2019年10月26日土曜日

アオモンツノカメムシの卵と孵化幼虫

カクレミノの葉に産み付けられたアオモンツノカメムシ Elasmostethus nubilus の卵です。

多くの昆虫と同じくこのカメムシも普通は葉の裏に卵を産み付けるのですが、この卵塊は珍しく葉の表にありました。

卵は洋梨型で、長径約0.8mm。孵化が近いようで、赤い複眼が透けて見えます。

うっすらと脚や触角、口吻の形も分かります。

別の葉の裏で、孵化したばかりの幼虫たち。

体長はちょうど1mmくらいです。

卵殻には不規則な蜂の巣状の網目模様が見えます。


(2019.10.09・明石公園)

2019年10月25日金曜日

ヒラアシキバチの産卵

9月下旬に見た際には場所が高すぎてうまく撮影できなかったヒラアシキバチの産卵場面ですが、その5日後に同じエノキを訪れると、来ていたのは前回と同じく1匹だけですが、どうにか撮れる場所で産卵をしていました。

やはりかなり高い位置で、カメラを頭上に持ち上げ背面モニタを見ながらオートフォーカス頼みの撮影です。

まだ穿孔をはじめたばかりのようで、腹部を左右に捩るように動かす様子がいかにも苦し気です。

この段階ではカメラなど全く眼中に無いんでしょうね。

足場が悪く盛んにブレていますが、動画も撮ってみました。

穿孔中の産卵管を見ると、結構複雑な動きをしていることが分かります。付着した木屑の動きからすると、産卵管が1本の管ではなくいくつかの部品を束ねたような構造になっていて、それぞれの部品が互いに滑るように前後運動をしているようです。
一体どんな構造になっているんだろうと思いちょっと検索してみると、こんな記事が見つかりました。 よく理解できませんが、ハチの産卵管の構造を医療機器に応用できないかというような話のようです。

(2019.10.01・明石公園)

2019年10月24日木曜日

カタビロコバチの一種

7月末にモチノキタネオナガコバチが集まっていたモチノキを見に行くと、1匹のカタビロコバチがうろついていました。

初めて見る種ですが、そらさんが「ご近所の小さな生き物たちフォト」にカタビロコバチ科の仲間02として載せておられるものと同じだと思います。

実の上でも産卵を始めそうな様子は見せません。どんどん歩いて行くので正面からは撮れませんでした。

体長は約3.8mmです。

近くの枝に1匹、別種のカタビロコバチがいました。

これもすぐに逃げられたのでこんな写真しかありませんが、キイロカタビロコバチ Sycophila variegata かも知れません。

カタビロコバチ科は多くが植物に虫こぶを作る昆虫に対する寄生者、あるいは同居者として知られているそうです。この公園内でもイスノキモンオナガコバチが発生しているイスノキの実や、ニッポンオナガコバチが出て来るクロガネモチの実に別種のカタビロコバチが産卵するのを見ています。それらがそれぞれのオナガコバチに直接関係を持っているのかどうかは分かりませんが、今回撮影した2種のカタビロコバチのどちらかが、モチノキタネオナガコバチの寄生者あるいは同居者ということもありそうな気がします。

(2019.10.01・明石公園)


2019年10月23日水曜日

ムネアカトゲコマユバチ♀

いつもの公園の伐採木置き場でよく見かけるムネアカトゲコマユバチ Zombrus bicolor です。

数年前には6月に多数の♂を見ているので、その頃が出現時期だと思いますが、こんな遅い季節に見かけたのは初めてです。

カミキリムシ類に寄生するようですが、まだ産卵場面を見たことがありません。

(2019.10.01・明石公園)

2019年10月22日火曜日

ハモグリガの幼虫?

ノブドウの葉に白い軌跡が描かれています。

終点まで辿っていくと、薄い表皮の下に黄色いイモムシが見えていました。

体長は、真直ぐに伸ばせば4.5mmくらいでしょう。

透過光で見るとこんな感じです。

頭部です。

旺盛な食欲で、表皮に穴を開けることなく器用に食べ進んでいきます。

これは別の葉ですが、体長は同じくらい。

これはハモグリガ科の幼虫に違いなかろうと思っていたのですが、帰宅して“みんなで作る日本産蛾類図鑑V2”に当たってみるとノブドウにつくブドウコハモグリ Phyllocnistis toparcha という種がいるそうで、これはハモグリガ科ではなくホソガ科コハモグリ亜科に入れられています。どちらにしてもハモグリガの仲間でいいような気もしますが、タイトルには疑問符をつけておきました。

(2019.10.01・明石公園)


2019年10月21日月曜日

セジロウンカ(改題)

* 2019.10.24・追記とタイトル変更 *

Unknownさんから、「海外飛来性でイネの害虫,セジロウンカ Sogatella furcifera」ではないかとのご指摘をいただき、改めてネット上の画像などを調べてみるとその通りでしたので、「ナガウンカ亜科の一種」としていたタイトルを変更しました。この種は毎年梅雨時に風に乗って中国大陸などから飛来し、2~3世代を繰り返すものの、日本では越冬しないということです。

アベマキの葉裏にとまっていたウンカです。
ネット上の画像と見比べた大雑把な印象ではウンカ科ナガウンカ亜科 Stenocraninae あたりだろうと思いますが、ハネナガウンカ科にもよく似た体形のものがあるようなので、そちらの方かも知れません。体長約3mm、翅端まで約4.3mmです。




後ピンの上に手前の葉がレンズにかぶって不細工な写真ですが、顔面はこれしか撮れませんでした。ウンカの仲間は触角が面白いですね。

(2019.10.01・明石公園)

2019年10月20日日曜日

アミメアリとヨツボシテントウの幼虫

モッコクの幹を登って行くアミメアリの行列を眺めていると、その中にヨツボシテントウの幼虫が一匹、同じように幹を登って行くのが見えました。独特の方法でアブラムシを食べる(こちら)風変わりな幼虫です。
見かけによらない速度で登って行きますが、アミメアリはどんどん追い越していきます。ときたまこの平べったいイモムシに関心を示して触角で探るアリもいて、幼虫は一瞬立ち止まって体を丸めるような動作を見せることもありますが、ほとんどのアリは無関心に傍らを通り過ぎていきます。
以前にもこの幼虫がアミメアリの群がる場所で攻撃もされずにいるのを見たことがありますが、わざわざ行列に混じって移動しなくても良さそうなものです。おそらく偶然なのでしょうが、もしかしたらアミメアリの行列について行くことで好物のアブラムシのコロニーに辿り着けることを知っているのではないかと、つい想像、いや妄想してしまうのでありました。






(2019.09.26・明石公園)