2021年5月7日金曜日

ストロボを使った顕微鏡撮影について(つづき)

一昨日の記事の続きです。
顕微鏡撮影にストロボを使うようになったきっかけは、20年ほど前に行きつけの中古カメラ店から引き取ってきた古いツアイスの顕微鏡でした。一面にパラフィンがこびりついてジャンク同然に見えましたが、連日格闘した結果十分使える状態になり、大量の付属品の中には本で見たことのある微分干渉装置というものが含まれていることも分かりました。使い方もよく分からないままその微分干渉装置を取り付け、それらしい像を初めて見たときは感動したものですが、これで原生動物などを撮影しようとすると光源が少々非力で(8V15W)動くものを撮影はかなり困難、そこでストロボを使う方法を考えてみることになりました。

当時の撮影風景です。対物レンズは沢山ありましたが微分干渉に対応しているのはPlan16X/0.35とPlan40X/0.65の2本だけ。アナライザーはリレーレンズが曇っていてコントラストを落とすのですぐに使うのをやめて、㈱光洋のカタログで取り寄せたポラロイドの偏光板を3眼鏡筒の下に置いて代わりにしました。上の写真のニコンのPFM(これも同じ店で買った)はやがてフィルム一眼レフ、さらにデジタル一眼レフに代わりましたが、中古のオプチフォトを手に入れるまで15年以上これが主力機になっていました。
ストロボ撮影装置は、顕微鏡の下に見える木の箱です。


このツアイスの顕微鏡は裏返すと裏蓋というものがなく、ランプのコレクターレンズから前方のレンズと反射鏡までの間にも何もありません。それでこの部分でストロボ光を割り込ませることにしました。撮影時には手前に見える窓にストロボの発光面をあてがいます。ストロボ光は古いルーペのレンズを通り2枚の鏡で反射して顕微鏡の光路に入りますが、鏡の1枚は可動式です。使った材料は有り合わせのアルミ材や手鏡、タミヤのギヤボックスの部品などでした。

右に見えるレバーを押すと2番目の鏡が上がってハロゲンランプの光路を遮り、代わりにストロボ光を導入します。一眼レフに使われるクイックリターンミラー以前の、距離計連動カメラの時代に作られていたミラーボックスのような動作です。シャッターとの連動には最初は二又レリーズを使い、カメラをワインダー付きの一眼レフに替えるとマイクロスイッチを仕込んでリモートコードを繋ぎ、最後にデジタル一眼になるとスイッチをもう1個増やしてシャッター半押しに対応させました。
もともと設計が理に適っていない上に今のデジタルカメラのようにその場で撮影結果を見ながら調整を加えていくということもできないので、効率が悪くて光量が十分でなかったり照明ムラが出たりと問題は色々ありましたが、とにかく動き回る動物プランクトンをスナップ風にパチパチ撮りたいという目的は一応これで達せられました。

フィルムカメラ時代に上の機材で撮影したものをいくつか出しておきます。2001年から2005年頃の撮影ですが、当時の撮影法は顕微鏡に付いていたものの他にニコンやオリンパスの接眼レンズを使ってコリメートで撮ったり、その接眼レンズを少し持ち上げて投影レンズ代わりにしたりと、かなりいい加減なものでした。すべてネガフィルム原版を複写したものですが、経年劣化のせいかデジタル化のせいか元々あった色ムラがさらに強調されているようです。

スピロストマム DIC Plan16X/0.35 

ゾウリムシ DIC Plan40X/0.65

トリコディナ DIC Plan40X/0.65

ゴニウム DIC Plan40X/0.65

腕足類の幼生 異色照明 Neofluar6.3X/0.20

二枚貝の幼生 異色照明 Neofluar6.3X/0.20

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