2021年11月9日火曜日

蛾の卵と孵化幼虫

 ヨウシュヤマゴボウの葉の裏に産み付けられていた蛾の卵です。おそらくヤガ科の一種で、昨年出したものと同じか、近い種ではないかと思います。

1個画面からはみ出しましたが、数えると176個。その数をこれだけ整然と産み付けるのにどのくらいの時間がかかるんでしょうか。

卵の直径は0.6mmくらいです

一週間後に覗いてみると、孵化が始まっていました。
* 2021.11.16・訂正*
同じ株の葉についていたので同じ卵塊と思い込んでいましたが、あらためて写真を見て一週間前のものとは別の卵塊であることに気がつきました。同種だと思いますが、同じ♀が産んだものでしょうか。

20匹足らずが孵化してきたようですが、残った卵のうち黒く変色しているのは寄生されているのか、あるいは死んでしまったんでしょうか。


空になった卵殻はあらかた孵化幼虫に食べられて残っていませんが、その底、と言うか葉面への接着面は金色に光っています。


(2021.10.30/11.04・明石公園)

2021年11月8日月曜日

チマダラヒメヨコバイの羽化

クワの葉の裏にチマダラヒメヨコバイautoneura mori の成虫や幼虫がたくさん集まっていたので、羽化や脱皮が見られないかと葉っぱを順に裏返していくと、見つかりました。

すでに体の大部分が出ています。

ちょっと角度を変えようとわずかに目を離した間に脱皮を終えていました。

レンズから逃げるように歩きまわりますが、その間にも翅が伸びてきます。


前翅がほぼ伸びきりました。


続いて後翅も。

体色が整うにはまだ時間がかかりそうです。

別の葉にいた幼虫です。体長約2.2mmで、終齢でしょう。

これは近くのイヌビワにいた成虫です。翅端まで約2.6mm。

(2021.11.04・明石公園)

2021年11月7日日曜日

ハラビロクロバチ科 Synopeas sp.

クワの葉の裏で、ハダニが張った糸の上を歩いていたハラビロクロバチ科 Synopeas 属の一種です。体長約1.2mmで、大きさや腹部の形はこちらの記事の“その2”に似ていますが脚の色が違うようです。




(2021.10.27・明石公園)

2021年11月5日金曜日

クスベニヒラタカスミカメと産卵痕

特徴的な食痕のあるクスノキの葉を裏返していくと、10月末になってもまだクスベニヒラタカスミカメ Mansoniella cinnamomi の幼虫がいました。


この種は卵越冬だそうなので、すでに産卵を済ませて姿を消している頃ではないかと思っていました。見つかった幼虫はすべて終齢でしたが、これから羽化・交尾・産卵と、寒くなるまでに間に合うんでしょうか。

成虫もちらほら。

葉柄に産卵すると聞いたので、それらしい跡を探してみると、ありました。


しかし拡大してみると、すでに「蓋」が開いているような…。

持ち帰った葉柄を割いてみると、案の定出てきたのは孵化した後の殻の卵殻のようです。越冬卵を見たかったのですが、もっと新鮮な葉を探さなくてはいけないのかも知れません。

(2021.10.27・明石公園)

2021年11月4日木曜日

キリの葉の上のヒメイトカメムシ

 大きな葉をつけたキリの幼木を見に行くと、予想通りヒメイトカメムシ Metacanthus pulchellus がたくさん集まっていました。成虫・幼虫ともにほとんどは裏側にいるのですが、少数は葉の上にも出ていて、粘着性の毛に捕えられて死んだり動けなくなったりした小昆虫に口吻を刺しているものが高い割合で見られます。モチツツジカスミカメと似た習性で、粘毛の上を不自由なく歩き回れるのは不思議ですが、大変臆病でカメラを近づけると立ち去ってしまうことが多く、たくさん見かけるわりに満足には撮れませんでした。

幼虫は脚や触角のだんだら模様が特徴的です。獲物は原形をとどめていませんが、小さなハエかユスリカでしょうか。

別の葉の上で食事中の幼虫ですが、齢は同じ(終齢?)ようです。

獲物はノミバエの一種でした。

同じように食事をしている成虫も数匹見かけましたが、どうにか撮れたのはこの1枚だけ。ちょっと前ピンでした。

(2021.10.27・明石公園)

2021年11月3日水曜日

ハラビロクロバチ科の一種

 木の葉の裏で見つけた小さなハチですが、足早に走り回ってどうにも撮影できないので捕えて帰りSTACK撮影しました。ハラビロクロバチ科(Platygastridae)の一種だと思いますが、属は分かりません。以前に撮影した Trimorus sp. と同様第1腹節の背面に瘤のような突起があります。♀のようで、体長は1.6mmくらいです。

翅はボロボロでしたが、黒っぽい斑紋があります。

背面の瘤は Inostemma が背中に背負った管の原形のようなものでしょうか。


(2021.10.27・明石公園にて採集)

2021年11月2日火曜日

ハネオレバエ科の一種(Psila sp.)

数年ぶりに見たトラ柄のハネオレバエです。クスノキの葉裏にいました。 
過去に撮影したのはいずれも11月で、他のサイトで見られる画像もほぼその頃に撮られているので、出現時期は晩秋に限られているようです。以前のブログに掲載した時点では Psila 属の未記載種だったらしいのですが、その後名前が付いたのかどうかは聞いていません。過去の経験では刺激に鈍感なハエという印象があったのですが、今回も葉を裏返しても逃げずに撮影させてくれました。体長約4.8mmです。



♀のようですが、腹部下面の出っ張りは何でしょうか。



(2021.10.27・明石公園)