴が付着しています。

周囲に散らばっているのと同じヒメグンバイの排泄物だと思いますが、それが死骸に大量に付着しているのは偶然とは思えません。仲間の死骸にわざわざ排泄物をひっかける、そのことに何か理由があるんでしょうか。

外傷もなさそうで、口吻を葉面に刺したまま死んでいるところを見ると死因は何らかの病気かもしれません。

口直しに、別の葉裏の生きている成虫・幼虫、それに脱皮殻です。

(2025.08.19・明石公園)