2020年5月14日木曜日
2020年5月13日水曜日
アベマキハイボタマフシのタマバチ Latuspina abemakiphila
アベマキの葉裏に出来た虫こぶにタマバチが集まっていました。羽化して出て来る♀を待つ♂達らしいのでしばらく様子を見ていましたが、穴の中から覗いているハチに全く動きがなく、手にとって調べてみるとすでに死んでいました。
この虫こぶはこの公園のアベマキでよく見られるものですが、名前も形成者も分からず以前から気になっていたので、周囲にたむろしていた数匹を採集して帰りました。
この度改めて探してみたところ、国立科学博物館の井手竜也博士のTAMABACHI JOHO-KANというサイトで紹介されていることを知りました。虫こぶはアベマキハイボタマフシと呼ばれるもので、形成者はナラタマバチ族の Latuspina abemakiphila という種です。
この Latuspina abemakiphila は2016年に井手博士と九州大学の阿部芳久教授によって新種記載されています。上記井手博士のサイトでは Latuspina 属の特徴としてメスの尾節の先端部が三叉状(フォーク状)に分かれることが知られていたが、最近の研究によってそれが両性世代のメスのみに見られるもので、単性世代のメスでは見られないことが判明したということが紹介されています。そして日本産のLatuspina属全既知種6種のゴールと両性世代の♂♀・単性世代の♀の標本写真が掲載されていますが、ただこの L.abemakiphila に関しては単性世代はまだ発見されていないようです。
この虫こぶはこの公園のアベマキでよく見られるものですが、名前も形成者も分からず以前から気になっていたので、周囲にたむろしていた数匹を採集して帰りました。
この度改めて探してみたところ、国立科学博物館の井手竜也博士のTAMABACHI JOHO-KANというサイトで紹介されていることを知りました。虫こぶはアベマキハイボタマフシと呼ばれるもので、形成者はナラタマバチ族の Latuspina abemakiphila という種です。
この Latuspina abemakiphila は2016年に井手博士と九州大学の阿部芳久教授によって新種記載されています。上記井手博士のサイトでは Latuspina 属の特徴としてメスの尾節の先端部が三叉状(フォーク状)に分かれることが知られていたが、最近の研究によってそれが両性世代のメスのみに見られるもので、単性世代のメスでは見られないことが判明したということが紹介されています。そして日本産のLatuspina属全既知種6種のゴールと両性世代の♂♀・単性世代の♀の標本写真が掲載されていますが、ただこの L.abemakiphila に関しては単性世代はまだ発見されていないようです。
虫こぶに開いた穴を覗き込む2匹の♂。
♀の脱出を見られるかと期待しましたが…。
残念ながらすでに死んでいました。
周囲にいた数匹を採集して深度合成撮影。
まず♂。
たくさん付いているのは何の花粉でしょうか。
こちらが♀。
その顔。
重なり合って翅脈が見えにくいですが…。
三叉状に分かれた尾節の先端部。このカットだけ、上記TAMABACHI JOHO-KANでこの特徴を知るまで2週間も放置していた後で撮影したので腹部が乾燥のためぺしゃんこになっています。中央の突起に付着しているのは滲み出た体液でしょうか。
以下、おまけ。
ケブカキベリナガカスミカメ Dryophilocoris miyamotoi がゴールを吸っていました。
コガネコバチの一種も。
寄生目的だと思ったのですが、産卵シーンは見られず。
(2020.04.29 明石公園)
2020年5月12日火曜日
アザミウマの一種・幼虫
体長は1~1.2mmくらいで、翅もないので幼虫だと思いますが、科の見当もつきません。触角を見ると以前のブログに掲載したこちらに似ている気がします。周りの葉も裏返すとかなり高い割合で見つかりましたが、なぜか葉1枚につき1匹だけで、2匹以上同居していることはありませんでした。
下の写真は複数個体が混ざっています。
(2020.04.29・明石公園)
2020年5月9日土曜日
ベニシマコヤガ?の幼虫
苔むしたアラカシの幹で見つけた小さなイモムシです。
体長約5mmで、体には周囲に生えている地衣類を疎らに纏っています。地衣類を纏うと言えばシラホシコヤガの幼虫ですが、この公園では見た記憶がありません。そこで原色日本蛾類幼虫図鑑でコヤガ亜科のあたりを探してみると、ベニシマコヤガ Corgatha pygmaea の幼虫の、地衣類に覆われた樹皮上にいる写真が出ていて、小さくて細部は見えないものの周囲の状況や雰囲気がよく似ています。食草は地衣類で若齢の幼虫で越冬し、早春から活動を始めるということですし、この種であれば明石の蛾達のYAMKENさんもこの明石公園で確認されているので、同種の可能性は高いと思います。
体長約5mmで、体には周囲に生えている地衣類を疎らに纏っています。地衣類を纏うと言えばシラホシコヤガの幼虫ですが、この公園では見た記憶がありません。そこで原色日本蛾類幼虫図鑑でコヤガ亜科のあたりを探してみると、ベニシマコヤガ Corgatha pygmaea の幼虫の、地衣類に覆われた樹皮上にいる写真が出ていて、小さくて細部は見えないものの周囲の状況や雰囲気がよく似ています。食草は地衣類で若齢の幼虫で越冬し、早春から活動を始めるということですし、この種であれば明石の蛾達のYAMKENさんもこの明石公園で確認されているので、同種の可能性は高いと思います。
(2020.04.21・明石公園)
2020年5月8日金曜日
オイトナ属の一種(Oithona sp.)深度合成
近所の海で普通に採れるスマートな体型のカイアシ類で、昨年掲載したものと同種だと思います。カイアシ類は難しそうなのでいつも撮影しただけで調べもせずに放置しているのですが、今回試しに海洋プランクトン図鑑を眺めてみると、案外すんなりとオイトナ属 Oithona の一種らしいというところまでは見当がつきました。
この手のカイアシ類は動きは速いですが、鰓脚を始終動かしているミジンコ類と違って静止している時は外部にはほとんど動きが現れないので、今回深度合成撮影を試してみました。と言ってもじっとしているかと思えば次の瞬間には第1触角のひと振りで視野から消えてしまうので、必要な枚数を撮影し終えるまでに何度も失敗しました。
この手のカイアシ類は動きは速いですが、鰓脚を始終動かしているミジンコ類と違って静止している時は外部にはほとんど動きが現れないので、今回深度合成撮影を試してみました。と言ってもじっとしているかと思えば次の瞬間には第1触角のひと振りで視野から消えてしまうので、必要な枚数を撮影し終えるまでに何度も失敗しました。
(2020.04.24・西舞子海岸にて採集)
2020年5月7日木曜日
アラカシの幹で産卵するヒメコバチ科 Tetrastichinae 亜科の一種
アラカシの幹で産卵していたヒメコバチです。
おそらく2012年、2013年の同時期に撮影した Tetrastichinae 亜科の一種と同じ種で、カシノアカカイガラムシ Kuwania quercus に寄生しているのではないかと考えているものです。撮影場所も2013年の記事と同じで、このアラカシでは毎年カシノアカカイガラムシが発生しています。
おそらく2012年、2013年の同時期に撮影した Tetrastichinae 亜科の一種と同じ種で、カシノアカカイガラムシ Kuwania quercus に寄生しているのではないかと考えているものです。撮影場所も2013年の記事と同じで、このアラカシでは毎年カシノアカカイガラムシが発生しています。
産卵管を突き刺している相手はカシノアカカイガラムシの中間幼虫ではないかと思われます。
黒い体色のコバチは同じように黒っぽいアラカシの樹皮の上ではなかなか目にとまりませんが、1匹見つけた後そのつもりで探すと他にも数匹、触角で樹皮を探りながら歩き回っているのが見つかりました。
(2020.04.21・明石公園)
2020年5月6日水曜日
ドロワムシの一種(Synchaeta sp.)の孵化
ワムシの卵らしきものを見つけました。
内部に動きが見えるので、孵化が近いようです。乾燥しないように水を補給しながら待つこと約3時間、真夜中になってようやく孵化してきたのはドロワムシ(Synchaeta sp.)の一種でした。
以下8カットは動画からの切り出しです。
内部に動きが見えるので、孵化が近いようです。乾燥しないように水を補給しながら待つこと約3時間、真夜中になってようやく孵化してきたのはドロワムシ(Synchaeta sp.)の一種でした。
以下8カットは動画からの切り出しです。
卵殻が割れた瞬間です。
孵化してからしばらくあたりを泳ぎ回った後、糸状藻の間に潜り込んで、全身をしごくような、激しい伸縮運動を始めました。
通常に比べて後半身が細く見え、深い縦皺が走っていることから卵殻の一部がまだ残っていて、それを脱ぎ落すための動作なのかも知れません。同じ動作をいつまでも繰り返しているので、最後まで見届けることはあきらめました。
(2020.04.09・明石公園 桜堀にて採集)
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