アラカシの枝にハラビロカマキリの卵嚢が見えたので近づいてよく見ると、以前から探していたオナガアシブトコバチが産卵していました。このハチの産卵を見るのはこれでやっと3度目、実に15年ぶりです。大喜びで撮りはじめましたが、数枚撮るうちに産卵管を抜いてしまい、その後は卵嚢の周りからは離れないものの、産卵行動は見られませんでした。
以前に見たこのハチの産卵は2007年5月と2010年6月で、この季節に見るのは初めてです。年1化のカマキリの卵に寄生するのに半年も間を置いて2度も産卵するというのはちょっと不思議ですが、「昆蟲.ニューシリーズ」5 巻・2 号の「ヒメオナガアシブトコバチの寄主」という論文(こちらで見られます)に、オナガアシブトコバチの生活史が簡単に紹介されていました。それによると、越冬したカマキリ卵嚢から早春に羽化したハチ成虫が、 寄主がふ化する前のカマキリの卵嚢に産卵し、その第1 世代成虫と世代を繰り返した第2 世代の成虫が夏を越し,秋になって新たに産み付けられたマキリの卵嚢に産卵するという年2 〜3 化の生活史を送ると考えられている、ということです。この場合の寄主はチョウセンカマキリとオオカマキリですが、ハラビロでも同じなのではないかと思います。
15年前、このハチの産卵を2度目に見た時には、実際の産卵を確認したのは最初の4日間だけでしたが、その後も1週間以上カマキリの卵嚢の上に留まっていました。今回も3日後、4日後、8日後にもハチが卵嚢の上にいるのを確認しましたが、産卵行動は見られませんでした。このように長い間留まっている理由としては、寄主卵の状態が産卵に適した状態になるのを待っているのか、あるいはハチの方で次に産み付けるべき卵がまだ成熟していないのか、または同種の♀が産卵するのを防ぐためか、などと想像しますが、2007年に見た時には3匹が同じ卵嚢に同時に産卵していたので、最後の推測は除外できるかもしれません。
2025年11月6日木曜日
ハラビロカマキリの卵嚢に産卵するオナガアシブトコバチ
8日後になってもまだ留まっていましたが、やはり産卵行動は見られず。
(2025.10.24-11.01・明石公園)
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