2023年12月2日土曜日

アワダチソウグンバイ(深度合成)

 ヘクソカズラグンバイプラタナスグンバイに続いて同じく外来種のアワダチソウグンバイ Corythucha marmorata をスタック撮影しました。プラタナスグンバイと同じ属で外形もよく似ていますが、こちらの方は翅がほとんど不透明で色もくすんでいて、この仲間の中では今一つ精彩に欠けるようです。







(2023.10.29・明石公園で採集)

2023年11月30日木曜日

ミスジマルゾウムシ

 ひと月ほど前に撮ったものですが、アカメガシワの枝を歩いていたミスジマルゾウムシ Phaeopholus ornatus です。調べてみると、以前のブログにも8月に撮影したものを出していました。体長は約2.8mm。保育社の甲虫図鑑によるとタブノキに多いということですが、この公園では少ない樹木なので、あまり見かけないのはそのせいかもしれません。撮った写真を見ると触角が片方欠けていました。






(2023.10.29・明石公園)

2023年11月12日日曜日

淡水コケムシの一種

 公園の池で、石に付着した糸状藻類や珪藻類などを掻きとってきたサンプルの中に、コケムシの小さな群体が見つかりました。同じ池では以前に幼生を見つけたことはありますが、成体は初めてです。植物の葉の細い断片に付着していました。
コケムシ(苔虫)はその仲間だけで一つの門(苔虫動物門 Bryozoa あるいは外肛動物門 Ectoprocta)を構成するユニークな動物ですが、他の分類群との類縁関係については未だ定説がないようです。
今回撮影した種は群体の形からハネコケムシ属(Plumatella)ではないかと思っています。







動画です。


(2023.09.17・明石公園の池で採集)

2023年11月9日木曜日

フタツメオオシロヒメシャク

 アラカシの葉に白くてきれいな蛾がとまっていました。以前にも撮った覚えはあるのですが名前が思い出せません。このあたりにいる種ならまずYAMKENさんのところにあるだろうと思って見に行くと、すぐに見つかりました。フタツメオオシロヒメシャク(日本亜種) Problepsis albidior matsumurai とあります。
1枚目の状態で差し渡し約39mmで、大きくはありませんが、滑らかな光沢のある白い翅に銀色に光る鱗粉がちりばめられて、真珠をあしらったドレスのような美しさがあります。


各部のアップも撮っておきましたが、なかなか画面全体にピントが合いません。平面に近い被写体なので、理屈の上ではその平面にセンサーが平行になるように持ってくればよいわけですが、手持ち(の上に老眼)ではそれが結構難しいのです。しかしこうして拡大してみると、翅の模様が色だけでなく大きさや形の違う何種類もの鱗粉で出来上がっていることが分かって面白いと思います。




(2023.11.02・明石公園)


2023年11月8日水曜日

アオマツムシ♀

トウネズミモチの葉に乗っていた♀のアオマツムシ Truljalia hibinonis です。季節のわりには高い気温が続いていましたが、まだ朝だったせいか大人しくしていてくれたので顔面も撮らせてもらいました。
今秋の最盛期はもう過ぎたと思いますが、近年はこの虫の鳴き声もあまり聞けなくなりました。非常に大きくてよく通る声で、以前は騒々しい街中の街路樹からもよく聞こえてきたものですが。もともと土着ではなくこの半世紀ほどの間に分布を拡げてきた種ですが、やはり他の多くの昆虫と同様ここ10年20年で個体数が大きく減ってきているのかも知れません。




♂はこちらこちらに出していますが、♀は発声器官を持たないのですっきり滑らかな翅です。

(2023.11.02・明石公園)

2023年11月5日日曜日

プラタナスグンバイ♀成虫(深度合成)

 アワダチソウグンバイ、ヘクソカズラグンバイとともに近年我が国に侵入してきた外来グンバイムシの一つ、プラタナスグンバイ Corythucha ciliata です。原産地は北米で、日本での最初の報告は2001年だそうですが、いつもの虫探しコースにプラタナスの樹がほとんどないこともあって、2015年になるまで見たことがありませんでした。深度合成画像は3年前にも出していますが、それから機材や撮り方も少し変えたので撮りなおしてみました。










(2023.10.21・神戸市垂水区にて採集)

2023年11月4日土曜日

ムネアカアワフキの幼虫巣

 サクラの枝先に細い筒を巻いたような、ちょうど海岸の岩場についているオオヘビガイの殻を小さくしたようなものがくっついています。カイガラムシの仲間だろうと思っていたら、それはムネアカアワフキ Hindoloides bipunctata の幼虫の巣だと虫仲間に教えられました。そういえば成虫は春になるとたくさん見つかりますが、これまで幼虫を見た覚えがありません。ネット検索すると同様の巣の画像がたくさんでてきて、これまで知らなかったことが少々恥ずかしくなりました。
幼虫の姿は外からは見えないようなので、その日はとりあえず巣の外観だけ簡単に撮影して帰ったのですが、帰宅して調べると巣口に幼虫の頭らしきものが見える画像があります。そこで数日後、撮りなおしに出向きました。


巣口まで樹液の溢れている巣が、現に使用中のもののようです。


見ていると中からときどき泡が出てきます。


幼虫の頭も見えます。

水面まで浮き上がってくると、頭に接した部分にぽっかり穴が開きました。多分、空気を取り入れているのではないかと思います。

別の巣。




巣を壊せば幼虫の全身が見られると思いますが、今回はやめておきました。巣の外に出てきた終齢幼虫と羽化の様子は、そらさんのブログに見事な画像が掲載されています。

(2023.10.25・明石公園)