2021年11月1日月曜日

ウスモンミドリカスミカメ

 花の終わったチチコグサの花序にいたウスモンミドリカスミカメ Taylorilygus apicalis です。



以前のブログに掲載した成虫と比べると体色がかなり違いますが、「日本原色カメムシ図鑑 第2巻」によると本種は分布が広い上に著しい色彩変異をもつことから、過去には多くの種名で記載されてきたという経緯があるそうです。翅端まで約5mmです。

同じ成虫です。

幼虫もいました。

体長約3.6mmで、多分終齢でしょう。

(2021.10.27・明石公園)

2021年10月30日土曜日

クワの葉で産卵していたクモガタテントウとラブルベニア

背丈くらいに伸びたクワの幼木の葉をめくってみると、クモガタテントウ Psyllobora vigintimaculata が産卵中でした。


既に3個の卵を産み付けています。

次の卵が出てくるのを息をひそめて待っていましたが・・・。

残念ながら産卵を中止して立ち去ってしまいました。

お尻には以前にも同じクモガタテントウで見たラブルベニア(Laboulbenia)菌がくっついています。寄生性の菌類で、昆虫など小型の節足動物が寄主となるようですが私はまだこのクモガタテントウでしか見ていません。

(2021.10.27・明石公園)

ナナミノキのニッポンオナガコバチ

毎年いつもの公園のクロガネモチで観察しているニッポンオナガコバチ Macrodasyceras japonicum ですが、今回初めて同じ公園内のナナミノキの実に♂が集まっているのを見つけました。実はまだ黄色いのですが、すでにハチが出たらしい穴の開いているものもあって、この♂たちは一足先に羽化して♀の誕生を待っているようです。
このハチの宿主植物としては北隆館の大図鑑にもナナミノキとウメモドキが挙げられていて、この公園内にも数本のナナミノキがあるのですが、どれも低い位置の枝がほとんどなく、これまでよく見る機会がありませんでした。今回も頭より高い位置の枝を引っ張り下ろして撮影しています。
ナナミノキでのニッポンオナガコバチについてはそよかぜさんが詳しく観察されています。その中で、クロガネモチの実から羽化してきた個体よりもナナミノキから出てきたものの方が明らかに大型で、また♂の背面の色が明るいということに注意されています。確かにこの日見た♂は大きな個体が多く、また撮影できた2個体はどちらも胸部背面が明るい色をしているようです。
これまでに見てきた限りではこのハチの♀がクロガネモチの実から羽化してくるのは11月中旬から12月上旬くらいで、そよかぜさんの観察も考え合わせるとナナミノキではそれより半月から1か月ばかり早いようです。どちらの場合でも羽化した♀はそのまま冬を越した後に産卵するものと考えられますが、9月はじめにクロガネモチに産卵に集まる♀個体は明らかに小型で、また時期も離れすぎているので、越冬する♀とは世代が違うものと思っています。それでは越冬♀はいつどこで産卵するのでしょうか。他の宿主として知られているウメモドキやソヨゴとも考えられますが、ハンマーさんが11月上旬にウメモドキで、またBABAさんは11月中旬にソヨゴで♀の羽化を観察されていて(いずれも兵庫県内)、時期はクロガネモチやナナミノキと大差ありません。つまりそれらの実に産卵したのはやはり越冬明けの♀ではなく、その次の世代でしょう。越冬♀はおそらく春から初夏にかけて未知の宿主植物に産卵し、次世代は夏頃に羽化してくるのではないかと想像しています。

♂は沢山いたのですが枝の位置が高く、撮影できたのは2匹だけでした。この♂は翅端まで約5.2mm。


これは別の♂で翅端まで約4.3mm。♀の羽化が間近なようです。

♀は実の内部から、果実の表皮1枚残すところまで掘り進んできているようです。脱出のチャンスを窺っているところでしょう。


間もなく♀が顔を出すだろうと思いしばらく見ていましたが、手で枝を持っているせいで警戒しているのかそれ以上の動きが無く、あきらめて引き揚げました。

ニッポンオナガコバチに関する過去の主な投稿はこちらの記事の末尾にリンクをまとめています。

(2021.10.21・明石公園)

2021年10月29日金曜日

アズチグモ・♀の顔♂の顔

 それぞれ別の日に撮ったものですが、アズチグモ Thomisus labefactus の雌雄顔面くらべです。

まず♀。

こちらが♂。
撮影倍率は同じです。

(2021.10.09,21・明石公園)

2021年10月25日月曜日

ギボシヒメグモ

 クサギの葉裏をめくるとギボシヒメグモ Chrysso albipes がいました。この場所で見るのは初めてです。このクモを見ていると、この2週間ほど前にすぐ近くで撮影した不明のクモは同種の♂の幼体ではないかという気がしてきました。

♀成体が1匹と、幼体が10匹ばかり葉裏に広く散らばっていました。画面右には獲物になったらしいチマダラヒメヨコバイが写っています。


幼体は体長約1.2mmで、孵化後1、2度の脱皮を経たもののようです。数も少ないので、他の兄弟たちの多くはすでに分散していったのかも知れません。


ネット上の画像を見るとこのギボシヒメグモは体色や腹部の形にかなり大きな変異があるようです。


母グモの体長は約2.5mm。


少し離れた場所に新しい卵嚢もありました。高さは2mmくらい。


撮影していると先の母グモが駆け付けました。

周りの幼体たちが孵化した後で再び産卵したものでしょうか。

(2021.10.21・明石公園)

2021年10月24日日曜日

クロハススジハマダラミバエ

翅に特徴的な斑紋のあるハエがマサキの葉の上を翅をひらひら動かしながら歩いていました。ハススジハマダラミバエの仲間(Anomoia 属)です。この属ではよく似た種がこのあたりでも数種いて、一見しただけではどれも同じように見えますが、写真をよく調べてみると以前のブログでも一度掲載しているクロハススジハマダラミバエ(ワモンハマダラミバエ) Anomoia permunda でよさそうです。


体長は約4.3mmです。

ちょっとくたびれた様子で、翅があちこち破れています。

しきりにお化粧をしていました。


顔面の刺毛もだいぶ抜けています。


過去に掲載した他の Anomoia 属


(2021.10.21・明石公園)

2021年10月23日土曜日

コガネグモ

コガネグモの仲間の大きな円網が日光に輝いていました。体長が11mmほどなのでコガタコガネグモかと思ったのですが、体の模様を見るとコガネグモ Argiope amoena のようです。よほど獲物に恵まれなかったのでしょうか。



(2021.10.21・明石公園)