水田で採ってきた水の中にいたナベカムリ(Arcella)の仲間です。
その1
殻の形がきれいな円形ではなく、70X80μmほどの少しいびつな楕円形です。こういう厚みのあるサンプルを検鏡する際には、押しつぶさないようにカバーガラスの下に適当な下駄を履かせて間隔を保っているのですが、このナベカムリは開口部を下に向けてスライドガラス上を這っているので、仮足にピントを合わせるためには作動距離の小さな高倍率の対物レンズが使えません。
殻の色が薄いので内部の様子がよく見えます。開口部の周囲の緑色の粒は取り込んだ餌(小型のミドリムシ?)でしょうか。
その2
これは開口部を上に向けてカバーガラスにくっついています。遠慮がちに仮足を伸ばしますがあまり動いてくれませんでした。殻は円形で直径約70μm。規則正しい網目模様が見えます。
その3
殻形約80μm。「その2」と似ていますが、殻は網目ではなく皺状の模様に覆われているので別種でしょう。これもカバーガラスの下面を、盛んに仮足を出して這っていました。
(2020.06.26・神戸市西区の水田にて採集)