2019年12月7日土曜日

ホシヒメヨコバイ

風の強い、寒い日でしたがヌルデの葉を裏返すとホシヒメヨコバイ Limassolla multipunctata の成虫・幼虫がたくさんいました。

翅端まで約3mm、小さくて地味ながら、なかなか美しいヨコバイです。


成虫の斑紋には変異がありますが、これはテネラルかも知れません。

体長約2.4mmの、多分終齢幼虫。成虫には似ない刺だらけの姿です。

別個体ですがこれも多分終齢です。

こちらは翅芽が短く、体長約1.6mm。

更に小さく、約1mm。

約0.8mm。

これくらいで初齢でしょうか。体長約0.5mmです。

同じ個体ですが、複眼が上を向いています。

(2019.12.03・明石公園 学が丘北公園)

2019年12月6日金曜日

ウロコタイヨウチュウの一種(Raphidiophrys ?elegans)

これはウロコタイヨウチュウ(Raphidiophrys)の一種だと思います。細胞同士が連絡橋のような構造でつながり合って立体的な群体を作っています。ネット上の画像を探してみると、主に海外サイトで Raphidiophrys elegans としてこれによく似た画像が多数出てきました。



各細胞は“ブリッジ”を通じて物質のやりとりを行うようです。


(2019.11.25・明石公園 藤見池にて採集)

2019年12月5日木曜日

クダクラゲの一種

冬場によく見られるクダクラゲの一種(クダクラゲ目 Siphonophorae、鐘泳亜目 Calycophorae)です。この仲間は以前のブログにも三度ばかり出していますが(2010.01.27201.02.142010.10.08)、複数の種がいるようです。


ほとんど無色透明の体の中心部に、緑色に妖しく光る場所があります。

触手(?)をゆっくりと伸ばしていました。


体表に1匹だけ、以前にも見た吸虫が付着していました。


(2019.11.22・西舞子海岸にて採集)

2019年12月3日火曜日

カイアシ類の一種

近所の海で採集したカイアシ類(Copepoda)です。

その1




鳥の尾羽のような叉肢が目立ちます。

その2

こちらの方がやや大型ですが、その1と同じ種かも知れません。





(2019.11.22・西舞子海岸いて採集)

2019年12月1日日曜日

ワムシの一種・♂

* 2021.08.25・タイトル変更 *

図鑑との絵合わせで「カシラワムシ属(Cephalodella)の一種」としていたのですが、わちーさんより、「この個体はオスで、ワムシのオスはメスと形態が違うものが多いのでこの情報から同定するのは困難」とご指摘をいただきましたので、タイトルを変更しました。詳しくはコメントをご参照ください。

これはカシラワムシ属(Cephalodella)の一種だと思います。






(2019.10.10・明石公園 桜堀にて採集)

2019年11月29日金曜日

フロントニア(クチサケミズケムシ)の一種

大型の繊毛虫、フロントニア Frontonia(クチサケミズケムシ)の一種です。
運動を抑えるため、プレパラートに封じる際水の層をかなり薄くしたので、カバーガラスを載せた途端トリコシストを大量に放出してしまいました。

画面右上に見える針状のものが放出されたトリコシストで、外的に対する防御の役割を持つとされています。本来細胞膜直下にある袋状の組織ですが、細胞が刺激を受けて中身が放出される際に針状になるそうです。

細胞の形は本来太短い円筒状ですが、カバーガラスに押し付けられて平べったくなっています。


細胞の厚みの中心付近にピントを合わせると表面の繊毛が見えてきます。

右上に見えるのが細胞口。

呑み込んだケラチウム Ceratium が画面右に見えます。

動画です。
後半で、食物の残滓を排出する様子が見られます。


(2019.10.10・明石公園 桜堀にて採集)

2019年11月28日木曜日

淡水コケムシの幼生

これはコケムシ類(外肛動物門 Bryozoa)のキフォナウテス Cyphonautes 幼生だと思います。淡水コケムシの幼生を見るのはこれが初めてです。
海産のものは過去に何度か見ていますが、平べったい二枚貝のような構造をしていて、直線的な2辺を持つ扇形、または三角形に近い形をしています。ネット上で見られる画像もおおむね同様ですが、この淡水産の幼生は全体にもっと丸みを帯びた形をしています。淡水コケムシの幼生の画像はネット上にもほとんど無いようですが、ResearchGate (リサーチゲート)というサイトで Hislopia malayensis という淡水コケムシの発生と変態に関する記事が見つかりました。それに掲載されている画像の Cyphonautes 幼生が、今回撮影したものによく似ていて、近い種類ではないかと思います。






(2019.10.09・明石公園 桜堀にて採集)