2022年7月5日火曜日

クンショウモの一種(Pediastrum sp.)

 先日出したヒトヅノクンショウモと同じく64細胞のクンショウモですが、これは外周細胞のツノが2本づつあります。また細胞間に隙間もないので、いつもの淡水微生物図鑑に載っている種の中ではサメハダクンショウモ Pediastrum boryanum か和名無しの P. integrum のどちらかになりそうですが、2種の違いがよく分かりません。ただ過去に観察して前者だと思っているもの(こちら)は和名の由来である細胞表面の顆粒がもっと目立っていたので、今回の種は違うような気がします。

いつも完全な形の群体を撮影したいと思うのですが、今回も珪藻のかけらが付着してどうしても取れず、1個の細胞は中身が抜けています。また外周の細胞列が一か所乱れています。

外周細胞の突起から細い粘液糸が伸びています。

(2022.06.30・神戸市西区伊川にて採集)

2022年7月4日月曜日

ヒメガガンボ科 Styringomyia sp.

 サクラの葉の裏に、見覚えのある姿勢でとまるガガンボが見えました。ヒメガガンボ科 Styringomyia 属の一種だと思います。体長は約7mm、一文字に伸ばした脚の両端まで約19mm。老眼では危うく見落とすところでした。

以前のブログに同種と思われるものを掲載して、Aclerisさん、達磨さんより属名を教えていただきました。「一寸のハエにも五分の大和魂・改」のこちらのスレッドでAclerisさんの標本写真と達磨さんの回答が見られます。前回の記事では交尾中でしたが今回は♂だけで、おかげで面白い形の交尾器が見えます。

翅脈がよく見えるようにもう少し倍率を上げて撮ろうとしたのですが、葉に手を触れたとたん逃げられてしまいました。仕方がないので1枚目からの切り抜きを出しておきます。翅が重なって読みとりにくいのですが、翅脈はAclerisさんの標本画像とよく一致しています。

(2022.06.26・明石公園)

2022年7月3日日曜日

サクラサルハムシ

 サクラの葉で小さなハムシをたくさん見かけました。サクラサルハムシ Cleoporus variabilis だと思います。体色変異の大きい種のようですが、この日見たのはどれも同じような色合いのものばかりでした。鞘翅は半透明のようで、下翅が透けて見えています。はじめの2枚と後の2枚は別個体です。





(2022.06.08・明石公園)

2022年7月2日土曜日

リンゴマダラヨコバイ

 サクラの葉の裏に大きめのヨコバイらしき姿がありました。

傍らに脱皮殻が見えるので、この場所で羽化したものでしょう。

翅端まで約6mm。リンゴマダラヨコバイ Orientus ishidae で合っていると思います。



顔面を撮ろうと粘りましたが、逃げ回って葉の表にまわった挙句ぴょんと跳んでしまいました。

(2022.06.26・明石公園)

2022年7月1日金曜日

クモの糸にぶら下がるタマバエ科の一種

 2年前に出したものと同種かも知れませんが、木の幹の洞でクモの残した糸に並んでぶら下がっていたタマバエ科(Cecidomyiidae)の一種です。

撮影時には気づいていなかったのですが、右から2番目は2匹がぴったり向かい合っています。


長い脚が部分的に白っぽかったり黒っぽかったりするのは光の反射の具合によるものです。



この触角が短く、お腹の膨れた方がおそらく♀でしょう。頭端から翅端まで約2.6mm。

多分こちらが♂。サイズも少し小さくて頭端から翅端まで約2.1mmです。

(2022.06.23・舞子墓園)

2022年6月30日木曜日

アカクビナガハムシ

 垂れ下がったサルトリイバラにアカクビナガハムシ Lilioceris subpolita が集まっていました。できれば自然光で撮りたい虫ですが、風のある日で蔓が始終揺れているのであきらめ、すべてストロボ撮影となりました。幸い、光沢のあるわりにはストロボ一発でも色の出やすい被写体です。久しぶりに出会ったハムシなので、あちこちにたくさん生えているサルトリイバラを見て回りましたが、他では見つかりませんでした。






(2022.06.23・舞子墓園)

2022年6月29日水曜日

キマダラカメムシ卵に産卵するタマゴクロバチの一種

 キマダラカメムシはここ数年で急速に数を増やして今やこのあたりでは最普通種になってしまいました。その卵も木の葉の裏に産みつけられたものがよく目につきますが、空になった卵殻を見ると寄生率もかなり高いようです。以前にも持ち帰った卵塊からナガコバチ科 Anastatus 属の雌雄が羽化して出てきましたが、今回はハラビロクロバチ科のタマゴクロバチ亜科の一種がキマダラカメムシの卵に産卵しているところに遭遇しました。


シャリンバイの葉裏の卵塊はこの種の定数と思われる12個です。

寄主の卵の陰にうずくまるような産卵姿勢はこちらと同じですが、同じ種なのかどうかは分かりません。


ハチの体長ははっきりしませんが、キマダラカメムシ卵の最大径が2mmくらいなので、それよりやや小さいくらいでしょう。

(2022.06.19・明石公園)