2022年7月7日木曜日

ヒメコバチ科 Euplectrus sp. の幼虫

 サクラの葉裏で、ヒメコバチ科 Euplectrus sp. に寄生されていた蛾の幼虫です。すでに吸い尽くされて干からびていますが、こちらと同じリンゴツマキリアツバでしょう。この種名は明石の蛾達のYAMKENさんに教えていただきました。ヒメコバチの幼虫たちは寄主の下に潜り込んで、粗い繭を紡いで蛹化の準備に入っているようですが、まだ6匹ばかり寄主の背中に残っています。他の幼虫よりもかなり小さく見えますが、兄弟に追いつこうとまだ食事を続けているのか、それとも別種の寄生バチということも考えられるでしょうか。撮影後、1時間ほど経ってから覗いた時もまだこの状態のままでした。寄主の体長は約10mmですが、生時よりかなり縮んでいるかもしれません。








(2022.06.17・明石公園)

2022年7月6日水曜日

アシナガオニゾウムシ

 10年も前には公園内のあちこちで見られたアシナガオニゾウムシ Gasterocercus longipes ですが、ここ数年さっぱり姿を見せなくなっていました。それがこの春から時々見かけるようになって、この日は以前から目を付けているエノキの幹に雌雄数匹が集まっていました。

♂を背中に乗せた♀がせっせと樹皮を齧っています。

♂は時々突然♀の背中から降りて後ろに下がりますが、頭はずっと♀に向けていて間もなくまた背中に乗ります。こちらを警戒しているのかと思いましたが、何度も同じことを繰り返すのを見るとそうでもないようです。


この後♀が産卵を始めるのではないかと期待して見ていましたが、いつまでも状況が変わらないのであきらめて引き揚げました。

(2022.06.26・明石公園)

2022年7月5日火曜日

クンショウモの一種(Pediastrum sp.)

 先日出したヒトヅノクンショウモと同じく64細胞のクンショウモですが、これは外周細胞のツノが2本づつあります。また細胞間に隙間もないので、いつもの淡水微生物図鑑に載っている種の中ではサメハダクンショウモ Pediastrum boryanum か和名無しの P. integrum のどちらかになりそうですが、2種の違いがよく分かりません。ただ過去に観察して前者だと思っているもの(こちら)は和名の由来である細胞表面の顆粒がもっと目立っていたので、今回の種は違うような気がします。

いつも完全な形の群体を撮影したいと思うのですが、今回も珪藻のかけらが付着してどうしても取れず、1個の細胞は中身が抜けています。また外周の細胞列が一か所乱れています。

外周細胞の突起から細い粘液糸が伸びています。

(2022.06.30・神戸市西区伊川にて採集)

2022年7月4日月曜日

ヒメガガンボ科 Styringomyia sp.

 サクラの葉の裏に、見覚えのある姿勢でとまるガガンボが見えました。ヒメガガンボ科 Styringomyia 属の一種だと思います。体長は約7mm、一文字に伸ばした脚の両端まで約19mm。老眼では危うく見落とすところでした。

以前のブログに同種と思われるものを掲載して、Aclerisさん、達磨さんより属名を教えていただきました。「一寸のハエにも五分の大和魂・改」のこちらのスレッドでAclerisさんの標本写真と達磨さんの回答が見られます。前回の記事では交尾中でしたが今回は♂だけで、おかげで面白い形の交尾器が見えます。

翅脈がよく見えるようにもう少し倍率を上げて撮ろうとしたのですが、葉に手を触れたとたん逃げられてしまいました。仕方がないので1枚目からの切り抜きを出しておきます。翅が重なって読みとりにくいのですが、翅脈はAclerisさんの標本画像とよく一致しています。

(2022.06.26・明石公園)

2022年7月3日日曜日

サクラサルハムシ

 サクラの葉で小さなハムシをたくさん見かけました。サクラサルハムシ Cleoporus variabilis だと思います。体色変異の大きい種のようですが、この日見たのはどれも同じような色合いのものばかりでした。鞘翅は半透明のようで、下翅が透けて見えています。はじめの2枚と後の2枚は別個体です。





(2022.06.08・明石公園)

2022年7月2日土曜日

リンゴマダラヨコバイ

 サクラの葉の裏に大きめのヨコバイらしき姿がありました。

傍らに脱皮殻が見えるので、この場所で羽化したものでしょう。

翅端まで約6mm。リンゴマダラヨコバイ Orientus ishidae で合っていると思います。



顔面を撮ろうと粘りましたが、逃げ回って葉の表にまわった挙句ぴょんと跳んでしまいました。

(2022.06.26・明石公園)

2022年7月1日金曜日

クモの糸にぶら下がるタマバエ科の一種

 2年前に出したものと同種かも知れませんが、木の幹の洞でクモの残した糸に並んでぶら下がっていたタマバエ科(Cecidomyiidae)の一種です。

撮影時には気づいていなかったのですが、右から2番目は2匹がぴったり向かい合っています。


長い脚が部分的に白っぽかったり黒っぽかったりするのは光の反射の具合によるものです。



この触角が短く、お腹の膨れた方がおそらく♀でしょう。頭端から翅端まで約2.6mm。

多分こちらが♂。サイズも少し小さくて頭端から翅端まで約2.1mmです。

(2022.06.23・舞子墓園)